全仏オープン2012特集 TOP
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2012年大会の見所
「最も波乱が起きる大会」、「赤土には悪魔が棲む」と言われるローランギャロス。今年もトッププレイヤーたちがたった一つのトロフィーのため、花の都パリに集結する。四大大会で最も美しいと形容される会場と対照的に、選手達にもっとも過酷な戦いを強いるレッドクレーで、勝利の女神から愛されるのは果たして誰だろうか。
昨年は「キング・オブ・クレー」ラファエル・ナダルがビヨン・ボルグに並ぶ6度目の優勝を果たして幕を下ろした今大会。今年も誰が何の記録を達成するかに注目が集まっている。
第1シードとして出場するノヴァーク・ジョコビッチは、今大会でタイトルを獲得すると、史上9人目となる生涯グランドスラムを達成するばかりか、43年ぶりとなるグランドスラム4大会連続優勝の偉業も達成となる。近年ではピート・サンプラス、フェデラー、ナダルがこの偉業に挑んだものの、誰も達成には至らなかった。特にサンプラスとフェデラーの偉業達成をことごとく阻んだ大会がこの全仏オープン。大会直前にユニクロとのスポンサー契約を発表した、新時代の王者として君臨するジョコビッチが、大記録に挑む。
ディフェンディング・チャンピオンであるナダルは、史上最多となる7度目の全仏制覇に挑む。ナダルが今大会に初出場した2005年以来、ナダル以外で今大会のタイトルを獲得したのは2009年のフェデラーのみと、パリでは無類の強さを誇るナダルが前人未踏の領域を目指す。昨シーズンはジョコビッチにいいようにやられ、今年の全豪オープン決勝でも死闘の末に後塵を拝していたナダルであるが、クレーシーズンではモンテカルロとローマで2連勝しており、苦手意識を払しょくしてパリに乗り込んできた。
この2強に割り込む可能性がある名前と言えば、やはりフェデラーその人だろう。昨年はナダルの前に準優勝に終わったが、準決勝でジョコビッチの連勝記録を止めたパフォーマンスは絶対王者がいまだ健在であることを世界に知らしめた。今年は4月から1ヶ月近く休養をとると、マドリッドでは「ブルークレー」に多くのトップ選手が悩まされる中、抜群の適応力でタイトルを獲得、続くローマでもベスト4と安定した成績を残している。
ビッグ4の中で元気がないのが世界ランク4位のアンディ・マレー。他のサーフェスに比べ、クレーコートでは目立った成績を残していなかったマレーであったが、昨年の全仏では自己最高となるベスト4進出を果たしていた。しかし、今季のクレーシーズンではベスト8が2回のみと、他の3人に比べると少々見劣りしてしまう。「グランドスラムをとるのは時間の問題」といわれて早幾年、そろそろ大きな勲章を手に入れたい。
この他、伏兵としては地元の声援が期待されるジョー-ウィルフリード・ツォンガやトマス・ベルディフなど、「当たれば」トップ4すら手におえないプレーを披露する選手たちの名前を挙げたい。他のサーフェスと違い、天候次第で様々な状態になるクレーコート。好天が続けば、球足はハードコートのように速くなるだけに、番狂わせも期待できる。
今シーズンの開幕から全豪オープンを含む4大会連続でタイトルを獲得するなど、新たな時代の到来を感じさせてくれたヴィクトリア・アザレンカであったが、このクレーシーズンではシュトゥットガルドではマリア・シャラポワに、マドリッドではセリーナ・ウィリアムズに敗れ準優勝、さらにローマでは右肩痛を理由に大会を棄権するなど、少し失速気味。ただ全仏前に十分な準備期間ができたこと、さらに元女王のアメリ・モレスモを臨時コーチとして猛練習に取り組むなど考えると、優勝争いに絡む可能性は高いだろう。
