国内最大

総合テニス専門サイト「テニス365」

tennis365.net

HOMEニュースTOP今日のニュース(一覧)今日のニュース(詳細)

【GEEK通信】「プリンスオニカルのメリット、デメリット」

ウインザー商事
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)
画像提供: ウインザー商事
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。



プリンスから、xシリーズの超軽量モデルが発売されました。xシリーズは、フォア、バックの機能が異なり、フォアハンドは力強いスピンボールが打て、バックハンドは、伸びのあるスライスボールが打てる不思議なラケットです。

Xシリーズ第1弾の試打会では、グローブライドの相馬さんと延々とバックハンドのスライスを打ち続けていました。フォアに来たボールも回り込んでバックで打っていたのですが、それくらいバックハンドが打ちやすく、一度ネットの下の方に飛び出し、ネットの手前でふわりと浮き上がり、ゆっくり、ゆっくり伸びていき、ベースライン手前で落下し、バウンド後低く滑ってくれるのです。(そんな感覚がありました)

第1弾は、中級者に向けて発売したのですが、ラケットの評判が良く、第2弾は上級者に向けたモデルが発売されました。

そして女性に評判が良かった重さが選べるX105(290g、270g、255g)を経て、遂にベテラン向きにX115が発売されました。

名前の通り、フェース面積は115平方インチでウエイトはなんと236gなんです。
20年以上前に、チタン軽量ラケット戦争があり、ラケットの重さをどこまで軽くできるのかを各メーカーが競い合い200g前後まで行ってしまったのです。
その結果どうなったかというと、テニスエルボーになる人が増え、ラケットが折れてしまうことも増えてしまったのです。その後20年近く、ラケットのウエイトは軽くても250gまでと暗黙の了解があったのです。

20年たった現在、ラケットの開発技術は進歩し、耐久性に関しては、まったく問題はないと思うのですが、テニスエルボーに関しては、結論はわかりません。

ボールの質量は一定(約60g)ですので、ラケットとボールが衝突した衝撃(弾かれ度合い)は軽いものほど大きくなります。20年前は、衝撃を吸収する素材や打ち負けないフレーム構造が進化の途中でしたので、腕への負担が大きかったのだと思います。ラケットの性能は、ウエイトだけで判断してはいけません。バランス、スイングウエイト、フレーム厚、フェース面積、張り上げテンションなどの複合的な要素が重要です。

では、実際にX115をダブルスのゲームに使用してみて、現在使用中のエンブレム110と比べてみましょう。
ラケットの基本データは

『X115』
ウエイト236g、バランス365mm、スイングウエイト280、フェース面積115平方インチ、フレーム厚30-27.5-24mm(トップから)、ストリングパターン16×19、適正テンション46ポンド(±8)、全長27.25インチ、パワーレベル1450

『エンブレム110』
ウエイト255g、バランス350mm、ストリングウエイト280、フェース面積110平方インチ、フレーム厚26-28-26mm(トップから)、ストリングパターン16×18、適正テンション48ポンド(±8)、全長27インチ、パワーレベル1350

X115をまず手に取ってみて感じたのは、デザインが渋くてカッコいいことです。普通この手のラケットは、女性をターゲットにしていることが多く、明るいカラーが一般的ですが、艶消しのブラックとゴールドでファントムグラファイト97を大きくした感じなのです。



当然「オニカル」という副題がついているように、超絶軽いです。

サービスは振り抜きがよく、回転系のスライス、スピンはキレがあり、セカンドサービスでダブルフォルトをしない安心感はありましたが、フラットサービスのスピードが出る反面、バウンド後の伸びが感じられませんでした。
ネットプレーでは、ハイボレー、スマッシュは打ちやすいが、ローボレーになると弾かれることがたまにありました。
ストロークは、バックハンドスライスやロブは打ちやすい反面、突き球は浮いてしまうことがありました。

リターンはもっとミスが増えてしまい、コースを読んで芯に当てたにもかかわらず、あらぬ方向に飛んでしまうこともありました。
236gはさすがに軽すぎてしまう弊害と軽いことで生まれるメリットの諸刃の剣でした。

そもそも軽量ラケットはどうやってボールを飛ばすかというと、ラケットの先に重量を配分し、トンカチで釘を打つような感覚です。
トンカチで釘を打つ時は、上から下に振り下ろしますので、ラケットのスイングに例えると、サービスやスマッシュのフォームは理にかなっているのです。
トンカチで水平に振って釘を打つのは、重力もあり、少し的を外しやすくなります。ラケットのスイングに例えると、ストロークの打ち方は安定しづらくなります。ただし安定させるコツがあります。

グリップを支点としてラケットヘッドを回転させることです。
体を軸に回転運動で打っている時は安定感があるのに対して、ラケットを平行に押し出すようにコントロールしようとすると途端に飛ばなくなります。
でんでん太鼓やアメリカンクラッカー(若い人は知らないかも)を思い出してみてください。

高速で動かすことで、ヒモの緩みがなくなり、安定してきますが、軸が動いてしまったり、回転スピードが遅くなると、ヒモに緩みが出てしまい上手く当たらなくなってしまいます。

軽量ラケットの場合、グリップを支点にラケットヘッドを速く回すことで、威力を出していますので、グリップが大きく動いたり(押し出すようなショット)、ラケットヘッドが低速の動きの場合、急激に威力が無くなってしまうのです。その欠点を防ぐには、フェース面積を大きくし、トップ部のフレーム厚を厚くし、ストリングテンションを下げることです。X115は、エンブレム110に比べフェース面積は5平方インチ大きく、トップ部が4mm厚く、適正テンションが2ポンド低めになっているもうなずけます。

