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テニス四大大会5勝のヒンギス、コカイン陽性で引退表明

(スイス、チューリッヒ)

元世界ランク1位で、4大大会5勝を誇るM・ヒンギス(スイス)が木曜日、記者会見を行い、今年のウィンブルドン期間中に行われたドーピング検査でコカインの陽性反応が出たことを明かし、同時にツアーからの現役引退を表明した。

ヒンギスは、「このような結果が出て、罪に問われることは余りにも無茶苦茶で、ぞっとするほどの憤りを感じたので、こうして公にすることにしました。今は不満に満ち、怒りで一杯です。」と、感情を露わにして話し始めた。「この先何年間もドーピング機関と争うことに時間を費やそうとは思っていません。こんなに怒りがこみ上げてきているのは、ただ100%無実だからです。そして、このような罪を着せられたことで、今後ツアーで戦って行く気持ちを喪失しました。」と、自身の潔白を主張すると共に、ツアーからの引退も明らかにした。

WTAの最高責任者であるラリー・スコット氏は、そのような事実は把握していないと言う。「WTAとしては彼女(ヒンギス)が発言した薬物陽性反応が出たと言う公式な報告は全く受けていない。このような状況下ではその件に関してコメントはできない。ドーピングという問題では、はっきりした結果が出るまでは選手は皆潔白であると信じることが大切。WTA自体はスポーツがドーピングに犯されることに全く反対しているし、正確かつ幅広い活動をしているテニス・アンチ・ドーピング・プログラムをフルにサポートしており、テニス界を薬物汚染から避けようとしているのが現状だ。」とコメントした。

スコット氏は「ヒンギスは素晴らしいチャンピオンで、世界各国にファンがいる人気選手である。彼女の引退表明を尊重する。彼女は復帰後も、今もテニスツアーで最も高いレベルにいられることを証明していた。」と続けた。

ヒンギスがドーピング検査を受けたのは、ウィンブルドン3回戦でL・グランビル(アメリカ)に敗れた後で、その後はUSオープンを含む夏のアメリカ・ハードコート大会に参戦。そして、2回戦で敗退した9月の北京が最後の大会となった。現在世界ランク19位のヒンギスは、北京の大会を最後に、左臀部の怪我を理由に今季のプレーを終了していた。

27歳のヒンギスは、通算43個のシングルス・タイトルを獲得した。生涯獲得賞金は2013万657ドルにも上り、548勝133敗のシングルス成績に加え、ダブルスでも37タイトルと獲得し286勝54敗の成績を残している。そのうち3個のシングルス優勝は、2006年に復帰後に獲得したもので、昨年は『WTA Comeback Of The Year』にも輝いていた。ヒンギスはこれが自身2度目の引退表明で、足首の怪我に悩まされたで2003年に一度ツアーから引退していた。

ヒンギスは、テニス界の伝説と言われるM・ナブラチロワ(アメリカ)と同じ『マルチナ』という名前を授かり、2歳からコーチでもある母親の下でテニスを始めた。1994年に地元スイスでツアー・デビューを果たし、その年の全てのグランドスラム本戦に出場し、早くから才能を見せ付けた。

1996年には、ローマで当時世界ランク1位のS・グラーフに初めて勝利して注目を集め、フィルデルシュタッドでツアー初優勝を飾ってトップ10入りを果たした。翌97年は更なる大躍進を遂げ、シーズン始めから37連勝を記録し、12タイトルを獲得。念願のランキング1位の座にも就き、『Payer Of The Year』を受賞した。同時に16歳3ヶ月26日で全豪オープンを制し、20世紀で最年少グランドスラム・チャンピオンとなった。全豪オープンではその後3連覇を成し遂げた。

97年はウィンブルドンとUSオープンでも優勝を飾ったが、同年4月に痛めた膝の怪我で2ヶ月間のツアー離脱も余儀なくされるシーズンでもあった。その後80週連続ランキング1位に君臨していたが、1998年にその座をL・ダベンポート(アメリカ)に明け渡した。

しかし、2000年には20大会中18大会でベスト4以上の成績を収め、9大会で優勝する活躍を見せ、再び世界ランク1位の座に返り咲いた。2001年にはJ・カプリアティ(アメリカ)にその座を明け渡したが、合計して209週間も女王の座に君臨していた。

(2007年11月2日14時55分)
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