男子テニスのムチュア・マドリッド・オープン（スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000）は２９日、シングルス３回戦が行われ、プロテクトランキング（負傷などによる長期離脱選手の救済措置）で出場している元世界ランク１位のＲ・ナダル（スペイン）が世界ランク９１位のＰ・カチーン（アルゼンチン）を6-1, 6-7 (5-7), 6-3のフルセットで破り、ベスト１６進出を果たした。試合後の両者のやり取りに注目が集まっている。

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今季限りでの引退を示唆しているナダルは、過去５度の優勝を誇る同大会に出場。１回戦でワイルドカード（主催者推薦）で出場した世界ランク１０２８位のＤ・ブランチ（アメリカ）を下し初戦突破すると、２回戦では第１０シードのＡ・デ ミノー（オーストラリア）を退け３回戦進出を果たした。

３回戦、ナダルとカチーンは互いに譲らずファイナルセットへ突入。ファイナルセットでは３度のブレークに成功したナダルが３時間４分にわたる死闘を制した。

試合直後、ネット際であいさつを交わす両者だが、カチーンがナダルに「僕にとって夢のような話しなんだけど、それに手順もよくわかってないんだけど、あなたのシャツをお願いしてもいいですか？」と語りかけた。

これに頷き「もちろんだよ」と返したナダルはベンチに戻ると、すぐにウエアを手に持ちカチーンの元へ。カチーンがコート裏に戻る前に“約束”を果たした。

試合後、カチーンはインスタグラムのストーリーズを更新し「ありがとうラファ・ナダル。これは夢みたいだ。なんて素敵なんだろう」とスペイン語でつづっている。

勝利したナダルは４回戦で第３０シードのＪ・レヘチカ（チェコ）と対戦する。レヘチカは３回戦、予選勝者で同１１８位のＴ・モンテイロ（ブラジル）を6-4, 7-6 (9-7)のストレートで下しての勝ち上がり。

同日には第１シードのＪ・シナー（イタリア）、第３シードのＤ・メドベージェフ、第５シードのＣ・ルード（ノルウェー）、第１７シードのＡ・ブブリク（カザフスタン）、世界ランク３５位のＦ・オジェ アリアシム（カナダ）らが１６強に駒を進めた。


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