今年のクレーシーズンで存在感を示したのがシャラポワとセリーナの2人。シャラポワは初出場となったシュトゥットガルドでタイトルを獲得すると、ローマでは2連覇を達成。女子ツアーでも最も成功したクレーシーズンを過ごしている。クレーコートは苦手とされたシャラポワだったが、「クレーコートの戦い方が分かってきた」と自分でも言うように自信を増してきている。
一方のセリーナは、開幕戦となったチャールストンで優勝すると、マドリッドではシャラポワとアザレンカに圧勝してタイトルをさらう離れ業をやってのけた。現在の女子ツアーで、このトップ2人を同じ大会で圧倒することができるのはセリーナぐらいのものだろう。ローマでは連戦の疲れから準決勝を前に棄権したが、1週間のオフを経て臨む全仏では再びパワーテニスを炸裂させてくれるだろう。
ただすんなりと優勝候補が決まらないのが、ここ何年かの女子シングルスのお約束。昨年のウィンブルドンを制し、左利きから繰り出す強打が魅力のペトラ・クヴィトバや、女子ツアー屈指の戦術家であるアグニエシュカ・ラドワンスカらを優勝候補に推す声もある。
もちろん、昨年のチャンピオンであるナ・リーや、一昨年のチャンピオンであるフランチェスカ・スキアボーネも怖い存在だ。またラウンドが進むにつれて接戦になりやすい今大会、地元の声援という他にはない強みを持つマリオン・バルトリなど、女子シングルスの優勝争いは今年もエキサイティングな展開になるだろう。
前哨戦で腹斜筋を痛めた錦織が欠場を表明した今、日本のテニスファンの期待は添田豪と伊藤竜馬の2人に集まることとなった。主に下部大会でポイントを稼いだとはいえ、両者ともに世界ランキングを60位台とトップ選手とも十分に渡りあう準備は整っている。ドロー次第では上位進出も期待できるだろう。
一方の女子はクルム伊達公子と森田あゆみが本戦から出場する。この夏に行われるロンドン五輪出場権の獲得を目指す2人とって、今大会がラストチャンスとなる。クレーコートとは最悪の相性といわれるクルム伊達だが、奇しくも初めてグランドスラム本戦出場を果たしたのが1989年の今大会。さらに、その時には本戦での初勝利も経験している。再チャレンジから4年目を迎える今シーズン、土壇場で強さを発揮するクルム伊達に期待したい。
今年で5度目の出場となる森田は今年前半こそ怪我で泣かされたものの、前哨戦ではベスト8に入るなど復調の兆しを見せているだけに、思い切ったプレーで日本のファンを沸かせてくれるだろう。
大記録を狙うジョコビッチとナダル
昨年は「キング・オブ・クレー」ラファエル・ナダルがビヨン・ボルグに並ぶ6度目の優勝を果たして幕を下ろした今大会。今年も誰が何の記録を達成するかに注目が集まっている。
第1シードとして出場するノヴァーク・ジョコビッチは、今大会でタイトルを獲得すると、史上9人目となる生涯グランドスラムを達成するばかりか、43年ぶりとなるグランドスラム4大会連続優勝の偉業も達成となる。近年ではピート・サンプラス、フェデラー、ナダルがこの偉業に挑んだものの、誰も達成には至らなかった。特にサンプラスとフェデラーの偉業達成をことごとく阻んだ大会がこの全仏オープン。大会直前にユニクロとのスポンサー契約を発表した、新時代の王者として君臨するジョコビッチが、大記録に挑む。
ディフェンディング・チャンピオンであるナダルは、史上最多となる7度目の全仏制覇に挑む。ナダルが今大会に初出場した2005年以来、ナダル以外で今大会のタイトルを獲得したのは2009年のフェデラーのみと、パリでは無類の強さを誇るナダルが前人未踏の領域を目指す。昨シーズンはジョコビッチにいいようにやられ、今年の全豪オープン決勝でも死闘の末に後塵を拝していたナダルであるが、クレーシーズンではモンテカルロとローマで2連勝しており、苦手意識を払しょくしてパリに乗り込んできた。
