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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会14日目の9日、男子シングル準決勝を行い、第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのD・フェレール(スペイン)に2-6, 6-1, 6-4, 6-2の逆転で勝利、3年連続で決勝進出を果たした。
決勝進出を決めたジョコビッチは「順延前とは別人のようなプレーが出来たね。昨日よりも今日の方がコートで気持ち良くプレーが出来た。昨日はコンディションが良くなかったね。」と話した。昨日の第1セットでは最大で時速32kmの強風が吹き、ジョコビッチは思ったようなプレーが出来ていなかった。
再開後はフェレールがサービスをキープ、第1セットを6-2で先取する。ジョコビッチは準決勝まですべてストレート勝ちを決めており、今大会で初めてセットを落とした。
しかし第2セットに入ると、ジョコビッチが次第に試合をコントロールするようになり、得意のディフェンスからの攻撃でフェレールを翻弄し始める。ジョコビッチはこのセットをゲームカウント5-0とリードし、結果セットを奪い返す。
その後第3セット、第4セットで凡ミスを22本犯すなど打ち急ぐフェレールに対し、ジョコビッチは安定感のあるプレーを展開、2時間32分で試合に終止符を打った。
ジョコビッチは「今日は風が少ない中でプレーが出来たよ。彼(フェレール)の方が風の扱いがうまかったね。」と振り返っている。
一方、敗れたフェレールは「ひどいプレーだったね。ミスが多すぎた。彼(ジョコビッチ)の方がいいテニスをしていた。何も言うことはないよ。第3、4セットのいくつかのゲームでは少し集中力を失ってしまっていた。」と肩を落とした。
これでフェレールの四大大会準決勝での戦績は0勝4敗となった。フェレールは2007年の今大会でも準決勝でジョコビッチに敗れていた。
月曜日の決勝戦でジョコビッチは、ロンドンオリンピック金メダリストで第3シードのA・マレー(英国)と対戦する。マレーは準決勝で第6シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)を5-7, 6-2, 6-1, 7-6(9-7)で退けての勝ち上がり。
マレーは日曜日に思わぬ形で休息をとることができたが、ジョコビッチは準決勝4セットのうち3セットを戦っている。しかし日曜日の試合時間は2時間ほどで、試合も13時20分に終わっており、体力回復には十分な時間がある。
試合後のインタビューでジョコビッチは「肉体的に問題はないね。4セットで終わらせることが出来て良かったよ。今の時点でフレッシュな気分でいる。」と、決勝戦に向けて準備万端なことをアピールした。
マレーは2008年の今大会と2010年・2011年の全豪オープン、今年のウィンブルドンで決勝に進んでいるものの、いずれも準優勝。四大大会の最初4度の決勝進出で優勝出来ていないのは他にI・レンドル(アメリカ)のみ。偶然にもレンドルは現在、マレーのコーチを務めている。
決勝戦で初のグランドスラムタイトルを狙うマレーは、優勝すればイギリス人選手として76年ぶりの偉業となる。76年前に優勝したのは服のブランドにもなっているフレッド・ペリー。
決勝戦についてジョコビッチは「優勝候補はいないと思う。アンディ(マレー)は初の四大大会タイトルを狙っているから、モチベーション高く臨んでくるはず。お互い、観客のために最高のテニスが出来たらいいね。」と、展望を語る。
両者はこれまで14度対戦し、8勝6敗でジョコビッチがわずかにリードしている。しかし、直近の対戦であるロンドンオリンピックではマレーが勝利をあげている。
「僕たちの対戦のほとんどは接戦だね。ほんのちょっとの差がいつも勝敗を分けるんだ。」と、ジョコビッチ。
ジョコビッチとマレーはともに1987年5月の生まれで、ジョコビッチの方が1週間遅く産まれている。同じようなタイミングでランキングの上位に駆け上がり、互いによく知った仲。マレーが準決勝のウォームアップに出かける前には、2人でパソコンの前に座り、サッカーのワールドカップ予選のスコットランド対セルビアを観戦していたほどだ。
また、ジョコビッチはハードコートで圧倒的な強さをみせている。昨年の今大会、2011年・2012年の全豪オープンで優勝し、ハードコートでの四大大会の成績は現在27連勝中。
今回の準決勝は、ジョコビッチにとってグランドスラムで10大会連続となるベスト4進出だった。この記録はマレーのコーチのレンドル、またR・レーバー(オーストラリア)の記録に並ぶもので、フェデラーの23に続いて世界2位の記録となっている。
(翻訳/森田系太郎)
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