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シャラポワ 禁止薬物に気付かず

グランドスラムで5度の優勝を誇る「女子テニスの妖精」と言われたM・シャラポワ(ロシア)は7日、アメリカのロサンゼルスで記者会見を開き、1月の全豪オープン期間中に受けた薬物検査で禁止薬物の陽性反応が出たことを発表した。

元世界ランク1位のシャラポワは会見で、今回の出来事は全て自分に責任があることを明らかにし、国際テニス連盟であるITFから長期に渡る出場停止処分が下される可能性があると語った。

「今回のことで、重大な結果に直面することになるのは明らかです。このような形で私のテニス人生が終わってしまいたくありません。またテニス選手としてコートに立てるチャンスが与えられることを心から願っています。」とシャラポワは自身の想いを語った。

28歳のシャラポワは、薬物検査でメルドニウムという禁止薬物の陽性反応が出た。この薬はシャラポワが自身の健康上の問題から10年間も飲み続けている薬だった。

多くのロシア人アスリートが摂取されていると思われるこのメルドニウムは、今年から世界アンチドーピング機構が禁止薬物として指定した物だった。シャラポワが言うには、この薬が禁止薬物のリストに今年から入ったことを気付かなかったと話す。

「全くもって、私自身の責任でプロテニス選手としてのプロフェッショナリズムに欠けることで、非常に大きな過ちを犯してしまいました。ファンの皆さんを落胆させてしまい、4歳からずっと大好きで続けてきたテニスを汚してしまいました。」

ミルドネイトとしても知られているメルドニウムは、ラトビアの製薬会社の製品で、かつてのソビエト連邦ではアスリートの心臓疾患に多く使用された薬だった。メルドニウムは貧血や血流の低下などに効果的であるが、過度に摂取することで運動能力を高めるための成績向上薬にも成り得るものでもあるとされている。

シャラポワが受けるであろう処分は、最大で数年間の出場停止か、考えられる最小の物としては故意に摂取したのではなく全くもって自身の過失であったとする発言を信じてもらえるならば停止処分は下されない可能性もある。

世界アンチドーピング機構のC・リーディー会長は、通常このメルドニウムの陽性反応が出たアスリートの多くは1年間の出場停止処分が下されると語る。

ITFの反ドーピング・プログラムが出した声明では、シャラポワが一時的に今週末から公式戦への出場が禁止されるが、事案はまだ検証中であるとしている。

「自分自身の体のことであり、その体に摂取した物に関しては、自分自身に責任がある。」とシャラポワも自身の非を認めていた。

世界アンチドーピング機構のスポークスマンであるB・ニコルス曰く「ITFから何らかの決断が発表されるまで、組織としてはこれ以上のコメントは控えたい。世界アンチドーピング機構としてその決断の理由を検証し、続いてスポーツ調停裁判所へ訴える個人の権利が施行出来るか判断することになるであろう。」としている。

シャラポワが語ったところによると、今回の検査は1月26日の全豪オープン女子シングルス準々決勝で、S・ウィリアムズ(アメリカ)に敗退した直後に受けた時に出た結果だった。その後は左前腕の怪我の治療のために公式戦には出場しておらず、今週から開幕するインディアンウェルズでのBNPパリバ・オープン女子の欠場も既に表明していた。

今年の1月から禁止薬物と指定されたメルドニウムでは、これまでも多くのアスリートが検査で陽性反応が出ていた。ウクライナのバイアスロン選手、ロシアの自転車競技のE・ヴォルガノフもそうだった。7日にはアイスダンスのヨーロッパ・チャンピオンだったロシア出身のE・ボブロバも地元メディアへメルドニウムの陽性反応が出たことを伝えていた。

シャラポワはこのメルドニウムについて「2006年から幾つかの健康上の問題から摂取していた。」と語り、その健康上の問題としてはマグネシウム不足、通常のインフルエンザ、心臓検査での不規則な結果や、家族が患っている糖尿病の初期症状などが含まれている。