この2強に割り込む可能性がある名前と言えば、やはりフェデラーその人だろう。昨年はナダルの前に準優勝に終わったが、準決勝でジョコビッチの連勝記録を止めたパフォーマンスは絶対王者がいまだ健在であることを世界に知らしめた。今年は4月から1ヶ月近く休養をとると、マドリッドでは「ブルークレー」に多くのトップ選手が悩まされる中、抜群の適応力でタイトルを獲得、続くローマでもベスト4と安定した成績を残している。
ビッグ4の中で元気がないのが世界ランク4位のアンディ・マレー。他のサーフェスに比べ、クレーコートでは目立った成績を残していなかったマレーであったが、昨年の全仏では自己最高となるベスト4進出を果たしていた。しかし、今季のクレーシーズンではベスト8が2回のみと、他の3人に比べると少々見劣りしてしまう。「グランドスラムをとるのは時間の問題」といわれて早幾年、そろそろ大きな勲章を手に入れたい。
この他、伏兵としては地元の声援が期待されるジョー-ウィルフリード・ツォンガやトマス・ベルディフなど、「当たれば」トップ4すら手におえないプレーを披露する選手たちの名前を挙げたい。他のサーフェスと違い、天候次第で様々な状態になるクレーコート。好天が続けば、球足はハードコートのように速くなるだけに、番狂わせも期待できる。
まだまだ終わらない女王争い
今シーズンの開幕から全豪オープンを含む4大会連続でタイトルを獲得するなど、新たな時代の到来を感じさせてくれたヴィクトリア・アザレンカであったが、このクレーシーズンではシュトゥットガルドではマリア・シャラポワに、マドリッドではセリーナ・ウィリアムズに敗れ準優勝、さらにローマでは右肩痛を理由に大会を棄権するなど、少し失速気味。ただ全仏前に十分な準備期間ができたこと、さらに元女王のアメリ・モレスモを臨時コーチとして猛練習に取り組むなど考えると、優勝争いに絡む可能性は高いだろう。
今年のクレーシーズンで存在感を示したのがシャラポワとセリーナの2人。シャラポワは初出場となったシュトゥットガルドでタイトルを獲得すると、ローマでは2連覇を達成。女子ツアーでも最も成功したクレーシーズンを過ごしている。クレーコートは苦手とされたシャラポワだったが、「クレーコートの戦い方が分かってきた」と自分でも言うように自信を増してきている。
一方のセリーナは、開幕戦となったチャールストンで優勝すると、マドリッドではシャラポワとアザレンカに圧勝してタイトルをさらう離れ業をやってのけた。現在の女子ツアーで、このトップ2人を同じ大会で圧倒することができるのはセリーナぐらいのものだろう。ローマでは連戦の疲れから準決勝を前に棄権したが、1週間のオフを経て臨む全仏では再びパワーテニスを炸裂させてくれるだろう。
ただすんなりと優勝候補が決まらないのが、ここ何年かの女子シングルスのお約束。昨年のウィンブルドンを制し、左利きから繰り出す強打が魅力のペトラ・クヴィトバや、女子ツアー屈指の戦術家であるアグニエシュカ・ラドワンスカらを優勝候補に推す声もある。
もちろん、昨年のチャンピオンであるナ・リーや、一昨年のチャンピオンであるフランチェスカ・スキアボーネも怖い存在だ。またラウンドが進むにつれて接戦になりやすい今大会、地元の声援という他にはない強みを持つマリオン・バルトリなど、女子シングルスの優勝争いは今年もエキサイティングな展開になるだろう。
錦織不在のグランドスラムを盛り上げるのは誰だ?
