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四大大会初制覇のモレスモ(右)と準優勝のエナン=アルデンヌ(左) |
画像提供:Getty/AFLO |
(オーストラリア、メルボルン)
全豪オープンテニス大会13日目の土曜日、女子シングルス決勝が行われ、第3シードのA・モレスモ(フランス)が第8シードのJ・エナン=アルデンヌ(ベルギー)を6-1, 2-0(棄権)で下し、悲願の四大大会初優勝を決めた。ループボールと強打を巧みに織り交ぜるモレスモは、動きに精彩を欠くエナン=アルデンヌを一方的に攻め立て、第1セットを6-1で先取すると、第2セット2-0の場面で、エナン=アルデンヌが棄権を申し入れ、モレスモの全豪初優勝が決まった。
女子では珍しいシングルハンド同士の対決となったこの試合、序盤から激しいストロークの応酬戦となるが、先に主導権を握ったのはモレスモだった。高く弾むループボール、アングルショット、スライスと多彩な攻めで、エナン=アルデンヌに付け入る隙を与えず、一気に5ゲームを連取すると、完全にゲームの主導権を握る。第6ゲームで、ようやくエナン=アルデンヌが1ゲームを返すものの、次のゲームをモレスモに奪われ、あっさり第1セットを献上してしまう。
第2セットに入ってもモレスモの勢いは止まらず、開始直後のエナン=アルデンヌのサービスゲームをブレイクし、一気に試合を決めにかかる。巻き返しを図りたいエナン=アルデンヌだが、体調が悪いのか第1セットにも増して動きにいつもの鋭さがみえず、凡ミスを重ねずるずるとポイントを失っていく。結局、ゲームカウント2-0となったところで、エナン=アルデンヌがネットに歩み寄り、試合続行不能を審判に伝え、モレスモの優勝が決まった。エナン=アルデンヌは、悲痛な表情で目には涙を浮かべていた。
予想外の幕切れに、優勝したモレスモ自身、試合終了直後は微妙な表情を浮かべ、棄権したエナン=アルデンヌを慰める場面も。しかし、時間が経つにつれ優勝した実感がわいてきたのか、コート中央に進み観客に手を振ると、コーチの元に駆け寄り喜びを分かち合っていた。今大会、モレスモは3回戦のM・クライチェック(オランダ)戦、準決勝のK・クレイステルス(ベルギー)戦、そして決勝のエナン=アルデンヌ戦と、実に3試合までも相手の棄権によって勝利を得ることとなった。
優勝インタビューでモレスモは、「すごく時間がかかりましたが、やっと(四大大会優勝を)果たせました。今日はジュスティーヌが体調を悪くして、このような結果になったことは残念ですが、彼女には一日も早く回復して欲しいと願っています。私が落ち込んでいるときに励ましてくれたコーチや友人に感謝したいと思います。やっとここまで来ることが出来ました。この調子でこれからも頑張って行きたいと思います。」と喜びを語った。
一方敗れたエナン=アルデンヌは、「このような結果になり本当にがっかりしていますし、ファンの皆さんには申し訳なく思っています。今日は体調が悪く、とてもプレー続行できる状態ではありませんでした。今は、優勝したアメリを祝福したいと思います。」とコメントした。
またこの日は、ジュニア女子準決勝に進出していた森田 あゆみ(日本)が、第1シードのC・ウォズニアキ(デンマーク)と対戦したが、善戦及ばず、6-7(3), 3-6のストレートで敗れ、惜しくも決勝進出を逃している。
(2006年1月28日)