男子テニスツアーの最終戦であるATPワールド・ツアーファイナル(イギリス/ロンドン、ハード)は16日、グループ・イリ ナスターゼの予選ラウンドロビンが行われ、第2シードのA・マレー(英国)が第7シードのD・フェレール(スペイン)を6-4, 6-4のストレートで下し、大会初優勝へ好発進した。
>>ツアーファイナル組合せ表<<
今大会後に行われる男子国別対抗戦のデビスカップ決勝戦で、13日にフランスのパリで起きたテロ事件の隣国であるベルギーで戦うマレーは「恐らく、今は誰もが気にしていること。でもベストなことは普段の生活を送ることで、あまり変えてはいけないと思う。そうしなければ、テロリストの思うままになってしまう。」と語り、ベルキーへの訪問にも前向きな気持ちでいることを明かした。
パリのテロ事件でターゲットになった場所の1つに、フランスとドイツのサッカー国際親善試合の会場だったスタッド・ドゥ・フランスがあった。そして今回のテロリストの多くがベルキーと関係していたことから、11月27日から29日まで行われるデビスカップ決勝戦の会場であるベルキーの訪問についての質問が出ていた。
「決勝戦の舞台へ訪れて、いつものようにプレーして、多くを変えないようにしなければならない。」とマレー。
「それが我々に出来ること。コートへ立つ度に命の危険を感じたくはない。だから、いつも通りのことをするだけ。」
この日の試合では、フェレールのサービスの不調にも助けられたマレー。
フェレールは試合を通して8本のダブルフォルトを犯し、ファーストサービスはわずか49パーセントの確率しか入らなかった。
「第1セットの終盤からサービスが悪くなり、第2セットもそれが続いてしまった。いずれにせよ、大切な場面では彼(マレー)の方が良いプレーをしていた。より攻撃的なプレーだった。」とフェレールは試合を振り返っていた。
第1セットの第10ゲーム、マレーにセットポイントを握られたフェレールは最後に2度目のダブルフォルトを犯し、このセットを献上してしまった。
第2セットの第1ゲームでは、マレーのサービスをラブゲームでブレークに成功したフェレールだったが、徐々に集中を高めたマレーに対し、フェレールのサービスは悪化するばかりだった。結局マレーは、フェレールの32本のセカンドサービス中19ポイントを奪い試合をものにしていた。
デビスカップ決勝戦はインドアのクレーコートで行われることが決まっており、ツアーファイナルはインドアのハードコートで行われている。しかしマレーは、デビスカップ決勝戦へ向けてクレーコートで練習をしていたために、試合の序盤は苦しい展開を強いられていた。
「最初の数ゲームは、なかなかタイミングが合わなかった。でも、すぐに慣れてきたんだ。それはとても嬉しいこと。」とマレーは試合中に上手く調整出来たことを明かした。
イギリスが最後にデビスカップで優勝したのは1936年で、その時のエースはF・ペリーだった。ペリーは同年にウィンブルドンも制しており、それ以来となるウィンブルドン優勝をマレーは2013年に達成した。
(STATS - AP)
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