インターナショナルプレミアテニスリーグ(以下IPTL)の魅力の一つとして、かつて現役時代に大活躍した元選手、いわゆる"レジェンド"のプレーが見られることが挙げられる。
今回の日本ラウンドには、マラト・サフィン(ジャパン・ウォリアーズ)、マーク・フィリプーシス(フィリピン・マーベリックス)、ファブリス・サントロ(インディアン・エーシーズ)、ゴラン・イワニセビッチ(UAEロイヤルズ)、カルロス・モヤ(シンガポール・スラマーズ)の参戦が決まった。
サフィン(ロシア、35歳)は、2000年USオープンと05年オーストラリアンオープンで優勝した元世界ナンバーワン。豪快なパワープレーを見せる一方で、オフコートではユーモアあふれるお茶目な一面もある。今回は、ジャパン・ウォリアーズで、錦織圭(日本)のチームメイトとなるが、どんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。
フィリプーシス(オーストラリア、39歳)は、"スカッド"といわれたパワーサーブで、1998年USオープンと03年ウインブルドンで準優勝を飾った。
サントロ(フランス、43歳)は、フォアもバックもダブルハンドで打ち、グランドスラムのシングルスには史上最多となる70回出場した。"魔術師"と呼ばれた彼のトリッキーなテクニックは、あのロジャー・フェデラー(スイス)も一目置いている。
イワニセビッチ(クロアチア、44歳)は、左利きの高速サーブで、通算10,183本のサービスエースを放った記録を持つ(歴代1位)。01年に、悲願のウインブルドン優勝を果たし、その経験を活かして、現在、母国の後輩にあたるマリン・チリッチのツアーコーチを務めている。
モヤ(スペイン、39歳)は、98年のローランギャロスで優勝した元世界ナンバーワン。ジュニア時代のラファエル・ナダル(スペイン)の才能にいち早く気づき、同郷のマヨルカ島で一緒に練習してあげた。
こうした"レジェンド"が、神戸に集結するのは初めてのことだが、IPTLで見せる世界最高峰の彼らのプレーは、瞬きをするのがもったいないくらい素晴らしいものになるだろう。
神 仁司(こう ひとし)
ITWA国際テニスライター協会のメンバー。テニス専門誌の記者を経てフリーに。数々の海外大会を取材し、多数のテニス選手へのインタビュー取材をしている。国際テニスの殿堂の審査員。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。著書に、「錦織圭15-0」(実業之日本社)、「STEP ~森田あゆみ、トップへの階段」(出版芸術社)。
→書籍:STEP 森田あゆみ、トップへの階段