前哨戦で腹斜筋を痛めた錦織が欠場を表明した今、日本のテニスファンの期待は添田豪と伊藤竜馬の2人に集まることとなった。主に下部大会でポイントを稼いだとはいえ、両者ともに世界ランキングを60位台とトップ選手とも十分に渡りあう準備は整っている。ドロー次第では上位進出も期待できるだろう。
一方の女子はクルム伊達公子と森田あゆみが本戦から出場する。この夏に行われるロンドン五輪出場権の獲得を目指す2人とって、今大会がラストチャンスとなる。クレーコートとは最悪の相性といわれるクルム伊達だが、奇しくも初めてグランドスラム本戦出場を果たしたのが1989年の今大会。さらに、その時には本戦での初勝利も経験している。再チャレンジから4年目を迎える今シーズン、土壇場で強さを発揮するクルム伊達に期待したい。
今年で5度目の出場となる森田は今年前半こそ怪我で泣かされたものの、前哨戦ではベスト8に入るなど復調の兆しを見せているだけに、思い切ったプレーで日本のファンを沸かせてくれるだろう。
第1日
大会初日見どころ/隠れ本命が登場! 今年2大会目のグランドスラムである全仏オープンが、いよいよ開幕する。レッドクレーの上で繰り広げられる熱い15日間の戦い、最後にトロフィーを掲げるのは果たして誰だろうか? 大会初日は男女シングルス1回戦が行われる。 男子シングルスでは、センターコートに第9シードのフアン・マルティン・デル=ポトロと、第5シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガが登場する。トップ4の実力が傑出している現在の男子ツアーにおいて、その牙城を崩す可能性がある選手として常に名前が挙がるのがデル=ポトロとツォンガ。ともに高い身体能力から繰り出す破壊力抜群のショットが魅力なだけに、初日から見ごたえのある試合となりそうだ。 女子シングルスでは、スザンヌ・ランランコートに第26シードのスヴェトラナ・クズネツォワと第13シードのアナ・イバノビッチが登場する。ともに今大会でタイトルを獲得しているものの、現在はランキングを落としているため、低いシード順位となった。その実績からもクレーでの戦い方は熟知しているといっても良く、上位陣と早いラウンドでの対戦もありうるため、今大会の台風の目になる可能性を秘めた2人を言えるだろう。 |
第2日
大会2日目見どころ/ジョコビッチ、フェデラーが登場! ついに開幕した今年2大会目のグランドスラムである全仏オープン。赤土の舞台でトップ選手たちがビッグタイトルを争う戦いがの火蓋が切って落とされた。 男女シングルス1回戦が行われた大会初日、センターコートではビッグ4の牙城を狙うフアン・マルティン・デル=ポトロとジョー-ウィルフリード・ツォンガがともに4セットで勝利を収めた。お互いに違ったタイプながらも攻撃的なテニスが身上の2人、持ち前の破壊力溢れるプレーで対戦相手を圧倒した。 女子シングルスでは、第13シードのアナ・イバノビッチをはじめ、メジャータイトル保持者たちがレッドクレーで躍動、サマンサ・ストザー、スヴェトラナ・クズネツォワ、そしてヴィーナス・ウィリアムズらが初戦を突破した。 大会2日目は、初日に引き続き男女シングルスの1回戦が予定されている。 男子シングルスでは、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第3シードのロジャー・フェデラーが1回戦に臨む。オープン化以降、史上初となるグランドスラム4大会連続優勝を目指すジョコビッチはポティト・スタラーチェと、そして約2年ぶりとなる王座奪還を目指すフェデラーはトビアス・カンケと初戦で対戦する。 女子シングルスでは、第1シードのヴィクトリア・アザレンカ、昨年の全仏女王である第7シードのナ・リーがセンターコートに登場する。今年の全豪オープンを制し、自身初となるメジャータイトルだけでなく、女王の座まで手に入れたアザレンカ。クレーシーズンでは無冠に終わっていたアザレンカに、今季の前半戦のような圧倒的な安定感は見られないが、それでも優勝候補の一角であるのは間違いない。一方のリーは、昨年の優勝以降は少しペースダウンした感があるが、それでも正確かつ攻撃的なグランドストロークは女子ツアートップクラスの威力があるだけに、タイトル争いに加わることが予想される。 |
第3日
