男子テニスで世界ランク2位の
N・ジョコビッチ(セルビア)と同3位の
C・アルカラス(スペイン)は日本時間25日(現地24日)、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)本戦開幕前の会見に登場。同1位の
J・シナー(イタリア)の禁止薬物陽性騒動について質問を受け言及している。
>>シナー、ジョコビッチ、西岡 良仁ら 全米OP組合せ<<>>錦織 圭vsヴィンセント ルジェリ 1ポイント速報<<>>錦織 圭出場、コモ・チャレンジャー組合せ<<テニスの不正を監視することを目的とした機関、ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)が20日、今年3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)で実施された2度の検査で使用が禁止されている薬物のクロステボルがシナーから低濃度で検出されたと発表。3月から行われた調査の結果、サポートメンバーがクロステボルが含まれる市販のスプレーを自身に使用した後に、シナーをマッサージしたことで意図せずして皮膚からシナーの体内に禁止薬物が取り込まれたことが認められた。
このことでシナーは数日間の停止処分を受けただけで、これまでツアーに参戦し続けられているが、一部選手からは裁定に疑問の声があげられていた。
そして今回の会見でジョコビッチとアルカラスに同様の質問がされており次のように言及している。
<ジョコビッチ>
「このような事例こそが、僕たちがPTPA(プロテニス選手協会)を設立した理由だ。僕らの精神は選手が選手の権利を100パーセント主張し、ツアーでプレーするだけでなく、テニスで生計を立てられるように、あらゆる可能性をカバーできるようにすることだ」
「PTPAの観点からは多くの話題が話し合われ、取り組まれている。ヤニック(シナー)のケースに関しては先ほども言ったように、このような事例こそが僕たちがPTPAを設立した理由。このようなケースに対する標準化されたアプローチのための公正で明確なプロトコルを常に提唱している」
「一貫性の欠如により、選手たちが不満を抱いているのは理解している。僕が理解している限りでは彼のケースは基本的に発表された瞬間に解決された。しかし、その事件からは5ヵ月か6ヵ月が経過していたと思う。システムには多くの問題がある。標準化された明確なプロトコルが不足している。自分たちが同じように扱われているのか疑問に思っている多くの選手の気持ちは理解できる」
「僕たちのスポーツ統括団体がこのケースから学び、将来に向けてより良いアプローチができることを願っている。全体として変化が必要だと思うし、それは明らかだ」
「過去に同じようなケースで処罰を受けた選手を既に知っていると思う。彼らは、類似またはほぼ同じ訴訟を経験しているが結果は同じではなかった。ここで問題となるのは、それが資金の問題であるかどうか、つまり、選手が自分の訴訟をより効率的に代理してくれる法律事務所に多額のお金を支払う余裕があるかどうかだ」
「それは分からない。だから僕たちがより多くの人数をかけ調査し、システムを調べ、なぜこのようなケースが起きたのかを理解する必要があると本当に感じている。つまり、ケース自体ではなく、ランキングやプロフィールに関係なく、全ての選手が同じ種類の扱いを受けられるようにすべてを標準化する方法だ」
「これがおそらく、ここ数日、僕たちが観察し話し合ってきたことの全体的な、このケース全体に対する私の意見と観察だ」
<アルカラス>
「彼にとっては本当に難しい時期であることは確か。正直に言うと複雑な状況だ。でも、明らかに僕が何を言えばいいのだろうか? 僕はクリーンなスポーツを信じている。それについてはあまり詳しくない。チーム内部、つまり全てにおいて、僕たちが知らないことがたくさんあることは確かだよ」
「しかし、もしヤニックがプレーを続けることを許すのであれば何かの理由で、彼は無実だと言われる。僕が知っているのはそれだけで話せるのはそれだけなんだ」
なお、全米オープン1回戦でシナーは世界ランク140位の
M・マクドナルド(アメリカ)と、ジョコビッチは同152位の
R・アルボット(モルドバ)、アルカラスは同188位のリー・トゥ(オーストラリア)と顔を合わせることが決まっている。
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