「ヘッド黒塗り謎ラケを打ってみた。トラックマンによる数値計測も行なってみた。#全身スピン」

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テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。

ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。

テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ヘッド黒塗り謎ラケを打ってみた。トラックマンによる数値計測も行なってみた。#全身スピン」

黒塗りラケット、ダズル柄ラケットは、開発中のモデルを秘密にするものですが、ダズル迷彩が初めて世の中に登場したのが、第一次世界大戦のイギリス軍の艦船でした。

そもそも迷彩柄は、カモフラージュして発見されないようにするものですが、艦船のような大きなものは、すぐに発見されてしまいます。

そこで、ダズル迷彩にすることにより、前に進んでいるのか、後に行っているのか、船尾の向きはどこを向いているのかを迷わす効果があるのです。

ウイルソンが2018年ダズル柄のラケットに挑戦しましたが、テニスラケットではほとんどが黒塗りを採用しています。



ウイルソンのダズル柄のラケット(2018年)

私が初めて黒塗りラケットを目撃したのは、1983年にジミーコナーズが開発中の新しいラケットを試合で使っていた時です。

コナーズはスチール製のT-2000を使い続けており、時代はすでにカーボン素材でフェース面積も少し大きいものをほとんどの選手が使っていました。

コナーズも30歳を越え、ベテランとなっていましたので、いつまでも石器時代の武器では戦えない状況になっていました。

黒塗りラケットの正体は、プロスタッフミッドで、当時6万円と非常に高額でしたが、ダブルブレイド製法を用いた魅力的なラケットでした。
その後、開発途中のラケットを試合で使う場合に黒塗りが使われるようになりました。

以前、某メーカーのラケット開発に協力して試打をすることがあったのですが、1本のラケットを決めるのに、10数本の黒塗りラケットを打ってラケットの評価をするのですが、これが中々難しいのです。

すでに発売されているラケットの評価をする場合は、デザインからくるイメージや固定観念があり、それに対して味付けをするような作業になります。

それが、まったく先入観の無い状態で試打をするのは、目隠しをして料理の味見をするようなもので、大変難しいことなのです。

舌の肥えた料理人なら目隠しをしても正しい判定をすると思うのですが、難しいことです。

黒塗りラケットの評価も大変難しいものなのです。

今回黒塗りのラケットをテストする機会がありましたのでGEEK通信でお知らせしたいと思います。



先にも述べましたが、何も先入観がないとまったく的外れな評価をしてしまう可能性があるので、最低限わかることはギーク調べをしてみました。

ブランドはヘッド、ストリングはポリエステルで面圧50、張り上がりの状態で、フレームの硬さ(RA値)65、フェース面積98か100平方インチ。※その他部分も調査しました





ヘッドのラケットで、モデルチェンジをする可能性が高いのは、グラフィン360+の新素材を使っていない、エクストリームシリーズ、インスティンクトシリーズ、ラジカルシリーズですが、エクストリームとインスティンクトはフレーム厚が26mmで発売してきましたので、22mmだと大分違っていきます。

ラジカルシリーズか、それともまったく新しいシリーズか、、、謎の多いままテストをすることになりました。







トラックマンのデータは嘘をつかないと思い、ヘッドの代表的なモデルのデータを取り、比較してみることにしました。

実はこの日は、膝の怪我からの復帰第一戦で、ちゃんとデータが、取れるのか不安でした。

案の定、フォアハンドストロークは、まともに当たらず、スピードは100km出ないし、飛んで行く方向もめちゃくちゃでした。

怪我の間、1ヶ月半、苦手なバックハンドの素振りをやってきました。

その甲斐あって、フォアハンドに比べ安定したボールが打てるようになっていたので、バックハンドストロークですべての試打を行うことにしました。

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【試打ラケット】
①黒塗りラケット
②グラフィン 360+スピードMP
③グラフィン 360 エクストリームMP
④グラフィン 360+グラビティMP
⑤グラフィン 360 ラジカルMP
⑥グラフィン 360 インスティンクトMP
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を10球打ってスピードとスピンレートで、比較してみました。

※画像も掲載します





黒塗りラケットの結果は、スピードではエクストリームMPに次いで第2位、スピンレートでは第1位でした。

打球感は硬くなく、球のりの良さを感じ、中味の詰まった感触でした。

ダイアデムエレベート、バボラピュアアエロVS、ヨネックスVコア98などのラケットに親近感を抱くラケットでした。

インパクトからフォロースルーにかけて、厚い当たりで一押しできる感覚で、回転を掛けながらもスピードが落ちない感じがしました。

今回比較したグラビティMPとボールスピードはまったく同じで、(107.7km)スピンレートもかなり近い数字でした。(1373と1315)

ただしレングス(着弾地点)がグラビティMPが18.8mに対して、黒塗りラケットは21.3mでした。

ベースラインまでの距離は23.77mですので、黒塗りラケットの方が深くて良いボールになっています。

その理由として、グラビティMPの方が球離れが早く、打ち出し角度が低く(5.9度)、黒塗りの方は一押しできる分、打ち出し角度が高く(7.2度)なっているからです。

その差が2.5mの距離に出ているのです。

黒塗りラケットは、ウエイト、フレーム厚、打球感から上級者向けであることは間違いないでしょう。

ただ病み上がりの自分でも、十分にその性能の良さを感じ取ることができたので、決してプロ専用みたいな難しいラケットではなく、高性能ながらも意外と優しさも併せ持ったラケットに仕上がっているのではないでしょうか。

早く完成品のデザインが見たくなってきました。

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(2020年7月15日16時19分)
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