全仏オープン2011特集 TOP
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2011年大会の見所
今年もクレーコートの頂点を目指してトッププレイヤーたちが花の都パリに集結する。肉体と精神を酷使する戦いの果てに、勝利の女神の祝福を受けるのは誰だろうか?
「クレーキング」ラファエル・ナダルが圧倒的な強さでタイトルを獲得し、「赤土の王者」が「真の王者」へと変貌を遂げるきっかけとなった昨年からわずかに1年、今ふたたび男子テニス界に構造改革が起こりつつある。
昨シーズンはグランドスラム3大会で優勝、「絶対王者」ロジャー・フェデラーに代わって男子テニス界をリードするナダルは、もちろん今大会の優勝候補の筆頭と言っていいだろう。過去6年で5度の優勝は他の追随を許さない実績であり、今大会もナダルが話題の中心になるのは間違いない。
それに待ったをかけるのが、世界ランク2位のノヴァーク・ジョコビッチだ。なんと言っても、今シーズン開幕から37連勝を達成、全豪オープンを含む7大会でタイトルを獲得するなど向かうところ敵なしとなっている。特筆すべきは、ここ数年の男子テニス界を支配してきたナダルとフェデラーに対し、7勝0敗と完璧な記録を残しているばかりか、クレーコートでもナダルに2連勝するなど、異次元の強さを見せ付けている。これまで「第3の男」に甘んじてきたジョコビッチが、王座を狙う。
もちろん、グランドスラム16勝を誇るフェデラーの存在も忘れてはいけない。今季のクレーシーズンでは目立った成績は残していないものの、現役選手のなかでは最もメジャータイトルの取り方を知っているだけに、ここ一番で何かをやってくれそうだ。昨年の今大会で、グランドスラムでの連続ベスト4進出の記録を23でストップしてしまったフェデラーが、新しい伝説を作り上げるのか?
さらに2年連続で決勝に進出しているロビン・ソデルリングや、メジャー初タイトルを目指すアンディ・マレーをはじめ、地元の期待を背負うフランス4銃士、ガエル・モンフィス、リシャール・ガスケ、ジョー-ウィルフリード・ツォンガ、そしてジル・シモンらの活躍にも期待が集まる。
今年の女子シングルスは、例年以上にエキサイティングな展開になりそうだ。ランキング通りに予想すれば、世界ランク1位のキャロリーン・ウォズニアキが優勝候補の筆頭となるのであろうが、そうシンプルに考えるのは早計というのが、最近の女子テニス界の定説になりつつある。
4月から始まった今年のクレーシーズン、5月15日までに行われた8大会全てで違うチャンピオンが生まれており、かつてのジュスティーヌ・エナンのような強さを持った選手はおらず、若手もベテランもその存在感を放っている。
若手から優勝候補を挙げるとすれば、前述のウォズニアキをはじめ、ここに来て好調を維持しているヴィクトリア・アザレンカ、さらにそのアザレンカを破ってトップ10入りを果たしたペトラ・クヴィトバあたりの名前が挙げられるだろう。もちろん、直前のローマ大会で復活優勝を成し遂げたマリア・シャラポワも忘れてはならない。
中堅・ベテラン勢からは、今大会のディフェンディング・チャンピオンであるフランチェスカ・スキアボーネを筆頭に、昨年の準優勝者であるサマンサ・ストザー、世界ランク3位のベラ・ズヴォナレーワあたりが優勝争いに絡んでくることが予想される。さらに怪我のためにクレーシーズンをスキップしていたキム・クレイステルスが、どういったプレーを見せてくれるかも気になるところ。また、2009年のチャンピオンであるスヴェトラナ・クズネツォワや、今季の全豪オープンで決勝に進出したナ・リーにも要注意だ。
このほかにも、クレーシーズンに入ってから台頭してきたアンドレア・ペトコビッチやユリア・ジョルジュのドイツコンビ、地元勢のマリオン・バルトリなど、探せばいくらでも怖い選手が出てくるのが現在の女子テニス界とも言える。
近年の女子テニス界の中心であったウィリアムズ姉妹が揃って欠場するのは、実に2003年のUSオープン以来となる。その今大会でトップ選手128人の頂点に立つのは果たして誰か?
