21歳の
B・シェルトン(アメリカ)のツアー初優勝で幕を閉じた男子テニスの木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス(日本/東京、ハード、ATP500)。同大会で一躍シンデレラボーイとして名をあげたのは20歳の
望月慎太郎だった。ベスト4まで進出した望月は大会期間中の22日に会場でトークイベントに登場し、テニスとの向き合い方や今後のスケジュールについて話した。
望月は今大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場。1回戦で世界ランク31位の
T・M・エチェベリー(アルゼンチン)をストレートで破りツアー初白星を飾って初戦突破すると2回戦では昨年王者で第1シードである同10位の
T・フリッツ(アメリカ)を0-6, 6-4, 7-6 (7-2)の逆転で撃破。大金星を挙げると勢いそのままに準々決勝で同41位の
A・ポピリン(オーストラリア)をフルセットで下しツアー初のベスト4進出。最後は同50位の
A・カラツェフにストレートで敗れたものの、大躍進を遂げた(世界ランクは今月16日付)。
準決勝の翌日に会場でトークイベントをした望月は「1回戦を突破することが目標だったので、1回戦勝ったあとは自然と涙も出てきてしまいました、そのあとは勢いに乗って自分のプレーをしようと思っていたので、素晴らしい選手たちに通用して良かったです」とコメント。
この涙には思うように勝てず苦しんだ時期や、周りからの期待。そのプレッシャーなど大きなものを背負ったものがあった。
2019年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)ジュニア男子シングルスでは日本人男子として初優勝の快挙を達成し、ジュニア世界ランキングでは日本人男子初の1位となった望月。2020年にはモレロス・オープン(メキシコ/モレロス、ハード、ATPチャレンジャー)でチャレンジャー複初の準優勝。2021年のシンガポール・テニス・オープン(シンガポール/シンガポール、室内ハード、ATP250)ではツアー初出場を果たした。
しかし、2021年以降はチャレンジャーやツアーで大きな成果をあげることができず、世界ランクも横ばいで推移する。転機は2023年2月。テネリフェ・チャレンジャー2(スペイン/テネリフェ、ATPチャレンジャー)のダブルスで優勝を飾ると、同年4月のチッタデーリャ・ディスフィーダ・オープン(イタリア/バルレッタ、クレー、ATPチャレンジャー)ではチャレンジャー大会シングルスで念願の初タイトルを獲得した。
7月のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)では予選3試合を勝ち抜きグランドスラム初の本戦出場を果たすなど、自身にとって初めて体験する環境に少しずつ踏み込んでいる。
望月はテニスとの向き合い方について「練習しろって言う人はいるんですけど、練習はしています(笑)。そのなかでオフの時間、テニスばっかり考えていると気持ち的にストレスもちろんありますし、そこは上手くトレーニングしながらオフの時間を考えていきたいです。気持ち的にも、今大会はオンとオフの切り替えがすごく大事だと感じました」
また、今秋まで仮のコーチに就任して今大会でもベンチから声援を送っていた元世界ランク60位の
伊藤竜馬にも言及した。
「竜馬さんは元気良く、ポジティブにやってくださいました。オンとオフの切り替えがあって、集中しやすかったです。やるときは100パーセントでやってくれて、とても力になりました」
今後のスケジュールについてもコメントを残し、日本でも数大会に出場することを明かした。
「今年は残り数大会で、そこをやり切って1週間くらい思い切り休みたいです。まずはできるだけ次の大会に向けて回復して、今シーズンを良いかたちで終われるようにしたいです。結果はそんなに求めていないので、出た大会、試合に1つ1つ100パーセントでやりたいと思います。まず日本のチャレンジャーは松山から数大会は出る予定なので、シドニーはまだ考え中ですけど、体を回復させて、100パーセントでいけそうだったら早く試合したいと思っています。松山はまず出ます」
松山のチャレンジャー大会は11月6日から12日かけて行われるユニ・チャームトロフィー愛媛国際オープン(日本/松山、ハード、ATPチャレンジャー)で、その後12月3日まで、3大会が開かれる。
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