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【GEEK通信】「プリンスオニカルのメリット、デメリット」

ウインザー商事
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)
画像提供: ウインザー商事
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。



プリンスから、xシリーズの超軽量モデルが発売されました。xシリーズは、フォア、バックの機能が異なり、フォアハンドは力強いスピンボールが打て、バックハンドは、伸びのあるスライスボールが打てる不思議なラケットです。

Xシリーズ第1弾の試打会では、グローブライドの相馬さんと延々とバックハンドのスライスを打ち続けていました。フォアに来たボールも回り込んでバックで打っていたのですが、それくらいバックハンドが打ちやすく、一度ネットの下の方に飛び出し、ネットの手前でふわりと浮き上がり、ゆっくり、ゆっくり伸びていき、ベースライン手前で落下し、バウンド後低く滑ってくれるのです。(そんな感覚がありました)

第1弾は、中級者に向けて発売したのですが、ラケットの評判が良く、第2弾は上級者に向けたモデルが発売されました。

そして女性に評判が良かった重さが選べるX105(290g、270g、255g)を経て、遂にベテラン向きにX115が発売されました。

名前の通り、フェース面積は115平方インチでウエイトはなんと236gなんです。
20年以上前に、チタン軽量ラケット戦争があり、ラケットの重さをどこまで軽くできるのかを各メーカーが競い合い200g前後まで行ってしまったのです。
その結果どうなったかというと、テニスエルボーになる人が増え、ラケットが折れてしまうことも増えてしまったのです。その後20年近く、ラケットのウエイトは軽くても250gまでと暗黙の了解があったのです。

20年たった現在、ラケットの開発技術は進歩し、耐久性に関しては、まったく問題はないと思うのですが、テニスエルボーに関しては、結論はわかりません。

ボールの質量は一定(約60g)ですので、ラケットとボールが衝突した衝撃(弾かれ度合い)は軽いものほど大きくなります。20年前は、衝撃を吸収する素材や打ち負けないフレーム構造が進化の途中でしたので、腕への負担が大きかったのだと思います。ラケットの性能は、ウエイトだけで判断してはいけません。バランス、スイングウエイト、フレーム厚、フェース面積、張り上げテンションなどの複合的な要素が重要です。

では、実際にX115をダブルスのゲームに使用してみて、現在使用中のエンブレム110と比べてみましょう。
ラケットの基本データは

『X115』
ウエイト236g、バランス365mm、スイングウエイト280、フェース面積115平方インチ、フレーム厚30-27.5-24mm(トップから)、ストリングパターン16×19、適正テンション46ポンド(±8)、全長27.25インチ、パワーレベル1450

『エンブレム110』
ウエイト255g、バランス350mm、ストリングウエイト280、フェース面積110平方インチ、フレーム厚26-28-26mm(トップから)、ストリングパターン16×18、適正テンション48ポンド(±8)、全長27インチ、パワーレベル1350

X115をまず手に取ってみて感じたのは、デザインが渋くてカッコいいことです。普通この手のラケットは、女性をターゲットにしていることが多く、明るいカラーが一般的ですが、艶消しのブラックとゴールドでファントムグラファイト97を大きくした感じなのです。



当然「オニカル」という副題がついているように、超絶軽いです。

サービスは振り抜きがよく、回転系のスライス、スピンはキレがあり、セカンドサービスでダブルフォルトをしない安心感はありましたが、フラットサービスのスピードが出る反面、バウンド後の伸びが感じられませんでした。
ネットプレーでは、ハイボレー、スマッシュは打ちやすいが、ローボレーになると弾かれることがたまにありました。
ストロークは、バックハンドスライスやロブは打ちやすい反面、突き球は浮いてしまうことがありました。

リターンはもっとミスが増えてしまい、コースを読んで芯に当てたにもかかわらず、あらぬ方向に飛んでしまうこともありました。
236gはさすがに軽すぎてしまう弊害と軽いことで生まれるメリットの諸刃の剣でした。

そもそも軽量ラケットはどうやってボールを飛ばすかというと、ラケットの先に重量を配分し、トンカチで釘を打つような感覚です。
トンカチで釘を打つ時は、上から下に振り下ろしますので、ラケットのスイングに例えると、サービスやスマッシュのフォームは理にかなっているのです。
トンカチで水平に振って釘を打つのは、重力もあり、少し的を外しやすくなります。ラケットのスイングに例えると、ストロークの打ち方は安定しづらくなります。ただし安定させるコツがあります。

グリップを支点としてラケットヘッドを回転させることです。
体を軸に回転運動で打っている時は安定感があるのに対して、ラケットを平行に押し出すようにコントロールしようとすると途端に飛ばなくなります。
でんでん太鼓やアメリカンクラッカー(若い人は知らないかも)を思い出してみてください。

高速で動かすことで、ヒモの緩みがなくなり、安定してきますが、軸が動いてしまったり、回転スピードが遅くなると、ヒモに緩みが出てしまい上手く当たらなくなってしまいます。

軽量ラケットの場合、グリップを支点にラケットヘッドを速く回すことで、威力を出していますので、グリップが大きく動いたり(押し出すようなショット)、ラケットヘッドが低速の動きの場合、急激に威力が無くなってしまうのです。その欠点を防ぐには、フェース面積を大きくし、トップ部のフレーム厚を厚くし、ストリングテンションを下げることです。X115は、エンブレム110に比べフェース面積は5平方インチ大きく、トップ部が4mm厚く、適正テンションが2ポンド低めになっているもうなずけます。

エンブレム110は、X115で感じた軽量過ぎることによる弊害を緩和したラケットに仕上がっており、255gと軽量であり、軽量ラケットとしてのメリットは十分に享受されるのです。

X115のメリット、デメリットについて、まとめていくと、236gという圧倒的な軽さからくる操作性の良さ、試合後半の疲れからくるスイングスピードダウンを軽減してくれます。

デメリットは、スイングスピードが上げられない状況(速いサービスのリターン、ローボレーなど)になると弾かれやすいことです。
ベテランのダブルスを楽しむ方に向いているラケットですが、ベテランのシングルスを極めたい方にもいいと思います。その理由は、バックハンドのスライスがいいこと。長い試合でも疲れずラケットを振り続けられること。
打ち負けやすいことで、ドロップショットは打ちやすくなること。欠点である速いサービスのリターン、ローボレーの弾かれやすさはダブルスでは致命傷になるが、シングルスでは、決定的なミスショットではないこと。

決して軽量ラケットをすすめる気持ちはありません。重たいものを速く振れる人は軽くしないでください。ただ、無理して重たいラケットを使っていると、サービスが安定しない、4人でのボレーボレーで最初にミスが出る、後半急激にスイングが遅くなるなどの弊害が生まれます。そのような方は1度「オニカル」を試してみてください。

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