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元世界ランク1位で、2度のグランドスラム優勝のA・モレスモ(フランス)が、12月3日に開いた記者会見で正式に引退することを明らかにした。現在30歳の彼女は、試合への情熱が持てなくなったと、引退を決めた理由を語った。
「今日はここへプロテニス人生を終えることを伝えに来ました。十分に考えた末の結論です。」と、引退を口にしたとたんに涙に暮れた彼女は「もう練習をしたくなくなってしまったのです。ここ数ヶ月、数週間で明らかになって来た決断です。年齢を重ねると、トップに居続けることがより難しくなるのです。」と胸中を語った。
2006年に全豪オープンとウィンブルドンを制したモレスモは、今年2月に地元パリで約2年ぶりとなる自身25回目の優勝を飾った。最後のシーズンとなった今季は、7人のトップ10選手から勝利を奪う実力の高さを見せたが、選手生活を続ける気力を失ってしまった。
「ちょっと悲しいけど、これが正しい決断。こんな特別なテニス人生を送れたことは本当にラッキーだったし、コートであれだけの強い思いを経験できたことに感謝している。」と、後悔はないと加えた。
2004年に世界ランク1位に上り詰めたモレスモは、今年最後のグランドスラムであるUSオープンの2回戦でA・ウズニアッキ(カナダ)に4-6, 0-6のストレートで敗れてから、その後予定していた2大会を欠場し、結果それがキャリア最後の試合となってしまった。
「USオープンへ向けて体調を作るのがとても難しかった。もし十分に戦えて輝けてコートに立てたら、まだ続けていたかもしれない。でもそれには、大変な練習が必要だった。自分はそれができる状態ではなかった。」1993年にプロデビューした彼女は、あの時すでに気力を失っていた。
「こんなテニス人生を夢に見ていた。グランドスラムでの優勝を夢に見ていた。世界中の色んな街で優勝トロフィーを掲げることもできた。この10年間、魔法のような信じられない人生だった。」
モレスモは、1983年の全仏オープンでY・ノア(フランス)が男子シングルスで優勝するのを見た時、プロ選手になろうと決心したと言う。2004年9月13日にフランス人として男女通して初の世界ランク1位の座に付き、当時は5週間でその座を明け渡したが、2006年3月20日に再び1位の座に返り咲き、合計39週間に渡り女王の座に君臨していた。
しかし、地元フランスでのグランドスラム優勝の夢は最後まで果たせなかった。全仏オープンでは、地元でのプレッシャーからか、ベスト8の壁を破ることはできなかった。それでも2003年には国別対抗戦のフェドカップで、フランスを優勝へ導き、2005年にはツアー最終戦も制した。
今年8月に復帰を果たしたK・クレイステルス(ベルギー)や、来シーズンからの復帰を表明したJ・エナン(ベルギー)を上げ、今後の復帰の可能性を聞かれたモレスモは「絶対と言うことはないと学んだけれど、彼女達はもっと若い時に引退して、今復帰している選手。」とし、30歳を越えた彼女の今後の復帰はないことを示唆した。
「テニス人生では3つのゴールがあった。世界1位になること、グランドスラムでの優勝、フェドカップでの優勝。その全てを達成できた。」テニスを始めてから25年が経つモレスモは、完全燃焼を果たしコートを去る。
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