エンブレム110は、X115で感じた軽量過ぎることによる弊害を緩和したラケットに仕上がっており、255gと軽量であり、軽量ラケットとしてのメリットは十分に享受されるのです。

X115のメリット、デメリットについて、まとめていくと、236gという圧倒的な軽さからくる操作性の良さ、試合後半の疲れからくるスイングスピードダウンを軽減してくれます。

デメリットは、スイングスピードが上げられない状況(速いサービスのリターン、ローボレーなど)になると弾かれやすいことです。
ベテランのダブルスを楽しむ方に向いているラケットですが、ベテランのシングルスを極めたい方にもいいと思います。その理由は、バックハンドのスライスがいいこと。長い試合でも疲れずラケットを振り続けられること。
打ち負けやすいことで、ドロップショットは打ちやすくなること。欠点である速いサービスのリターン、ローボレーの弾かれやすさはダブルスでは致命傷になるが、シングルスでは、決定的なミスショットではないこと。

決して軽量ラケットをすすめる気持ちはありません。重たいものを速く振れる人は軽くしないでください。ただ、無理して重たいラケットを使っていると、サービスが安定しない、4人でのボレーボレーで最初にミスが出る、後半急激にスイングが遅くなるなどの弊害が生まれます。そのような方は1度「オニカル」を試してみてください。

[PR]全仏オープンテニス
5/30(日)~6/13(日)
WOWOWで連日生中継!
WOWOWオンデマンドでは放送以外のコートも配信!


■放送&配信スケジュールはこちら>




■関連ニュース

・【GEEK通信】「スピンがかかるとテニスが面白くなります。Vコア100、Vコア100Lどっちも良い。」
・「いまさら聞けない?テニスストリングの常識、非常識」
・「騙されたと思って打ってみて!ラクラケはプラスが色々」

■おすすめコンテンツ

・テニススクール コンシェルジュ
・レンタルコート予約
・世界ランキング
(2021年5月20日14時01分)

その他のニュース

8月24日

大坂なおみ・伊藤あおい 日本勢TOP2 (16時14分)

餃子争奪!テニス団体戦が開催 (15時39分)

錦織圭 世界90位に後退 (15時07分)

シャラポワ 式典でいじられる (13時02分)

フェデラー 純資産1600億円超える (11時20分)

アルカラス 決勝でシナーと対戦希望 (10時12分)

大坂なおみ 新コーチと全米OP制覇へ (9時08分)

大坂なおみ 伊藤あおいに「釘付け」 (7時58分)

8月23日

有明でテニス愛好家向け大会 開催~ARIAKE WOW!2025~ (13時51分)

ジョコ、ジャッジに驚愕「デカい」 (10時40分)

シナー、テニス辞めていたかも… (10時10分)

清水悠太 全米OP予選決勝で敗退 (8時35分)

柴原瑛菜 2年連続で全米OP本戦へ (7時37分)

望月慎太郎 全米OP初の本戦入り (7時06分)

伊藤あおい 全米OP本戦入り逃す (5時52分)

8月22日

内島萌夏 全米OP初戦の相手決まる (13時21分)

ジョコ 全米OP初戦は19歳差対決 (12時07分)

ジョコ ヤンキースの始球式に登場 (11時04分)

錦織圭と関係終了「光栄だった」 (9時31分)

柴原瑛菜 2年連続全米OP本戦王手 (8時45分)

西岡良仁 全米OP初戦は世界17位 (7時54分)

望月慎太郎 接戦制し全米OP本戦王手 (7時04分)

ダニエル太郎 全米OP予選敗退 (6時45分)

【1ポイント速報】日本勢 全米OP予選2回戦 (6時29分)

清水悠太 四大大会初の本戦入り王手 (5時50分)

坂本怜 激闘の末に全米OP予選敗退 (2時41分)

伊藤あおい 全米OP本戦王手 (2時00分)

大坂なおみ 全米OP初戦の相手決定 (1時16分)

8月21日

伊ペアが執念の全米OP連覇達成 (13時49分)

小田凱人、優勝会見もバッチリ!? (10時50分)

チチパスまた敗退 全米OPに不安 (10時12分)

錦織圭 コーチ関係終了を発表 (9時40分)

全米OP予選 わずか45分で雨天順延 (8時22分)

25歳 逆転勝ちで復帰戦8強 (7時23分)

大坂なおみ モンフィスにメッセージ (6時03分)

錦織圭 全米OP欠場「MRI検査受けた」 (4時51分)

←ニューストップへ
←前のページに戻る


テニスの総合ポータルサイトテニス365
テニスのことならテニス365へ。テニスの総合ポータルサイトテニス365はテニス用品の通販やテニスニュースからテニスコート、テニススクールなどのテニス施設を探す方まで、便利なテニスの総合ポータルサイト、テニス情報の検索サイトです。プレイスタイルやテニス歴など、テニス用品を様々な角度から探すこともできます。テニスの総合ポータルサイトをお探しなら、テニスニュースやテニス施設の情報が豊富なテニスの総合ポータルサイトのテニス365をお使いください。テニスの総合ポータルサイトのテニス365であなたのテニスをもっと楽しく!