大会3日目見どころ/日本勢4人が初戦突破を目指す! 初日に引き続きシングルス1回戦が行われた大会2日目、試合の内容はともかく男女ともに優勝候補たちが順当に2回戦に勝ち上がった。男子シングルスでは、グランドスラム4大会連続優勝を目指すノヴァーク・ジョコビッチと、2009年以来となる全仏制覇を狙うロジャー・フェデラーがそれぞれストレート勝ち、初戦の壁を危なげなく突破している。 女子シングルスでは、第1シードのヴィクトリア・アザレンカが敗北寸前まで追いつめられたものの、鮮やかな逆転勝利で初戦を突破。前哨戦の勢いを持ってパリに乗り込んできたアグニエシュカ・ラドワンスカ、ディフェンディング・チャンピオンであるナ・リーらとともに、2回戦に進出した。 大会3日目は、残るボトムハーフの男女シングルス1回戦と、女子ダブルス1回戦が行われる。
この他の試合では、添田豪と森田あゆみの両名も初戦突破を目指して登場する。添田はドミトリー・ツルスノフと、森田はポロナ・エルコグと対戦する。 |
第4日
大会4日目見どころ/センターコートで大会屈指の好カード これまでの2日間に続き男女シングルス1回戦が行われた大会3日目、日本勢4人が初戦突破を目指したが、男子シングルスでは添田豪と伊藤竜馬がともにストレート負け、女子シングルスではクルム伊達公子が2010年のチャンピオンであるフランチェスカ・スキアボーネに敗れたものの、森田あゆみが逆転勝利で初戦突破を果たした。 この他の試合では、早くも大番狂わせが起きた。クレーシーズンで2大会でタイトルを獲得し、今大会でも優勝候補の一人とみられていた女子シングルス第5シードのセリーナ・ウィリアムズが、地元勢のビルジニー・ラッツァーノにまさかの逆転負けを喫し、初戦で大会を去ることとなった。 大会4日目は、男女シングルスのトップハーフ2回戦と男女ダブルスの1回戦が行われる。 男子シングルスでは、1回戦をともにストレートで勝ち上がった第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第3シードのロジャー・フェデラーに注目が集まる。この2人に関しては、もはやこのラウンドで勝つのは当然として、その勝ち方が問題となってくるレベルとなってくる。また、地元勢から8人もの選手がこの日の2回戦に登場する予定となっており、こちらにも注目したい。
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第5日
大会5日目見どころ/森田がシャラポワに挑む! 男女シングルス2回戦が行われた大会4日目、男子シングルスでは第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第3シードのロジャー・フェデラーの両名が危なげなく勝利、順当に3回戦に進出しているほか、第11シードのジル・シモンら地元勢も3回戦進出を決めている。 女子シングルスでは、1回戦でフルセットの苦戦を強いられていた第1シードのヴィクトリア・アザレンカが鮮やかな快勝で3回戦に進出している。またセンターコート最後の試合では、第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカが元女王のヴィーナス・ウィリアムズにストレートで快勝している。 また男女ダブルス1回戦には日本勢も登場しており、添田豪/ルー・イェンスン組が1回戦突破を決めた一方、クルム伊達公子/藤原里華組は一歩及ばなかった。 大会5日目は男女シングルス2回戦と、男女ダブルス1回戦、そしてミックスダブルス1回戦も行われる。 男子シングルスでは、優勝候補である第2シードのラファエル・ナダルと第4シードのアンディ・マレーがそれぞれ3回戦進出を目指す。ともに相手は格下となっているが、番狂わせが多い今大会では、一瞬の油断が試合の流れを全て変えてしまうこともあるだけに油断はできない。 また、今日も多くの地元勢が試合に臨み、センターコートにポール・アンリ・マチューが登場するほか、スザンヌ・ランランコートではジョー-ウィルフリード・ツォンガとリシャール・ガスケが2回戦に臨む
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第6日
