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ヤンコビッチが逆転勝ち 森田は完敗◇DFSクラシック

(イギリス、バーミンガム)

ウィンブルドン前哨戦のDFSクラシック(賞金総額20万ドル、ティア3)は金曜日に3回戦を行い、第2シードのJ・ヤンコビッチ(セルビア)が順当勝ちしたが、日本期待の森田あゆみ(日本)は惜しくも敗退した。第1シードのM・シャラポワ(ロシア)の試合はまたも雨天順延となっている。

今季4勝目を狙うヤンコビッチは、第16シードのM・キリレンコ(ロシア)に3-6, 6-3, 7-5で辛くも逆転勝ちしたが、11回もサービスゲームをブレークされ、試合時間は2時間以上に及ぶなど、内容は厳しいものだった。その理由をヤンコビッチは「今朝起きたら首が凝っていて、物理療法を受けなくてはならなかったの。調子がよくなく、ベストのテニスができなかった。でも諦めずに勝つ術を探したわ。」と語った。

同大会2年ぶり出場のキリレンコは、第1セットを先取して、第2セットもリードを奪うなど健闘が光ったが、その後5ゲーム連取され、ファイナルセットに持ち込まれる。キリレンコは第3セットでも2ブレイク差を挽回して粘りを見せたが、最後は世界ランク3位のヤンコビッチの地力が上回った。ヤンコビッチは準々決勝でA・ボンダレンコ(ウクライナ)と対戦する。ボンダレンコは新鋭V・キング(アメリカ)を6-1, 6-3で一蹴してベスト8入りを決めた。

この日は日本勢で唯一残っていた森田あゆみがベテランのE・リホフツェーワ(ロシア)と対戦したが、2-6, 0-6で完敗した。試合時間はわずか42分だった。予選から勝ち上った森田は、2回戦で第7シードの杉山愛(日本)を倒しての3回戦だったが、芝で生きるネットプレーが得意なリホフツェーワの前に得意の強打を封じ込められ、全80ポイント中23ポイントしか取れなかった。森田はウィンブルドンに予選からの出場だが、初の四大大会本戦入りが期待される。

その他実施された試合では、第5シードのM・バルトリ(フランス)が新鋭A・クルベール(ドイツ)を6-2, 6-0で倒した。バルトリは試合開始当初からたたみ掛け、両セットともにクルベールの最初のサービスゲームをブレーク、わずか50分で仕留めた。また、世界ランク18位で第4シードのN・リー(中国)は、Y・フェダク(ウクライナ)を6-4, 6-4で下した。リーは準々決勝でM・サンタンジェロ(イタリア)と対戦する。サンタンジェロは第9シードのJ・バクレンコ(ウクライナ)と対戦中、第1セットを3-1とリードしていた時点でバクレンコが左足首をひねり棄権したためにベスト8進出が決まった。

第1シードのM・シャラポワは、16歳の新鋭T・パスゼック(オーストリア)との試合開始直前に雨が降り出し、2日連続の順延となった。現在20歳のシャラポワは今大会とは相性が良く、は2004年と2005年に優勝している。しかし今年は、優勝するために残り2日で4試合をこなさなくてはならず、シャラポワにとっては芝のコートに慣れるのに好都合だが、故障を抱えている肩には負担がかかる。

シャラポワと同様、第3シードのD・ハンチュコバ(スロバキア)も試合が順延となっており、こちらは火曜日に2回戦を闘って以来プレーをしていない。

今大会は雨に見舞われており、木曜日は全試合が順延、金曜日はわずか2時間半しか試合を再開することができなかった。土曜日の天気予報もあまり芳しくないため、大会側は月曜日まで試合を延ばすか、もしくは中止することを余儀なくされるだろう。1998年の今大会は準々決勝の前で中止を決めている。

今大会の優勝賞金は2万8千650ドル。

(2007年6月16日12時08分)
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