テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は日本時間29日(現地28日)、男子シングルス予選決勝が行われ、世界ランク157位の坂本怜がワイルドカード(主催者推薦)で出場した同477位の錦織圭を6-4, 7-6 (7-3)のストレートで破り予選突破を果たすとともに、初の本戦入りを決めた。試合後、坂本は「絶対に一生忘れない瞬間になる」と明かした。
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3試合に勝利すると本戦入りすることができるこの予選。
20歳の坂本が同大会の予選に出場するのは2年連続2度目。初出場となった昨年は予選2回戦で敗れた。
今大会は予選1回戦で世界ランク239位のJ・クラーク(イギリス)、予選2回戦で予選第23シードのA・ミュレール(フランス)を下し予選決勝に駒を進めた。
36歳で今季限りでの現役引退を表明している元世界ランク4位の錦織との日本勢対決となった予選決勝は当初現地27日に組まれていたが、雨天により翌日に順延され行われた。
この試合、坂本は立ち上がりの硬さを突かれて最初のサービスゲームを落としたものの、冷静さを保ち、その後2度のブレークを奪って第1セットを先取。続く第2セットでは、ファーストサービス時のポイント獲得率90パーセントと高い数字を記録し、危なげなくキープを重ねる。リターンゲームでも積極的に攻めて4本のブレークポイントを握るなど錦織にプレッシャーをかけると、タイブレークでも勢いを落とさず制し、1時間42分で勝利を収めた。
試合後に行われたオンコートインタビューで坂本は「人生の中でも最高のサーブができた日の1つ」と振り返った。また、錦織について「ここで彼が素晴らしい大会を戦っているのを見ていましたし、彼のプレーを見ながら育ってきました。僕の人生において、ずっと憧れの存在でした。そして、彼が最後のシーズンを迎えているのを見るのは、やっぱり寂しいです。言葉では表現できません」と語った。
さらに、錦織は日本テニス界にとってどんな存在かと問われると、「ほとんどの人が、彼がいたからこそ今でもテニスを追い続けているんじゃないかと思います。本当に彼はスーパースターです。日本のテニス界にたくさんのものをもたらしたと思います。彼が東京で大会に出場すると、いつもスタジアムが満員になります。彼がどれだけ大きな影響を与えているのか、僕自身よく分かっています。本当に尊敬しています」と明かした。
敗れた錦織には試合後、大会から特別なセレモニーが行われ、錦織の写真がプリントされた記念ボードが贈呈された。錦織は坂本とともにその記念ボードを手に写真撮影に応じた。
その後、坂本は同大会を全日程生中継するWOWOWのインタビューにも応じ、錦織との一戦を「絶対に一生忘れない瞬間になる」と振り返った。
「試合に入る前から、コーチから『この瞬間を忘れるなよ』と言われていて。『キャリアの終盤になっても、この瞬間を思い出す、そんな瞬間だぞ』と言われました。自分でも1つ1つノートに書き残したりしながら、ただただこの試合を楽しみにして、それをコートで表現できたかなと思います」
さらに錦織との関係について、「IMGの時に圭くんが『もっともっとアグレッシブにいったら怖いよ』と言ってくれて。そこから僕のゲームも180度変わったと思っています」と明かすと、「今日も一歩下がったら圭くんがぶっ叩いて、すぐラリーが終わってしまう。『引いたら終わる、怖いけど引いたら終わる』という自分の気持ちに、うまく打ち勝てたかなと思います」と語った。
また、試合を通じて得た自信については、「本当にいつブレークされてもおかしくないと思っていたので、最初のゲームをブレークされましたけど、そこからずっとプレッシャーを感じていました。その中で最後はタイブレーク。僕のサーブが良かったので、このサーブが圭くんに通用するなら、誰にでも通用するだろうという自信はもらいました」と語った。
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