糖尿病の注射「奇妙」波紋呼ぶ

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ズベレフ
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テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は5日に男子シングルス4回戦が行われ、第22シードのA・ズベレフ(ドイツ)が第28シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)を6-1, 6-4, 6-3のストレートで破り、3年連続5度目のベスト8進出を果たした。試合後の記者会見で1型糖尿病であるズベレフはインスリン注射をコート上で行うことは「奇妙だ」と大会関係者に言われたと明かした。

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昨年の同大会では準決勝でR・ナダル(スペイン)と対戦した際、右足首を捻って転倒し負傷。その後約7ヵ月のツアー離脱を余儀なくされた。ランキングも落としていたズベレフだったが、今大会は第12シードのF・ティアフォー(アメリカ)らを下して16強入りを決めている。

この試合、ズベレフは4本のサービスエースを決めるもダブルフォルトを7本犯すなど乱調気味に。それでもファーストサービスが入ったときには78パーセントの確率でポイントを獲得すると、ディミトロフのブレークを2度に抑える。

リターンゲームでは6本のダブルフォルトを犯したディミトロフに対し、15度のブレークチャンスを掴むと、そのうち7度ブレークに成功。2時間17分で8強入りの切符を手にした。

この試合の途中、3歳の時に1型糖尿病と診断されたことを公表しているズベレフは、血糖値を維持するためにインスリン注射を行おうとしたが、関係者に止められる一幕があった。

このことについてズベレフは記者会見で次のように述べた。

「彼ら(大会関係者)は、僕が(注射をするためには)コートを出る必要があると言った。前回の試合では、トイレットブレイクとしてカウントすると言われたんだ。僕はこう答えたよ『みんな、勘弁してくれ!1試合でトイレットブレイクは2回だけだけど、5セットマッチの試合では4回、5回と注射をすることもあるんだ』とね。僕の健康や生活に必要なことが許されないということになっている」

「このことを知らないスーパーバイザーが部屋に入ってきて、パニックになり『ダメだ、ダメだ、そんなことはできない。医者でないと注射できない』と言った。そこで『僕は3歳から糖尿病を患っているので、どうすればいいのかよく分かっている』と伝えた。でも彼は『いや、医者がやらなければならない』と答えるだけだったよ」

「僕がコートで注射をすると奇妙に見えると言われた。もしやらなければ、僕の命は危険にさらされる。でも、彼らは奇妙に見えると言ったんだ」

昨年、糖尿病の子供たちを支援する「アレクサンダー・ズべレフ基金(アレクサンダー・ズベレフ・ファンデーション)」を設立し、糖尿病に苦しむ人々に大きな夢と希望を与えているズベレフに対する大会側の対応に波紋が広がっている。

ズベレフは3年連続となるベスト4進出をかけ、準々決勝で世界ランク49位のT・M・エチェベリー(アルゼンチン)と対戦する。エチェベリーは4回戦で第27シードの西岡良仁をストレートで下しての勝ち上がり。

同日には第4シードのC・ルード(ノルウェー)、第6シードのH・ルーネ(デンマーク)が8強へ駒を進めた。

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