これまで数々の記録を塗り替えてきた錦織圭は今年5月、ついに師匠である松岡修造とならぶ世界ランク46位の日本最高ランキングの記録に並んだ。ゆっくりと、しかし着実に世界のトップへの歩みを続ける錦織の姿を見ると、日本人としては期待を抑えられないのが本音だろう。直前の大会で体調を崩し、不安は残るものの、去年に続きパリで躍動する「エア・ケイ」に期待したい。日本男子からはもう一人、添田豪が全仏に初挑戦する。今年4月に念願のトップ100入りを達成した添田がレッドクレーで世界のトップに挑む。
女子からは森田あゆみ、クルム伊達公子、そして波形純理が本戦から出場する。今年の全豪オープンで3回戦に進出した森田は、その後トップ50入りも果たし、新しい日本のエースとしての風格が漂い始めている。40歳になるクルム伊達は、もちろんトップ100では最年長選手として今年の全仏オープンに臨む。昨年は元世界ランク1位のディナーラ・サフィーナから逆転で勝利を奪い、2回戦に進出した元祖ライジング・サンに期待したい。そして全豪オープンに続き、2大会連続でグランドスラム本戦の大舞台に臨む波形の活躍にも期待したい。
今年は誰にも予想できない展開が待ち受ける
「クレーキング」ラファエル・ナダルが圧倒的な強さでタイトルを獲得し、「赤土の王者」が「真の王者」へと変貌を遂げるきっかけとなった昨年からわずかに1年、今ふたたび男子テニス界に構造改革が起こりつつある。
昨シーズンはグランドスラム3大会で優勝、「絶対王者」ロジャー・フェデラーに代わって男子テニス界をリードするナダルは、もちろん今大会の優勝候補の筆頭と言っていいだろう。過去6年で5度の優勝は他の追随を許さない実績であり、今大会もナダルが話題の中心になるのは間違いない。
それに待ったをかけるのが、世界ランク2位のノヴァーク・ジョコビッチだ。なんと言っても、今シーズン開幕から37連勝を達成、全豪オープンを含む7大会でタイトルを獲得するなど向かうところ敵なしとなっている。特筆すべきは、ここ数年の男子テニス界を支配してきたナダルとフェデラーに対し、7勝0敗と完璧な記録を残しているばかりか、クレーコートでもナダルに2連勝するなど、異次元の強さを見せ付けている。これまで「第3の男」に甘んじてきたジョコビッチが、王座を狙う。
もちろん、グランドスラム16勝を誇るフェデラーの存在も忘れてはいけない。今季のクレーシーズンでは目立った成績は残していないものの、現役選手のなかでは最もメジャータイトルの取り方を知っているだけに、ここ一番で何かをやってくれそうだ。昨年の今大会で、グランドスラムでの連続ベスト4進出の記録を23でストップしてしまったフェデラーが、新しい伝説を作り上げるのか?
さらに2年連続で決勝に進出しているロビン・ソデルリングや、メジャー初タイトルを目指すアンディ・マレーをはじめ、地元の期待を背負うフランス4銃士、ガエル・モンフィス、リシャール・ガスケ、ジョー-ウィルフリード・ツォンガ、そしてジル・シモンらの活躍にも期待が集まる。
史上まれに見る混戦模様の女子シングルス
今年の女子シングルスは、例年以上にエキサイティングな展開になりそうだ。ランキング通りに予想すれば、世界ランク1位のキャロリーン・ウォズニアキが優勝候補の筆頭となるのであろうが、そうシンプルに考えるのは早計というのが、最近の女子テニス界の定説になりつつある。
4月から始まった今年のクレーシーズン、5月15日までに行われた8大会全てで違うチャンピオンが生まれており、かつてのジュスティーヌ・エナンのような強さを持った選手はおらず、若手もベテランもその存在感を放っている。
若手から優勝候補を挙げるとすれば、前述のウォズニアキをはじめ、ここに来て好調を維持しているヴィクトリア・アザレンカ、さらにそのアザレンカを破ってトップ10入りを果たしたペトラ・クヴィトバあたりの名前が挙げられるだろう。もちろん、直前のローマ大会で復活優勝を成し遂げたマリア・シャラポワも忘れてはならない。
中堅・ベテラン勢からは、今大会のディフェンディング・チャンピオンであるフランチェスカ・スキアボーネを筆頭に、昨年の準優勝者であるサマンサ・ストザー、世界ランク3位のベラ・ズヴォナレーワあたりが優勝争いに絡んでくることが予想される。さらに怪我のためにクレーシーズンをスキップしていたキム・クレイステルスが、どういったプレーを見せてくれるかも気になるところ。また、2009年のチャンピオンであるスヴェトラナ・クズネツォワや、今季の全豪オープンで決勝に進出したナ・リーにも要注意だ。
このほかにも、クレーシーズンに入ってから台頭してきたアンドレア・ペトコビッチやユリア・ジョルジュのドイツコンビ、地元勢のマリオン・バルトリなど、探せばいくらでも怖い選手が出てくるのが現在の女子テニス界とも言える。
近年の女子テニス界の中心であったウィリアムズ姉妹が揃って欠場するのは、実に2003年のUSオープン以来となる。その今大会でトップ選手128人の頂点に立つのは果たして誰か?
