フランスのラケットスポーツメーカーTecnifibre(テクニファイバー)は男子プロテニス協会のATPと2013年からパートナーシップを組んでおり、現在行われているATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)ではオフィシャル・ストリンガーを務めるなど様々な取り組みをしている。
>>ファイナルズ組み合わせ表<<テクニファイバーがATPとパートナーシップを組む理由は商品にATPのロゴなどを入れるだけではなく、若手選手を一緒に育てるプロジェクトを行うことだと、Tecnifibre社アジア・太平洋地区 担当マネージャーの伊澤啓氏は話す。
今回ツアー・ファイナルズでのTFブース
テクニファイバーのストリンガー
最初の2年間は、テクニファイバーと契約している若手選手がトップを目指す「young guns on the road」を行った。それは
J・ティプサレビッチ(セルビア)と1週間同じ生活を過ごして、大会の時にはヒッティングで呼び、一緒に食事・トレーニング・練習をしてティプサレビッチのメソッドを教わった。
2014年にはフランスのニースにあるパートナー・アカデミーで、テクニファイバーの若手選手を集めてティプサレビッチや
D・イストミン(ウズベキスタン)らを招いてキャンプをした。これはテニス業界では珍しいこと。
今回ツアー・ファイナルズでのTFブース
昨年も同じようにキャンプをし、その時は25歳以下のテクニファイバー契約4選手を集めた「Young Guns Challenge」というコンテストを行った。
伊澤氏は「それは6カ月間で、どのくらい成績を伸ばせるか、どのくらいランキングを上げられるか、SNSでどのくらいファンを盛り上げられるかというプロジェクトをし、日本からは
守屋宏紀選手が出ました」と説明。
また、今年の「Young Guns Challenge」を優勝したA・メドヴェージェフ(ロシア)はコンテスト期間中に世界ランキングを186位上げ、現在は自己最高の98位を記録している。
今回ツアー・ファイナルズでのTFブース
このようにATPとはストーリーを作って、ATPのwebサイト内にテクニファイバーの特集ページもあり、一緒に若い選手を育てようというプロジェクトを数多くしている。
今回のツアー・ファイナルズはATPとの約束で、テクニファイバーの若手2選手をトップ選手のヒッティングとして呼んでいる。
「そこでトップ選手と打ち合い、トップを目指してほしいと思っています」と伊澤氏が話すように
N・ジョコビッチ(セルビア)、
錦織圭(日本)、
G・モンフィス(フランス)、D・ティエムらも16歳のA・アビツバ(ロシア)と20歳のH・グレニエ (フランス)のテクニファイバーの若手選手と練習を行った。
ジョコビッチと練習した16歳のアビツバ
モンフィスと練習した16歳のアビツバ
ティエムと練習した20歳のグレニエ
ATPとの契約のメリットは「世界ランキングで250位以内の選手に契約を与える権利があります。日本人の方からは考えられないかもしてませんが、トップ100位でもラケットの契約がない選手がいます。100・200位台は、自分たちでラケットをお店で買っています」
「なので、トップ250位の選手にはテクニファイバーのストリングの契約、もしくはストリングとラケットの契約が出来ます。それにより、ここ2・3年で契約が増えており、今ではグランドスラムで4番目にラケット使用選手が多いブランドになりました」と述べるように、今年のウインブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)と全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)では10選手弱が本戦入りしている。
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