大会6日目見どころ/森田がいよいよシャラポワに挑む! 男女シングルス2回戦が行われた大会5日目、男子シングルスでは地元勢のポール=アンリ・マチューが第10シードのジョン・アイズナーとの5時間を超える死闘を制し、劇的な3回戦進出を決めている。2年前のウィンブルドンではニコラ・マウーとの11時間の死闘を制したアイズナーであったが、この日はどんな状況でも冷静さを失わなかった30歳のベテランの前に力尽きた。 女子シングルスでは、自身初のグランドスラム制覇を目指す第9シードのキャロリーン・ウォズニアキをはじめ、上位陣が順当な勝ち上がりを見せている。最も難しいと言われる初戦を終え、第3シードのペトラ・クヴィトバ、ディフェンディング・チャンピオンのナ・リーなど優勝候補たちが、徐々に調子を上げてきている。また、この日に予定されていた森田あゆみとマリア・シャラポワの2回戦は、その前のマチューとアイズナーの試合のあおりをうけ、順延となっている。 大会6日目は男女シングルスのトップハーフ3回戦が行われる他、男子ダブルス1回戦と2回戦、さらに女子ダブルス2回戦とミックスダブルス1回戦が行われる。
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第7日
大会7日目見どころ/2週目へのサバイバル! 全仏オープン大会6日目、前日から順延となっていた女子シングルス2回戦が行われ、森田あゆみは第2シードのマリア・シャラポワの前に良いところを出すことなく完敗、トップ選手との差を痛感しつつも、今後の課題が見えてきた試合となった。 男子シングルスでは、センターコートに登場したロジャー・フェデラーが地元勢のニコラ・マウーに勝利、グランドスラム最多勝記録を235に伸ばすとともに、8年連続となる4回戦進出を決めている。 大会7日目は男女シングルスのボトムハーフ3回戦が行われる他、男子ダブルス2回戦と3回戦、さらに女子ダブルス3回戦とミックスダブルス1回戦が行われる。
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第8日
大会8日目見どころ/ベスト8を懸けた戦いがスタート! 6日目に引き続き男女シングルス3回戦が行われた全仏オープン大会7日目、男子シングルスでは実力者ではありながらもビッグ4の影に隠れていた第6シードのダビッド・フェレールが第27シードのミハイル・ヨージニに圧勝、ここにきて存在感を増してきた。 女子シングルスでは、シード勢で明暗の分かれる結果となった。元女王で第9シードのキャロリーン・ウォズニアキは、第23シードのカイア・カネピに足元をすくわれ敗退。2年近く世界ランク1位にいながらもメジャータイトルとは縁のなかったウォズニアキだが、今回もお預けとなった。また、2年連続で決勝進出を果たしていたフランチェスカ・スキアボーネが、ノーシードのバーバラ・レプシェンコに敗れる波乱も起きている。 その一方、優勝戦線の本命と言われている第2シードのマリア・シャラポワ、ディフェンディング・チャンピオンのナ・リー、そして2010年ファイナリストのサマンサ・ストザーらは順当に4回戦に駒を進めている。 大会8日目は男女シングルスのトップハーフ4回戦が行われる他、男女ダブルス3回戦とミックスダブルス2回戦が行われる。また、本日からジュニア部門が開幕となる。
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第9日
大会9日目見どころ/ついにベスト8が決定! 上位進出へのサバイバルとなるシングルス4回戦が行われた大会8日目、優勝候補たちが思わぬ苦戦を強いられた。男子シングルス第1シードのノヴァーク・ジョコビッチは第22シードのアンドレアス・セッピを相手に2セットダウンからフルセットの逆転で何とか勝利。第3シードのロジャー・フェデラーはラッキールーザーのデイビッド・ゴファンに第1セットを奪われてからの逆転で勝利している。 女子シングルスでは、第1シードのヴィクトリア・アザレンカが第15シードのドミニカ・チブルコワの前にストレート負けを喫し、4回戦で姿を消している。また、今季初めから好調を維持しているサラ・エラーニが2010年のチャンピオンであうスヴェトラナ・クズネツォワを破り、ベスト8進出を果たしている。 大会9日目は引き続き男女シングルス4回戦が行われるほか、男女ダブルス準々決勝とミックスダブルス準々決勝が行われる。
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第10日
