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スマッシュ編

Vol.2 上級者への道 スマッシュ編

目標とサナギの技術 バックハンド・スマッシュ

目標=バック側の高いボールを叩いて決められるようになる

最後は、バックハンド・スマッシュについて考えていこう。目標は、バック側の高いボールをビシッと叩いて決められるようになることだ。打つコースは、初めはクロス中心で良いが、ストレートも覚えると武器になるので、慣れてきたらチャレンジしてみよう。
【目標】T.ヘンマンのバックハンド・スマッシュ
ラケットを低めに構えて(3)グリップ側から引き出し(4~5)、5~8にかけてラケットを勢いよく起こして鋭い加速を行なっている。9~11では面が裏返っているが、気持ちの中ではインパクトで「強く止める」という意識が大切だ。また、このように身体を裏返しながら打つことで、力を入れやすくなる。

サナギの段階=ハイボレーでの面の起こしと止めを覚える

バックハンド・スマッシュと言っても、スウィングはハイボレーの延長線上にあるものなので、サナギの段階では、ハイボレーで強く打つための技術を身につけることが必要になる。具体的には、下のイラストのようなラケット面の起こしと、インパクトでの止めを身につけるということになる。それを、より強く(はっきりと)、より高い打点で行なったのが、バックハンド・スマッシュなのだ。

そのため、ネットから離れていたらラケットを返さずに深くつなぎ、ネットに近ければバチッと叩きつけてエースを狙うといった使い分けができるようになることも目標にしたい。もちろん、少し深めの位置から(下がりながら)決められるようになれば理想的だ。

バックのスライス系で強く打とうとすると、振り始めでラケットヘッドが遅れ、それをインパクトに向けて起こしていくスウィングになるが、「インパクトでラケットを止める」意識を持つと、その動きを制御することができる。サナギの段階では、このような面の「起こし」と「止め」の感覚をハイボレーで身につけることが課題になる。

バックハンド・スマッシュでは、ラケットを引き出す(振り始める)時点で問題が起こりやすいので注意が必要だ。基本は、ラケットをエッジ側から引き出し、ヘッドを起こしながら面を作っていく形(イラスト左)だが、面の返しを意識しすぎると、イラスト右のように面を最初から作っておくような形になってしまいやすい。こうなると、パワーが出しにくく、面の「止め」もむずかしくなるので、ボールの切れが悪くなるだけでなく、ミスも出やすくなってしまう。

バックボレーで高いボールを返すとき、ラケットの起こしと止めを強くしてスマッシュ的に叩きつける場合と、ラケットを早めに止めて(面を返さずに)深くつなぐ場合があるが、上級者なら、その両方ができなくてはならない。そして、その2つの打ち方を混ぜると、ラケット・コントロールを磨く効果が高まるので、練習法としてもお勧めだ。

【サナギ】T.ヘンマンのバックハンド・ハイボレー
こちらは、上の例とネットからの距離や打点の高さが異なっているため、強く叩くのではなく、面を保って深いところを狙っている。5~7にかけての面の起こしも上ほど大きくはなく、インパクト時の「止め」によって面の返りも抑えられている。サナギの段階では、まずこの打ち方を身につけたい。
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(テニスジャーナル 2003年9月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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