日本男子テニスが新時代に突入か?
これまで数々の記録を塗り替えてきた錦織圭は今年5月、ついに師匠である松岡修造とならぶ世界ランク46位の日本最高ランキングの記録に並んだ。ゆっくりと、しかし着実に世界のトップへの歩みを続ける錦織の姿を見ると、日本人としては期待を抑えられないのが本音だろう。直前の大会で体調を崩し、不安は残るものの、去年に続きパリで躍動する「エア・ケイ」に期待したい。日本男子からはもう一人、添田豪が全仏に初挑戦する。今年4月に念願のトップ100入りを達成した添田がレッドクレーで世界のトップに挑む。
女子からは森田あゆみ、クルム伊達公子、そして波形純理が本戦から出場する。今年の全豪オープンで3回戦に進出した森田は、その後トップ50入りも果たし、新しい日本のエースとしての風格が漂い始めている。40歳になるクルム伊達は、もちろんトップ100では最年長選手として今年の全仏オープンに臨む。昨年は元世界ランク1位のディナーラ・サフィーナから逆転で勝利を奪い、2回戦に進出した元祖ライジング・サンに期待したい。そして全豪オープンに続き、2大会連続でグランドスラム本戦の大舞台に臨む波形の活躍にも期待したい。
第1日
大会初日見どころ/錦織が出陣! ついに開幕する今年の全仏オープン。レッドクレーの覇権を目指すトップ選手たちの熱くて長い15日間が今年も幕を開ける。 大会初日は男女シングルス1回戦が予定されている。
この他の試合では、センターコートのオープニングマッチに昨年の女子シングルス準優勝者であるサマンサ・ストザーが登場するほか、地元勢からジョー-ウィルフリード・ツォンガが登場する。 |
第2日
大会2日目見どころ/クルム伊達の挑戦に注目! ついに幕を開けた今年2大会目のグランドスラムである全仏オープン、四大大会で唯一となる日曜日に開幕する今大会、初日は男女シングルス1回戦が行われた。第1試合に登場した日本期待の錦織圭は、ルー・イェンスンとのアジア勢対決にストレートで勝利、2年連続となる初戦突破を果たした。またセンターコートでは、クレーシーズンに好成績を残していたダビッド・フェレールが快勝しているほか、昨年の女子シングルス準優勝者であるサマンサ・ストザーが勝利している。 大会2日目は初日に引き続き男女シングルス1回戦が行われる。 男子シングルスでは、センターコートに優勝候補の2人が登場する。まず第2試合では、第2シードのノヴァーク・ジョコビッチが今大会初戦に臨む。今シーズン始まって以来、37戦全勝とすさまじい勢いで勝利を積み重ねているジョコビッチは、すでに7大会でタイトルを獲得している。今大会でも優勝候補の一人であり、その初戦に注目が集まる。
続いて第3試合では、2009年チャンピオンで第3シードのロジャー・フェデラーがフェリシアーノ・ロペスを迎え撃つ。フェデラーとロペスは過去8度の対戦があるが、その全てでフェデラーが勝利している。しかし、今大会の前哨戦であるマドリッド・マスターズでは、ロペスがフルセットの大接戦までフェデラーを追い詰めている。 この他の試合では、今大会初出場となる添田豪が第12シードのミハイル・ヨージニとの初戦に臨む。
女子シングルスでは、クルム伊達公子が第1シードのキャロリーン・ウォズニアキと対戦する。今季のクレーコートシーズンでは、本戦に出場した4大会全てで初戦敗退を喫しているクルム伊達だが、昨年はディナーラ・サフィーナを相手に逆転勝利を飾ったように、相手が誰であろうと番狂わせを起こすポテンシャルを秘めている。40歳のクルム伊達が20歳のウォズニアキ相手に、どういったプレーを見せてくれるか注目したい。 この他の試合では、今大会初出場の波形純理がアレクサンドラ・ウズニアックとの1回戦に登場する。 |
第3日
大会3日目見どころ/元女王たちの競演! 初日に引き続き男女シングルス1回戦が行われた大会2日目、日本勢から添田豪、波形純理、そしてクルム伊達公子が登場したが、日本のテニスファンにとっては、あまり歓迎できない結果に終っている。 まず先陣を切って登場した添田は、第12シードのミハイル・ヨージニと中盤まで互角の戦いを繰り広げたものの、ストレートで力負け。続いて登場した波形は、予選上がりながら元世界ランク21位のアレクサンドラ・ウズニアッキに惨敗、そしてクルム伊達は第1シードのキャロリーン・ウォズニアキの前に敗れ去った。 この他の試合では、ノヴァーク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、フランチェスカ・スキアボーネら男女ともに上位陣が順当な勝ち上がりを見せている中、男子シングルス第6シードのトマス・ベルディフが2セットアップからまさかの逆転負け、早くも大会を去っている。 