男子テニスで世界ランク7位の
N・ジョコビッチ(セルビア)は17日、現在行われているカタール・エクソンモービル・オープン(カタール/ドーハ、 ハード、ATP500)の会見に登場。同1位の
J・シナー(イタリア)が禁止薬物の陽性により3ヵ月の出場停止処分を受けたことについて言及した。
>>【徹底解説】シナー禁止薬物騒動<<昨年8月、国際テニス インテグリティ・エージェンシー(ITIA)は3月に実施された2度の検査で使用が禁止されている薬物のクロステボルがシナーから低濃度で検出されたと発表。
通常は禁止薬物が検出された時点で暫定的に出場停止処分となるものの、選手には異議を申し立て出場停止処分を解除する権利があり、シナーはこの申し立てを行い、その後の調査で意図せずして皮膚から体内に禁止薬物が取り込まれたことが認められた。
そして、シナーには過失や怠慢がなかったことが認められ、調査後に出場停止処分は下されなかった。
この決定に対して昨年10月にWADAがシナー、ITIA、国際テニス連盟(ITF)を相手に上訴。WADAはシナーに1~2年の出場停止処分を求め、審理が今年4月16日と17日に行われる予定となっていた。
しかし今月15日に事態は一転。WADAは3ヵ月の出場停止処分が適切だと発表。シナーがこの処分を受け入れたことで上訴は取り下げられ、シナーの処分が決定した。シナーの出場停止期間は2025年2月9日から2025年5月4日までの3ヵ月間となる。
選手の意見をよりクリアに反映させるための組織PTPA(プロテニス選手協会)の設立メンバーでもあるジョコビッチは、今回の件についてこの日の会見でコメントした。
「この件は確かに我々のスポーツにとって良いイメージではない」
「選手の大半は公平と感じていなくて、えこひいきが行われていると感じている。トップ選手であれば、一流の弁護士か何かを雇うことができて、結果に影響を与えることができるようだ」
「(シナーと同じく昨年禁止薬物検査で陽性となり出場停止処分を受けた女子世界ランク2位の)
I・シフィオンテク(ポーランド)とシナーは無実だ。そうでないことが証明されない限り。だから今のところ、彼らが無実であることはわかっている」
「シナーはツアーで働いているチームメンバーのミスと怠慢により、3ヵ月の出場停止処分を受けた。僕個人、そして多くの選手がケースによってこれほど多くの矛盾があることを少し奇妙に感じている」
「ソーシャルメディアでは(故意ではない違反で出場停止処分を受けた)
S・ハレプ(ルーマニア)やT・ムーア(イギリス)、そしておそらくあまり知られていない他の選手が何年もの間、事件の解決に苦労したり、何年も出場停止処分を受けたりしているのを見てきた」
「今こそこのシステムについて取り組むのに絶好の時期だと思う。なぜなら、このシステムと構造は明らかにアンチドーピングとして機能していないからだ。これは明らかだ。なので近い将来、ツアーと統括団体が協力し、プロセスに対処するより効果的な方法を見つけようとしてくれることを願っている」
「僕たちは選択しなければならない。この矛盾はすべての選手を苛立たせるものだ」
「すべてのケースを個別に、または独立して扱うとしたら、それが今起こっていることだが、一貫性がなく、透明性がない。そして、いくつかのケースは透明性があり、いくつかはそうではない」
「問題は現在テニス選手が男女を問わず、WADAとITIAおよびプロセス全体に対して信頼を失っていることだ」
「なので僕たちは、すべてのケースを最初から透明にするか、解決するまですべてを非公開にするかのどちらかに同意することになる」
「今のところこれについて僕の意見はない。議論を始めることが重要だと思う。そして、このスポーツにとって何が最善かを見極めよう」
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