リターン編 |
Vol.3 自分だけの武器を作ろう! リターン編 |
速いサーブに対する反応がいい だけど今は、返すだけという人は…… |
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リターンダッシュを武器にしよう
目標:ボールを前でとらえてリターン&ネット
速いサーブに対する反応がいい人の、もうひとつの目標はリターンダッシュだ。基本的には、ストローカーなら叩くリターン、ネットプレイヤーならネットダッシュという選択になるだろう。スウィングはあまり必要ないので、ハードヒットが得意でない人でも問題なく、むしろラケットを振り回すテニスが好きではない人(ボレーのほうが得意な場合が多い)のほうが向いているだろう。
打ち方は、フォアはスピン/フラット系とスライスと両方あるが、バックはスライスのほうがお勧めだ(両手打ちの人は、どちらか得意なほうで良い)。スライスで打ったほうがより前に詰められるので、フォア、バックとも100%スライスという選択も悪くない。
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組み立てのパターンは、相手のパスが苦手なサイドにリターンして前に出るのが基本となる(バック側のほうが多い)。またそれ以外では、叩くリターンの場合と逆で、図のようにストレートに打ったほうが相手に時間を与えないし、角度的にも抜かれにくいのでお勧めだ(クロスが甘いとストレートに抜かれやすくなる)。 |
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戦略:パスが弱いサイドにリターンするのが基本
組み立ては、相手のパスが苦手なサイドにリターンして前に出るというのが基本形で、その他では上図の通りストレートに打ったほうが有利になる。また、あまりパスがうまくない相手であれば、わざと正面に打つのも効果的だ(深ければなお良い)。そしてボレーは、オープンコートを狙うのが基本で、相手がヤマを張って先に動いたら逆をつけば良い。また、深いボレーはあまり必要なく、角度を重視したほうが良い。
武器を生かすために必要な技術は、当然ボレー/スマッシュということになる。とくにスマッシュが下手だと(それがばれると)、すぐにロブを打たれて、せっかくネットに出ても何の意味もなくなってしまうので、スマッシュの練習は十分に積んでおきたい。
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フォアのスライスの場合にかぎらず、リターンダッシュで前進しながら打つときには、身体全体でボールをブロックするようなイメージが必要になる。全身を一体化して(硬くして)身体ごとボールに体当たりするような感覚だ。それによって、身体の回転は自然に抑えられるが、ボールの回転(とくにトップスピン)もあまり多くかけないほうが良い。 |
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練習法としては、ここでも前からサーブを打ってもらうのが効果的だ。ただしサーブはあまり強くせず、レシーバーは後ろめに立って、できるだけ大きく前に動いて打つことを心がけたい。スライスの場合は、初めは緩いサーブを打ってもらい、バウンド後の上がり際を上から押さえこむように打つ練習をすると効果的だ。またトップスピン系の場合は、ノーバウンドで打つ練習も効果がある。 |
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P.ラフターのフォア・スライス・リターン(倍速デジタル撮影)
サーブに対する反応の良さを生かして、できるだけ前でボールをとらえ、そのままネットに出るというのが、ここでの目標となる。このラフターようにフォアのスライスで打つ場合は、もっとも注意すべき点は身体を開かないことだ。フォアの場合、トップスピン系のクセで身体が回ってしまいやすいので、平行移動のフットワーク(横走りのイメージ)を意識しよう。またフラット/スピン系で打つ場合は、テイクバックもフォロースルーも小さめにして、インパクトの面をしっかり固め(保って)腕を振るというよりも、身体で運ぶというイメージで打とう。
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M.フィリプーシスのバック・スライス・リターン(倍速デジタル撮影)
バックのスライスは前に出やすい打ち方だが、やはり身体の開きを抑えることがもっとも重要なポイントになる。そのため、ここでの6~8で見られるような、左足を右足の後方(かかと側)に送るといったフットワークの工夫が必要になる。そうした「横走りのイメージ」というのは、フォアのスライスの場合と同じだ。またテイクバックでも、あまり面が開かない(上を向かない)ように注意し、スウィングは「インパクトで終わり」という感覚で打ったほうが、切れの良いスライスを打つことができ、ネットダッシュもしやすくなる。
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(テニスジャーナル 2003年12月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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