(オーストラリア、メルボルン)
全豪オープン3日目、順調に3回戦へ駒を進めた上位シード勢の心境を追ってみた。
思わず苦戦となった試合を振り返り、「多分彼女とはこれまで3回ほど対戦したことがあるけど、今日のはタフだったわ。危ない選手だとは前から思っていたけど。」「でもベストなプレーでないにしろ、すべきことはして勝てることが分かったのは、収穫ね。」と本調子はこれからと語っていた。
また、
M・ヒンギス(スイス)のことについては、「今のテニスにはパワーが必要で、ヒンギスにはそれが課題になるのではと言われているけど、彼女ならそれを克服できる能力があるわ。以前だってそうだったもの。彼女の凄いのは、どんな時でも勝つ方法を見つけて、相手を苦しませる術を探しだせることよ。つぎ勝てば
M・ピアース(フランス)と対戦するから、その試合で今の彼女の本当の実力が見られると思うわ。」と長く向かい合ってきた相手だけに、底力をよく知っているのだろう。ヒンギスに勝つための秘訣は、「自分がサーブを決めて、相手のセカンドサーブを徹底的に返すこと。」とのことだ。
必ずしも会心の勝利ではなかったものの、「勝ちは勝ち。試合が終わって5分も立てば、内容なんて忘れちゃうさ。とにかく3回戦に残れてうれしいよ。」と力みもなく話すブレークは、去年の今頃と比べ、大きく様変わりした自分について何よりも自信がついたと語る。
「去年の今頃は、あたかもエベレストと死の谷を行ったり来たりするくらい浮き沈みが激しかったよ。でも今は、もちろん調子が上がらないこともあるけど、アップダウンの差なんて去年に比べれば微々たるもので、ちょっとすればまた上向くんだという自信がついたね。だから、今大会では十分上位を狙えると信じている。」
昨年のUSオープンでは
A・アガシ(アメリカ)との歴史に残る大熱戦を演じたブレークは、今大会ではどこまでファンを楽しませてくれるのだろうか。
まさに快勝と言える試合を終えて、「最初の4ゲームが終わったころから、リターンが良くなったね。リターン成功の確率が上がると相手にプレッシャーを与えられるし、同時に僕のサーブの威力も増すからね。」と思い通りのプレーができたようだった。
「でも僕のサーブも子供のときから早かったわけじゃないよ。だって実はちびっ子だったんだ。」とのこと。
この後は3回戦~4回戦と上位選手との対戦がなく、比較的ラッキードローとなっているだけに、大活躍を期待したいところだ。
(2006年1月18日)