スマッシュ編 |
Vol.2 上級者への道 スマッシュ編 |
目標とサナギの技術 下がりながらのジャンピング・スマッシュ
目標=見ている人が「かっこいい!」とうなるようなスマッシュ
下がりながらのジャンピング・スマッシュは、上級者には欠かすことのできない技術となる。目標は、深いロブが来ても素早く下がって豪快に決め、見ている人が思わず「かっこいい!」とうなるようなスマッシュだ。
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【目標】R.クライセックの豪快なジャンピング・スマッシュ
それほど深くはないがスピードのあるロブに対して、サイドステップで細かく2歩下がり、最後は大きく後ろに跳びながら叩きこんだ場面。右足で踏みきって(7)、左足を後ろに下げながらスウィングし(8~13)、フィニッシュでは左足と入れかわった右足が大きく前に跳ね上がっている(14)。
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サナギの段階=ジャンプせずに左足を下げながら打つことから
サナギの段階では、ジャンプするときのステップワークを身体で覚えることが大切になる。つまり、「足はこう動かす」と頭で考えなくても、無意識にできるようにならなければいけないということだ。
そのため、初めはジャンプしなくても良いので、イラストのように左足を下げながらの素振り練習をしていこう。このときは、素振りでも飛んでくるボールをイメージすること(仮想のボールを打つ感覚)が大切だ。そのうえで実際にボールを打つ練習に入るわけだが、その中で足の動きがわからなくなってきたら、ボールを打つのをやめてイメージ・トレーニングに戻るようにしたい。
また練習の中では、思いきった動きや大胆なジャンプに挑戦してみてほしい。スマッシュは、ビビリながら打つよりも、開き直って振りきって打ったほうが意外に入るものなので、そのことを実感しておくことが大切だ。
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ステップワークを覚えるためには、まずジャンプしないで左足を下げながら素振りする練習から始めよう。最初は右足を(歩きで)1歩下げ、左足を下げながら素振り。次は、2歩サイドステップで下がって、3歩目で素振り(ジャンプしても良い)。そして動き方に慣れてきたら、実際にボールを打ち、徐々に下がる距離を大きくしていこう。 |
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最後のジャンプを大きくするのも、ジャンピング・スマッシュを成功させるためのコツと言える。素早く下がるのが苦手な人でも最後のジャンプを大きくすることで、かなり下がる距離を稼げるし、思いきってジャンプすることで、スウィングの思いきりも良くなり、かえってミスが出にくくなる効果もあるのだ。 |
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ジャンピング・スマッシュを成功させるための必要条件としては、早くラケットを用意するということが挙げられる。少なくともジャンプするための右足を踏みこむ時点では、左の写真のような状態(右肘が十分に高い位置に用意できている)になっていなければ、スウィングが間に合わなくなってしまうのだ。 |
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【サナギ】A.クルニコワの軽いジャンピング・スマッシュ
かなり余裕のある状況だが、通常のジャンピング・スマッシュと同様に、ジャンプして右足と左足を入れかえながら打った場面。サナギの段階では、こうしたことが無意識にできるようになることが目標であり、イージーボールでもジャンプしながら打つ習慣をつけるのがお勧めだ。
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(テニスジャーナル 2003年9月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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