テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)で2年ぶりに四大大会の初戦敗退を喫した
錦織圭(日本)。ハードコートシーズンで満足いく結果を残せなかった錦織は、その後国別対抗戦デビスカップ ワールドグループ入れ替え戦(プレーオフ)日本対コロンビア戦にエースとして出場し、完全復活を印象付けるプレーを披露した。
今年のデビスカップで、日本は錦織が不在の中、アジア・オセアニア・ゾーン1部1回戦でインドネシアに5勝0敗、さらに2回戦では韓国に3勝2敗で勝利を収め、ワールドグループ入れ替え戦進出を果たした。
コロンビア戦で錦織は大会初日の第1試合に登場し、
A・ファリャ(コロンビア)と対戦した。サウスポーのファリャは2010年のウィンブルドン1回戦で、
R・フェデラー(スイス)に対して7-5, 6-4, 4-6, 6-7 (1-7), 0-6で敗れるも大健闘した経験があった。
錦織とファリャの一戦、試合序盤から不調だった錦織がこれまでの力を取り戻したラリー戦を展開した。そして、ファリャの19本を上回る28本のウィナーを決めた錦織が、11度のブレークチャンスから5度のブレークに成功し、1時間50分で日本が1勝目をあげる幸先の良いスタートを切った。
当時、錦織は「この1勝目はチームにとっても大きく、自分にとってもいい試合が出来た。今日はプレッシャーというか、自分がこの試合でどこまで力を出せるかだった。素直にいいプレーが出来て嬉しいです。」と、コメントした。
しかし、その後は
添田豪(日本)が
S・ヒラルド(コロンビア)に接戦に末に敗れ、
杉田祐一(日本)/
伊藤竜馬(日本)組は
J・S・キャバル(コロンビア)/
R・ファラ(コロンビア)組に完敗と、日本は通算1勝2敗と崖っぷちに追い込まれた。
大会最終日の第1試合、錦織はヒラルドとのエース対決に挑んだ。錦織は大会初日と同様に試合の主導権を握り続けてヒラルドに隙を与えないプレーを展開し、6-1, 6-2, 6-4のストレートで制した。
この試合、錦織はダブルフォルトを1本も犯さず、ヒラルドに1度もブレークチャンスを与えない完璧に近いサービスゲームを展開。また、ファーストサーブが入った時には89パーセントの高い確率でポイントを獲得した。
さらに24本のウィナーを放ち、ヒラルドのサービスゲームで9度のブレークチャンスから5度のブレークに成功した錦織は、1時間43分で勝利を収めた。
「嬉しいの一言です。日本チームも崖っぷちまできていたので、これで2-2になった。僕のやる事はやった。ここからがどちらに転んでもおかしくない勝負なので、あとはサポートして応援の力で勝ち取りたいと思います。」
その後は重圧がかかる中、添田豪がファリャを4-6, 6-4, 6-3, 6-3の逆転で下し、日本は通算3勝2敗でワールドグループ復帰を決めた。
監督の植田実氏は「苦しい戦いでしたが、1人1人が仕事をしてくれた。その中で何度も辛い思いをしてきた添田豪が男になってくれたと思う。」と、当時話していた。
日本は2014年1月31日から3日間行われるワールドグループ1回戦で、カナダと東京の有明コロシアムで対戦する事が決まっている。
世界ランキング50位以内にいるカナダ人選手は
M・ラオニチ(カナダ)、
V・ポスピシル(カナダ)の2選手。また、ダブルスの名手
D・ネスター(カナダ)も強敵である。
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