シャラポワと顧問弁護士であるJ・ハガーティは、現在ITFが調査を行っている最中であることから、どこでその薬を摂取し、どこで入手したかは語れないとしている。

リーディー会長が電話でのインタビューに答え「その薬は東ヨーロッパでは普通に販売されているものだというのは知っている。店頭で普通は購入出来るもの。効果の強いものに関しては処方せんが必要な場合もある。1月1日にこれが禁止薬物に指定されてからは、この薬での陽性反応が多発している。禁止薬物に関してより一層のケアをアスリート自身がしていれば、このようなことは起こらなかったのではないか。」と語っていた。

リーディー会長は、メルドニウムが非常に強い薬にも成り得るものであり、世界アンチドーピング機構の専門家はこの薬を禁止薬物リストに入れる決断を下したと述べていた。

シャラポワやその他のアスリート達は全員、昨年のクリスマス直後に禁止薬物のリスト入りをした新たな薬に関して通知されていた。しかしシャラポワ曰く、ただ単にその変化に気付かず、その通知のメールの最下位部にあった新たな禁止薬物リストが表示されるリンクをクリックしなかったとしている。

ハガーティ弁護士は「彼女(シャラポワ)はこの薬をもう何年も飲んでおり、それが毎年繰り返されていたことで、彼女のレーダーから外れていた。残念ながら彼女は気付くことはなかった。今回の結果の手紙を受け取った時、彼女はショックを受け、ただ呆然としてしまった。彼女は禁止薬物や試合への姿勢に対しては多大なプライドを持っており、今回のケースでもすぐに前へ進みたいとする意思を示し、責任を果たしたいと思っている。」とシャラポワについて語っていた。

シャラポワは同世代の選手としては、世界有数の選手の1人である。35度のシングルス優勝を飾り、生涯獲得賞金も3,600万ドル(約40億7,000万円)にものぼる。現在世界ランク7位にいるが、昨年のウィンブルドン以降は怪我のため、昨年のフェドカップ決勝戦と公式戦3大会にしか出場していない。

女子プロテニス協会のS・シモン会長は「このマリア(シャラポワ)のニュースを聞いた時は非常に悲しかった。マリアはリーダーであり、彼女はテニスというスポーツを誠実なものにしたいとする女性としても知っていた。しかし、彼女自身も認識しているように、自身の体に摂取する物に関しては選手個人に責任があり、その薬が許されているものかを確認する責任もある。」と出された声明でコメントしていた。

シャラポワは自身が展開するオフコートでのビジネスやスポンサー契約などを含めると、世界で最も収入のある女性アスリートと考えられている 。アメリカの世界有数の経済誌であるフォーブスが推定したところによると、2015年の年収は2,950万ドル(約33億3,000万円)にのぼる。

シャラポワが世界のスポーツシーンを賑わせたのは2004年のウィンブルドンで、当時17歳にして決勝戦でセリーナを下して優勝を飾った時だった。その後、2006年に全米オープン、2008年に全豪オープン、2012年には全仏オープンを制すると生涯グランドスラムを達成。2014年にも全仏オープンで再びチャンピオンになっている。

そして2005年8月に初めて世界ランク1位へと上り詰め、その座に5度辿り着き、合計21週間女王として君臨していた。

そんなシャラポワだったが、これまでのテニス人生では幾度となる怪我に泣かされ、その度に長期に渡りツアー離脱を余儀なくされていた。そして肩の腱板損傷回復手術を受けたことでサービスのフォームの改善を強いられ、長年ハムストリングの怪我にも悩まされた。

シャラポワはロシアに生まれ、ソチで幼少期を過ごすと、テニスのキャリアを積むために若くしてアメリカのフロリダへと移住していた。そして現在は主な拠点としてロサンゼルス地区に住居を構えている。

(STATS - AP)






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