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今年10月に東京は有明コロシアムで行われた男子テニスの楽天ジャパン・オープンで決勝進出を果たした錦織圭(日本)。本日は第9弾 楽天ジャパン・オープンその4【ゾーンに入る】と【100点満点のテニス】をお届けします。
【ゾーンに入る】
錦織圭の決勝の相手はM・ラオニチ(カナダ)。ビッグサーブと強烈なストロークが持ち味のラオニチは、準決勝でロンドンオリンピック金メダリストで全米オープン覇者のA・マレー(英国)にマッチポイントを握られながらも逆転で勝利していた。
決勝について錦織圭は「リターンが鍵になると思う。ラオニチのサーブは強い。マレーも非常にリターンのいい選手だけど、あのような結果になってしまった。サーブに関しては冷静に、リターンは1つのチャンスを逃さないようにしていきたい。」と、コメントしていた。
2008年のデルレイビーチ国際テニス選手権以来となるツアー大会2度目の優勝がかかった決勝戦、当日は雨が降っていた。しかし、悪天候が嘘のように天気は回復し、センターコートは屋根が開いた状態で試合が始まった。
第1セット、ラオニチは強烈なサーブから浮いた球を叩きネットへ出て、積極的に攻める。
これに対し錦織圭は、強烈なパッシングショットを打つのではなく、無理をせず絶妙なコントロールでラオニチの足元へ落とす。そして、第2ゲームでいきなりブレークに成功し、ゲームカウント3-0とリードする。しかし、バックハンドスライスを多用してくるラオニチのテニスに惑わされ、第5ゲームでブレークバックを許してしまう。
その後は互いにサービスキープを続け、このセットはタイブレークへ突入する。錦織圭はタイブレークで0-3とリードを許すも、ラオニチを左右に揺さぶる安定感のあるストローク戦、さらにバックハンドの芸術的なパッシングショットを決めてセットポイントを握る。そして、最後ラオニチのバックハンドがアウトし、第1セットは錦織圭が先取する。
第2セットに入るとラオニチは反応が良くなり、錦織圭のドロップショットなどにしっかり対応するなどでパッシングショットを決め、さらに得意のサーブでポイントを次々と獲得し始める。
そして、錦織圭に徐々にプレッシャーがかかり始め、第8ゲームでラオニチにブレークチャンスを握られてしまう。このポイントで力んでしまった錦織圭は、逆クロスへのフォアハンドをアウトしてしまい、ゲームカウント3-5とラオニチのサービング・フォー・ザ・セットのゲームを迎える。結果、ラオニチに第2セットを奪われ、勝負の行方は第3セットへ突入する。
第3セット、第1ゲームで難なくサービスキープをした錦織圭。迎えた第2ゲーム、コートの外から華麗なバックハンドのダウンザラインを決め息を吹き返し、30-40と錦織圭としてはなんとしてでも取りたいブレークポイントが訪れる。ここでネットに出るラオニチの横を鮮やかなパッシングショットを決めてブレーク。この瞬間、錦織圭は自分の陣営を見て大きなガッツポーズをつくる。
ここからゾーンに入った錦織圭は、第4ゲームでラオニチの高く弾むサーブに対し、ジャンピングでバックハンドのリターンエースを決め、ゲームカウント4-0とする。
以降、何をやっても上手くいく錦織圭。最後ラオニチのドライブボレーがネットにかかり、ゲームセット。
錦織圭は、2008年デルレイビーチ国際テニス選手権以来となるツアー大会2度目の優勝を果たし、ツアー公式戦となった1973年以降で日本人初の優勝となる快挙を成し遂げた。昨年、米男子クレーコート選手権とスイス・インドアの2大会では決勝に進出するも準優勝に終わっていた。
【100点満点のテニス】
優勝後の記者会見で錦織圭は「今日の試合は何点?」と質問され、即座に「100点と言いたいですね。」
「初優勝したのが4年前。(その後)肘の怪我もありましたし、手術もした後なので、よく考えるとこの1勝というのは嬉しい。ずっと目標にしていたツアー優勝を成し遂げることができた。これからもっとATP500やマスターズで勝てるようにしたいですね。」と、優勝を噛みしめた。
今後のグランドスラムについては「今はハードコートが得意なので、全米オープンや全豪オープンでベスト8以上を狙っていきたい。(今回の)ATP500での優勝というのは自信になる。トッププレーヤーも倒したから、今後につながるいい大会だったと思う。」
錦織は、今大会1回戦で同胞の添田豪(日本)、2回戦で元世界ランク5位のT・ロブレド(スペイン)、準々決勝では第2シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)、準決勝では2006年全豪オープン準優勝者のM・バグダティス(キプロス)を破り決勝へ進出、最後は1つ年下のラオニチに勝利し優秀の美を飾った。
今年の全豪オープンではベスト8進出を果たした錦織圭。この結果を超える日は遠くないと感じさせるラオニチとの決勝戦だった。
【明日12月28日(金)は、全豪オープン2013の展望】
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