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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会14日目の9日、女子シングルス決勝を行い、第4シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)が世界女王で第1シードのV・アザレンカ(ベラルーシ)を6-2, 2-6, 7-5で振り切り、今大会で4度目の優勝を飾った。試合時間は2時間18分だった。これでセリーナの四大大会の優勝は15となった。
試合後、セリーナは「正直に言って、優勝できたなんて信じられない。準優勝のスピーチを考えていたほどだわ。『彼女(アザレンカ)のプレーはすごすぎる』と考えていた。本当に驚いています!」と、興奮気味に話した。
両者の対戦は11度目のことで、今回の勝利でセリーナが10勝1敗と大きくリードを広げることになった。
今大会のセリーナは決勝まで1セットも落とさない好調ぶりで、6試合を戦って失ったゲーム数はわずか19。全仏オープンで四大大会1回戦敗退を初めて経験した後は、ウィンブルドン・ロンドンオリンピックで優勝し、26勝1敗と素晴らしい戦績を残している。
今大会で女子決勝戦がフルセットにもつれ込んだのは1995年以来のことだった。またウィンブルドンと今大会の連続で同じ選手が優勝したのは10年ぶりで、10年前にそれを達成したのもセリーナだった。
一方、惜敗したアザレンカは「セリーナは優勝に値すると思う。真のチャンピオンが何たるかを示していた。私は全力を尽くしたのは間違いないから、後悔なくコートを去ることができる。」と、勝者を称えていた。
今季アザレンカはフルセットの試合で負けたことがなく、12勝0敗をマークしていた。しかし、決勝ではセリーナが44本のウィナーを決めたのに対し、アザレンカは13本のウィナーしか奪えず、パワーの差が顕著に現れた。
アザレンカは準々決勝で昨年優勝のS・ストザー(オーストラリア)を、準決勝では2006年の覇者M・シャラポワ(ロシア)を撃破しての決勝進出だったが、決勝では一歩及ばなかった。
決勝戦は第1セット、第2セットを互いに奪い合い、試合はファイナルセットへ。
ファイナルセットではアザレンカがゲームカウント4-3とリードし、続くセリーナのサービスゲームをラブゲームでブレークに成功、ゲームカウント5-3とリードを重ねる。
第9ゲームのセリーナのサービスゲームでは30-30となり、あと2ポイントでアザレンカの勝利が決まるところだったが、セリーナが何とかサービスキープに成功、ゲームカウント5-4となる。
第10ゲーム、アザレンカのサービング・フォー・ザ・マッチで、サービスキープすれば優勝という場面となる。しかし、四大大会2度目の決勝進出のアザレンカは緊張してしまい、ぎこちないプレーで3ポイント連続で落としてしまい、0-40としてしまうとそのままブレークを許し、試合はゲームカウント5-5となる。
セリーナは四大大会で19度も決勝に進出しており、経験の差が如実に出た格好となった。
姉であるV・ウィリアムズ(アメリカ)が見守る中、セリーナは第11ゲームもサービスキープに成功し、ゲームカウント6-5と今度は逆転でリードする。
そして第12ゲーム、アザレンカがサービスキープすればタイブレークへ入っていたのだが、セリーナは強烈なリターンでアザレンカのサービスをアタックしリード。そして、迎えたマッチポイントでセリーナはバックハンドリターンを放ち、返球したアザレンカのバックハンドがアウト、試合に終止符が打たれた。
試合が終わるとセリーナは「信じられない、信じられない、信じられない」という言葉を繰り返し叫び、そのまま母親とヴィーナスが見守るスタンドへ向かい、祝福のキスを交わした。
一方、勝利を目前にしながらも敗れたアザレンカはベンチに座り、白いタオルを顔にかけて悔しさを噛み締めていた。
決勝のセリーナはサービスも好調で、13本のサービスエースを記録し、最大速度は125マイル(約200㎞)をマークした。
9月26日に31歳となるセリーナは、M・ナブラチロワ(アメリカ)が1987年に優勝して以来の30歳以上の女子シングルス優勝選手となった。
セリーナは1999年、17歳のときに今大会で四大大会初優勝を飾っており、今回の優勝との開きは13年。これは1968年のオープン化時代以降、最長のことで、第2位はナブラチロワとC・エバート(アメリカ)の12年。ナブラチロワはウィンブルドンで1978年と1990年に優勝しており、エバートは全仏オープンで1974年と1986年に優勝している。
(翻訳/森田系太郎)
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