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接戦制したナダルが決勝進出◇BNLイタリア国際男子

男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズであるBNLイタリア国際男子(イタリア/ローマ、賞金総額275万ユーロ、クレー)は1日、シングルス準決勝2試合が行われ、第3シードのR・ナダル(スペイン)が世界ランク40位のE・ガルビス(ラトビア)を6-4, 3-6, 6-4のフルセットで下し、決勝に進出した。

世界ランク3位のナダルは、今季クレーコート9試合目にして初めてセットを落としている。「本当に厳しい試合だったし、良いプレーをしていなかった。ガルビスとの試合は本当に難しい。彼のサーブは本当に信じられないよ。」

この試合を通してガルビスは、12本のブレークポイントをナダルに与えてしまっていたが、時速210kmを超えるサーブを駆使して2度しかブレークを許さず、ナダルにリターンで沈むを与えなかった。

オープニングゲームでブレーク成功したナダルであったが、最後のゲームまで再びブレークに成功することはなかった。

2時間46分にも及んだ試合が終わった瞬間、ナダルは大きな雄たけびを上げ、何度も拳を振り、勝利の喜びを全身で表現した。「こんなに難しい試合を勝てて、本当にハッピーだよ。メンタルな部分が良かったね。」

これまでに今大会を4度制しているナダルは、決勝で同胞のD・フェレール(スペイン)を迎え撃つ。第13シードのフェレールは、第6シードのF・ベルダスコ(スペイン)を7-5, 6-3のストレートで下し、自身初となるマスターズ大会の決勝に進出している。

今大会の2回戦でR・フェデラー(スイス)を破る活躍を見せていた21歳のガルビスは、同一のクレーコート大会でフェデラーとナダルから勝利を奪う最初の選手となるチャンスであった。

惜しくもナダルの前に敗れたガルビスは「良いプレーが出来ればトップ選手にも対抗できると分かっていた。僕のサーブと力強いストロークがあれば、対戦するのはタフだと思うよ。負けはしたけど、今週には満足しているよ。」と大会を振り返った。

フェデラーとガルビスの対戦では、両者ともにエラーを積み重ねる展開となっていたが、ナダルとガルビスの対戦は対照的な展開となっていた。ナダルはいつもの通り堅実なプレーで試合を組み立て、対するガルビスは積極的にウィナーを狙っていった。

試合が終わったときの両者のウィナーの数は、ガルビスの50本に対しナダルが18本。また凡ミスの数は、ガルビスが56本も犯したのに対し、ナダルはわずか23本だった。さらにガルビスは13本のサービスエースを決めたのに対し、ナダルは1本もエースを決められなかった。

第1セット第1ゲームでいきなりブレークに成功したナダルは、そのリードを守りきりこのセットを先取する。第2セットは、ガルビスが第3ゲームでブレークに成功しセットを奪い返し、試合はファイナルセットに突入する。

試合の行方がかかるファイナルセット、ガルビスは何度もブレークピンチを迎えたものの、その度に満員の観客からの応援を背にピンチを跳ね返した。

しかし第3セット第10ゲーム、ガルビスのサービスゲームで0-40と3本のマッチポイントを握ったナダルがドロップショットを放つと、ガルビスにはそれを追いかける気力が残っておらずゲームセットとなった。

もう一方の準決勝では、ベルダスコが第1セットで5-1と大きくリードを奪ったものの、そこからフェレールが6ゲームを連取する猛攻でセットを先取、その後はフェレールが試合をコントロールし、1時間30分で勝利を収めた。

前日の準々決勝で、第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と3時間を超える試合を行っていたベルダスコは「昨日はとても肉体的に厳しい試合だった。精神的には問題ないけど、体がいい感じじゃなかったね。第1セット5-1から疲れたわけじゃなくて、朝起きた時から疲れていたよ。」と体調が万全ではなかったことを明らかにした。

一方のフェレールは、今大会を通して1セットも失っておらず、ツアートップとなるクレーコート23勝目を上げ、決勝進出を決めている。

今大会の優勝賞金は43万4000ユーロ。

(2010年5月2日12時21分)
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