大会10日目見どころ/ベスト4を懸けた戦い ベスト8への切符をかけたシングルス4回戦が行われた大会9日目、男子シングルスではアンディ・マレーが地元勢のリシャール・ガスケを下したほか、第2シードのラファエル・ナダルがフアン・モナコを一蹴するなど、ベスト8が出揃った。 女子シングルスでは、第2シードのマリア・シャラポワが思わぬ苦戦を強いられながらもベスト8進出を決めた一方、ディフェンディング・チャンピオンであるナ・リーが予選から勝ち上がってきたヤルスラーヴァ・シュウェドワに逆転負けを喫する波乱が起きている。 大会10日目は男女シングルスのトップハーフ準々決勝が行われるほか、男女ダブルスおよびミックスダブルスの残りの準々決勝が行われる。
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第11日
大会11日目見どころ/ついにベスト4が決定! 男女シングルス準々決勝が行われた大会10日目、優勝候補とされるビッグ4の2人がともにフルセットの逆転で勝利するという劇的な1日となった。スザンヌ・ランランコートではロジャー・フェデラーがフアン・マルティン・デル=ポトロに2セットを先取されながらも、そこから3セットを連取する鮮やかな逆転でベスト4進出を決めた。メジャー4連勝の偉業がかかるノヴァーク・ジョコビッチは、ジョー-ウィルフリード・ツォンガに4本のマッチポイントを握られたものの、王者たる精神力でピンチを切り抜け、偉業達成に望みをつなげた。 女子シングルスでは、第6シードのサマンサ・ストザーが、世界ランク1位のヴィクトリア・アザレンカを下していたドミニカ・チブルコワにストレートで快勝。また快進撃を続けるサラ・エラーニはアンジェリーク・クルベールを破り、自身初となるトップ10からの勝利でベスト4に進出した。 大会11日目は、男女シングルスのボトムハーフ準々決勝が行われるほか、男女ダブルスとミックスダブルスの準決勝が行われる。
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第12日
大会12日目見どころ/女子シングルス決勝を懸けた戦い! 男女シングルス準々決勝が行われた大会11日目、ビッグ4の牙城がついに崩れた。スザンヌ・ランランで行われた男子シングルス準々決勝、第4シードのアンディ・マレーと第6シードのダビッド・フェレールの一戦は、今大会のベストバウトと呼べるような一進一退の攻防の中、クレーコートでの経験に勝るフェレールが第4セットで抜け出して勝利、準決勝への切符を手に入れた。史上最多となる今大会7度目の優勝を目指すラファエル・ナダルは、同胞のニコラス・アルマグロにストレートで勝利している。 女子シングルス準々決勝では、生涯グランドスラムを目指すマリア・シャラポワとウィンブルドン女王であるペトラ・クヴィトバがそれぞれ勝利、ともに強打を武器とする2人が準決勝で対決する。 大会12日目は、女子シングルスの準決勝2試合が行われるほか、男子ダブルス準決勝と日没のために順延となった女子ダブルス準決勝が行われる。またミックスダブルス決勝も予定されている。
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第13日
大会13日目見どころ/男子シングルスの頂点を目指す戦い 女子シングルス準決勝が行われた大会12日目、雨により1時間ほど遅れて開始された第1試合では、ここまで快進撃を続けてきた第21シードのサラ・エラーニが2010年のファイナリストである第6シードのサマンサ・ストザーに勝利、「信じられない。」と言いつつも初のメジャー大会での決勝進出を果たした。 続けて行われた第2試合では、第2シードのマリア・シャラポワが第4シードのペトラ・クヴィトバをストレートで撃破、3度目の準決勝で初めての決勝進出を決めた。これまで何度も優勝候補と言われながら、決勝直前で涙をのんできたシャラポワは、この勝利によって4年ぶりに世界ランク1位に返り咲くことも決めている。 大会13日目は男子シングルス準決勝2試合が行われるほか、女子ダブルス決勝が予定されている。
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第14日
