男子テニスの最終戦Nitto ATPファイナルズ(イタリア/トリノ、室内ハード)は19日、シングルス決勝が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードの
J・シナー(イタリア)を6-3, 6-3のストレートで破って優勝を飾るとともに、同大会最多となる通算7度目のタイトル獲得を果たした。コーチを務める元世界ランク2位の
G・イバニセビッチ(クロアチア)は今回の優勝について試合後に感想を語った。
>>【動画】ジョコビッチ優勝の瞬間<<Nitto ATPファイナルズは今季の獲得ポイント上位8選手が出場するシーズン最後の大会。8選手が4名ずつに分かれ予選ラウンドロビンを戦い、各グループの上位2名が準決勝に駒を進める。
予選ラウンドロビンで同じグループで、そのときはシナーが7-5, 6-7 (5-7), 7-6 (7-2)のフルセットの末に勝利していたこのカード。5日ぶりの再戦となったが、この日はジョコビッチが試合を支配することとなった。
決勝戦、ジョコビッチは13本のサービスエースを決めるなどファーストサービスが入ったときに91パーセントの高い確率でポイントを獲得。2度のブレークチャンスをシナーに与えたものの、これを凌いだ。リターンゲームでは8度のブレークポイントのうち3度でブレークに成功、1時間43分で予選ラウンドロビンでのリベンジを果たした。
ジョコビッチは予選ラウンドロビンで敗退の危機に瀕していたものの、
H・ルーネ(デンマーク)がシナーに敗れたことで2位通過して決勝トーナメント進出を決めていた。
イバニセビッチは決勝トーナメント進出までの流れについて「僕らに助けを与え準決勝進出を後押ししてくれたヤニック(シナー)に感謝しなければいけない。でも、決勝トーナメントに進出が決まった瞬間から彼(ジョコビッチ)が優勝することは分かっていたよ」とコメント。
その理由として「メンタリティが変わったんだ。新しいノヴァーク・ジョコビッチが土曜日(準決勝)からコートに登場した。 本物がコートに到着すると、その瞬間には彼と一緒にプレーできる人は誰もいないだろうね」と明かしている。
「彼がロッカールームに来るとき、練習コートに来るとき、彼の目やアプローチを見ることができる。ウォーミングアップから違ったんだ。アルカラス戦でコートに入ったとき、彼は最初のポイントから自分自身を鼓舞し、拳を突き上げていた。 彼はある意味とてもポジティブだったんだ」
「彼の目には色々なものが見えていたはずだ。同じトーナメントで1週間に2回勝つのは非常に難しい。今日は全く違う、全く違う試合だった。戦術的には、前回対戦とは全く違ったプレーをしたんだ」
しかし、予選ラウンドロビンでシナーに敗れた際は一時連絡がつかず音信不通になっていたことも明かした。
「彼が試合に負けているときに対処するのは簡単ではないんだ。火曜日(前回のシナー戦)の夜、彼は遅くに試合を終えた。水曜日、僕らは彼をまったく見かけなかったんだ。 正直に言うと、木曜日まで何が起こっているのか分からなかった。僕らは部屋にいた。 部屋に帰るのか、ウォーミングアップに行くのかも分からなかった。僕らは座って待っていたんだ。しばらくして、ようやく彼がプレーすることがわかったんだよ」
「彼と一緒に成長するのは非常に難しいことだね(笑)。彼はボレーの類、ネットでのプレーやネットでのポジションを大きく改善したと思う。今日は簡単なボレーをいくつかミスしたけど、今年は全体的に素晴らしいボレーをいくつかプレーしているね。サーブだってセカンドサーブでも時々時速200キロを超えているんだ。彼はただ勝利に向かって進んでいる。常にね」
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