リターン編 |
Vol.3 自分だけの武器を作ろう! リターン編 |
攻撃的リターンを身につけよう②
プロセス:「技術」と「慣れ」の両面を練習する
コンパクトで攻撃的なリターンを身につけるには、技術を身につけることと、早いタイミングに慣れることの両面から練習していく必要がある。技術的なポイントについては、イラストや連続写真で解説しているが、実際の練習としては、それを意識したうえで前から打ってもらったサーブをリターンするのが効果的だ(練習法1参照)。
また、速いサーブに慣れるためには、イメージトレーニングも有効だ(練習法2参照)。これで速いサーブのリズムに慣れておき、対戦相手によってそのリズムを微調整して試合前にイメージトレーニングしておけば、試合が始まってもすぐにタイミングを合わせられる。また、速いサーフェスで試合するときは、少しリズムを速めてイメージしておこう。
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片手打ちバックのリターンでは、多少テイクバックがなければまともに返すことはできないが、小さなテイクバックでも、できるだけボールを前でとらえることを重視したい。またテイクバック時に、このように身体とラケットの間に空間を作ることが大切で、これにより打点を前にしてボールに負けない形を作りやすくなる。 |
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バックハンド・スライスのリターンでは、インパクトでラケットを強く止めてブロックすることで、速いサーブを弾き返す。身体の開きを止めてブロックをより強固にするためには、インパクトで背すじを伸ばし、固めることが大切だ。イメージとしては、背すじを上と下から強く引っ張るような感覚になる。 |
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両手打ちバックの場合は、高い打点で叩けることも大きなメリットのひとつだが、そのとき上体が後ろに反ると、ボールがアウトしやすくなってしまう。それを防ぐには、身体を前傾させた姿勢を保ったまま打つことが大切だ。とくに右肩が上がらないように注意して、肩の線を前に傾けたままスウィングすることを意識してほしい。 |
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速いサーブに慣れるには、前からサーブを打ってもらうのが、もっとも簡単で手軽にできる方法だ。そのとき、レシーバーもできるだけ前で打つことが大切だが、最初に立っている位置(構えの位置)はあまり前でないほうが良い。前に立ってその場で打つよりも、それより少し後ろに構え、そこから前に出て打つというほうが良く、そうした習慣をつけておきたいのだ。 |
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速いサーブに慣れるためのイメージトレーニングとしては、「パン、パ、パン」というサーブからリターンまでの音(リズム)を頭の中でイメージしながら素振りをするのが効果的だ。事前に、自分が知っている中でいちばん速いサーブの人の音を聞いてリズムを覚え、そのタイミングで練習しておけば、実際にコートで対面したときも、あまり戸惑わずに済むはずだ。 |
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P.スリチャパンの片手打ちバックハンド・リターン
片手打ちバックの場合、フォアよりも身体が横向きになり、インパクトでも身体をあまり前に向ける必要はない。テイクバックはある程度必要だが、やはりそれ以上に打点を十分前にとることが重要であり、ラケットを引きすぎて打点が遅れてしまうということがないように注意したい。この連続写真では、上のイラストで説明したポイントも確実に押さえており、必要最小限のテイクバックから力強いリターンを打っている。
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P.ラフターのバックハンド・スライス・リターン
バックハンド・スライスのリターンでは、身体を(前向きに)回転させないことが、他のショットの場合よりも重要で、インパクトではむしろ逆方向(後ろ向き)に身体を回すぐらいの意識で打ったほうが良い。また、インパクトでラケットを強く止めて(フォロースルーはほとんどなくても良い)、しっかりボールをブロックするためにも、身体の開きを抑えるためにも、背すじを固めて緩めないことが非常に大切になる。
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(テニスジャーナル 2003年12月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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