今年の女子の頂点は誰の手に? 男子シングルス準決勝が行われた大会13日目、世界の頂きに手をかけるために必要な資質が試された試合を勝ち抜いたのは、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第2シードのラファエル・ナダルの2人。同胞のダビッド・フェレールと対戦したナダルは、なぜクレーキングと長きにわたって呼ばれているのかを証明するかのような強さを見せ、ローランギャロスでは体調が万全である限り、敵はいないということをアピールした。 続けて行われた第2試合では、ジョコビッチが第3シードのロジャー・フェデラーにストレート勝ち。準々決勝ではマッチポイントの崖っぷちまで追い込まれるなど、ここまでの勝ち上がりが不安定だったジョコビッチだが、ここにきて最高のプレーを披露するところは流石の一言。昨年の準決勝で敗れた因縁の相手にリベンジとなった。 大会14日目は女子シングルス決勝と男子ダブルス決勝が予定されている。
対するエラーニは、ここまでアナ・イバノビッチ、スヴェトラーナ・クズネツォワら過去の全仏女王たちを破ると、準々決勝で第10シードのアンジェリーク・クルベール、準決勝では第6シードのサマンサ・ストザーに勝利、ここまで4人のシード選手を打ち破り、自身初となるメジャー決勝進出を果たしている。 両者は今回が初めての対戦となる。3度目の準決勝進出で初めて決勝進出を決めたシャラポワか、勢いのままに自身初のメジャー決勝進出、さらには2000年のマリー・ピアース以来となる全仏2冠を目指すエラーニか。最後に笑っているのは果たして? |
第15日
大会最終目見どころ/頂上決戦! 女子シングルス決勝が行われた大会14日目、他のサーフェスでは早くからトップクラスの能力を示しながらも、唯一クレーコートを苦手としていたマリア・シャラポワが、長年の努力を実らせ念願のタイトルを獲得するとともに、史上10人目となる生涯グランドスラムを達成した。またシャラポワは、週明けの世界ランキングで世界ランク1位になることも決まっており、大記録達成に花を添えた。 男子ダブルス決勝では、ディフェンディング・チャンピオンであるマックス・ミルニとダニエル・ネスターがブライアン兄弟に勝利、大会2連覇を達成している。ミルニとネスターはともに今回が4度目となる全仏オープンでの戴冠となった。 大会最終日は、男子シングルス決勝が行われる。 ついに始まる頂上決戦、赤土の最高峰を決める戦いに臨むのは、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第2シードのラファエル・ナダルと、まさに頂点を極めた2人となった。これでグランドスラムの決勝で両者が対戦するのは4大会連続、いかにトップ2人が安定して高い実力を発揮しているかが証明された。
そのジョコビッチをフィリップ・シャトリエで迎え撃つのは、赤土の王者ナダル。今大会では怪我の不利があった2009年のみと、まさにローランギャロスは「ナダルの庭」となっている。ここまでウィンブルドン、USオープン、そして今年の全豪オープンとことごとく決勝でジョコビッチの後塵を拝してきたナダル。この赤土の舞台では負けるわけにはいかない。また今年は、ここまでの6試合全てでストレート勝ちを収めるなど、例年以上の強さを発揮している。 両者の対戦成績は18勝14敗でナダルがリードしている。しかし2011年からの対戦成績では、ジョコビッチが7勝2敗でナダルを圧倒しているものの、前哨戦ではナダルがジョコビッチに2連勝している。 |
全仏オープン2012 総括
総括
赤土の王者は健在だった。世界ランク1位のノヴァーク・ジョコビッチと同2位のラファエル・ナダルの対戦となった男子シングルス決勝、雨による影響で2日間に渡る激戦となった試合は、シーソーゲームの様相を呈しながらも、再開後の試合で流れを掴んだナダルが勝利。26歳の若さでグランドスラム11勝目、史上最多となる7度目の全仏制覇という偉業達成となった。一方で敗れたジョコビッチは、グランドスラム4大会連続優勝がかかっていたが、赤土の王者という分厚い壁を超えることはできなかった。
この優勝によって、シャラポワは女子テニス史上10人目となる生涯グランドスラムを達成するとともに、世界ランク1位への返り咲きとなった。 <
女子ダブルスではシングルスでも決勝進出の快挙となったサラ・エラーニとロベルタ・ビンチのイタリアペアが嬉しいグランドスラム初優勝となった。フランチェスカ・スキアボーネがシングルスを制してから2年、イタリア女子テニスの興隆が本物であることを証明した。 ミックスダブルスでは、サニア・ミルザとマヘシ・ブパティのインドペアがタイトルを獲得している。今年行われるロンドン五輪ではミックスダブルスも開催されることもあり、一気にメダル争いの候補に浮上してきた。
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