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男子テニスツアーのバレンシア・オープン(スペイン/バレンシア、賞金総額142万4850ユーロ、インドアハード)は23日、シングルス1回戦7試合が行われ、元世界ランク1位のJ・C・フェレーロ(スペイン)が第6シードのN・アルマグロ(スペイン)に5-7, 3-6のストレートで敗れ、シングルスのテニス人生に幕を閉じた。
今大会を最後に引退を表明していたフェレーロは主催者推薦を受けて本戦へエントリーしていた。
この日、第1セットでフェレーロと世界ランク12位のアルマグロは、2度ずつのブレークを奪い合う接戦となるも、終盤でアルマグロに3度目のブレークを奪われたフェレーロはこのセットを失う。
第2セットに入り、フェレーロは1度ブレークをアルマグロから奪ったものの2度のブレークを許し、1時間41分のストレートで敗退。32歳のフェレーロは14年間のプロテニス人生に幕を下ろした。
2003年の全仏オープンを制し、その年の全米オープンで準優勝を飾ると、その後発表された世界ランクで1位へと上り詰めた。1位には8週間の在位に留まったものの、トップ10には176週も君臨していた。
「今週はとても特別で忘れられない一週間。今日はコートに立っても気分が高まっていたが、それ以前に大会が始まってからずっと高揚していた。」と地元と言えるバレンシアで、今大会を最後の試合と決めたフェレーロは自身の気持ちを語っていた。
「最初にドローを見た時は、正直嬉しくはなかった。彼(アルマグロ)は対戦したくない選手の一人だったから。とても親しい仲間だし、練習も一緒にしていた。そして彼はツアー最終戦への出場の可能性が残されているから、彼には今大会も上位へ進んでもらいたいと思っていたからね。でも考え方を変えたら、自分の最後の試合を大切な友人と戦えるのは後悔なく引退ができるとも思えるようになった。」
そしてフェレーロは、引退後の自身のことについても語っていた。バレンシア近郊にテニスアカデミーを経営しているフェレーロだが、それだけではなく、今後もテニスに関わっていくことを明かした。
「来年はニコ(アルマグロ)に就いて何大会かツアーを回るつもりさ。コーチとしてね。だから最後の試合が、そんな彼との対戦だったのは、良かったんだと思えた。」
「テニス人生を通して、自分はとても負けず嫌いな選手だった。でも今は、そんな感情が自分の中にもうないと感じてしまった。そうなると世界で戦っていくレベルを維持するのは難しくなってしまう。もうちょっとは現役を続けられたのかもしれないけど、自分は完璧主義者だから、このタイミングで引退するべきだと思ったんだ。」
と、引退後もコーチとしてアルマグロと共にツアーを回ることを明かし、引退する決断へ至った思いも加えていた。
シングルスで敗退したものの、D・フェレール(スペイン)とのペアーでダブルスにもエントリーしているフェレーロ。水曜日のセンターコートでC・ベルロク(アルゼンチン)/ A・ドルゴポロフ(ウクライナ)組との1回戦を行う。
この日行われた試合結果は以下の通り。
D・フェレール (1) ○-× O・ロクス(ベルギー), 7-5, 7-5
X・マリス(ベルギー) ○-× JW・ツォンガ(フランス) (2), 3-1, 途中棄権
G・シモン(フランス) ○-× J・ティプサレビッチ(セルビア) (3), 5-4, 途中棄権
N・アルマグロ (6) ○-× J・C・フェレーロ, 7-5, 6-3
A・ドルゴポロフ ○-× F・ボランドリ(イタリア), 6-3, 7-6 (7-5)
S・クエリー(アメリカ) ○-× F・ロペス(スペイン), 6-3, 7-6 (7-4)
J・メルツァー(オーストリア) ○-× C・ベルロク, 6-3, 6-3
今大会の優勝賞金は34万2850ユーロ。
(翻訳/弓削忠則)
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