大会3日目は残りの男女シングルス1回戦が行われるほか、女子ダブルスの1回戦も行われる。 センターコート第3試合で行われる男子シングルスでは、第1シードのラファエル・ナダルがジョン・アイズナーを迎え撃つ。今大会では過去6年で5度の優勝と圧倒的な強さを誇っているナダルであるが、今年は乗りに乗っているジョコビッチを優勝候補の筆頭に押す声も多く聞こえてくるなど、これまでとは状況が違ってきている。初戦からアイズナーと厳しいドローとなったナダルのプレーに注目が集まる。 女子シングルスでは、マリア・シャラポワ、アナ・イバノビッチ、そしてキム・クレイステルスら元女王たちが初戦に臨む。今大会で優勝すれば生涯グランドスラム達成となるシャラポワは、センターコート第2試合でミルヤナ・ルチッチと対戦する。また2008年のチャンピオンであるイバノビッチは、スザンヌ・ランランコートの第2試合に、そして今季は全豪オープンでタイトルを獲得したものの、クレーシーズンを怪我で棒に振ったクレイステルスが第4試合に登場する。 この他の試合では、男子シングルスにアンディ・マレーと2年連続準優勝のロビン・ソデルリングが登場する。 |
第4日
大会4日目見どころ/上位陣が順当勝ちか?それとも・・・? 2日目に続き男女シングルス1回戦が行われた大会3日目、センターコートに登場した赤土の王者に、誰もが予想外の展開が待ち構えていた。1回戦からジョン・アイズナーというタフな相手との対戦を強いられた王者ナダルは、アイズナーのサーブに苦戦を強いられセットを連取されると、フルセットの接戦まで追い込まれてしまう。試合に勝つことは勝ったが、まるで今年のクレーシーズンを象徴するような試合であった。 一方の女子シングルスでは、2008年の女王であるアナ・イバノビッチが早くも大会を去っている。とにもかくにも、ニューヒロインが毎月のように生まれている現在の女子テニス界の縮図のような試合であった。日本女子勢の最後の砦となった森田あゆみは、地元勢のラドノビに見事な逆転勝利を収め、2回戦に進出している。 大会4日目は男女シングルス2回戦が行われるほか、男女ダブルスの1回戦も行われる。
トップハーフの2回戦が行われる女子シングルスでは、第1シードのキャロリーン・ウォズニアキ、第5シードのフランチェスカ・スキアボーネらが登場する。ともに1回戦を快勝で突破しているウォズニアキとスキアボーネ。どちらも優勝が期待されている2人が、この2回戦をどのようなプレーで突破するのか注目したい。 |
第5日
大会5日目見どころ/森田が3回戦を目指す! 男女シングルス2回戦が行われた大会4日目、これまで数多くの歴史を作ってきた錦織圭が新たな金字塔を打ち立てるべく試合に臨んだが、第31シードのセルゲイ・スタコフスキの前に日本男子として37年ぶりとなる3回戦進出はならなかった。この他の試合では、今シーズン絶好調のノヴァーク・ジョコビッチら上位陣が順当に3回戦に進出、この日に登場したシード勢全員が勝ち進む結果となっている。 女子シングルスでも波乱がない1日となり、昨年の今大会で優勝し世間をアッと言わせたフランチェスカ・スキアボーネをはじめ、自身初となるメジャータイトル獲得を目指すキャロリーン・ウォズニアキらシード勢が3回戦に進出している。 大会5日目は男子シングルスのトップハーフ2回戦、女子シングルスのボトムハーフ2回戦が行われるほか、男子ダブルス1回戦と女子ダブルス2回戦、さらにミックスダブルス1回戦が予定されている。 男子シングルスでは、大会連覇を目指す第1シードのラファエル・ナダルほか、第4シードのアンディ・マレー、第5シードのロビン・ソデルリングら上位進出が期待される選手達が登場する。この中でも、1回戦でいきなりフルセットの接戦を演じているナダルのプレーにライバルたちの視線が集まる。ジョコビッチの台頭により、クレーコートでの絶対的優位のポジションを失いつつある王者ナダルが、どう立て直しを図るか?
この他の試合では、5年ぶりに今大会に出場しているキム・クレイステルス、全豪オープンで決勝に進出したナ・リー、そして今大会で優勝すれば生涯グランドスラム達成となるマリア・シャラポワらが2回戦に登場する。 |
第6日
大会6日目見どころ/シード選手同士が激突! 男女シングルス2回戦が行われた大会5日目、日本勢の最後の砦となった森田あゆみがグランドスラム2大会連続での3回戦進出を目指したが、第21シードのヤニナ・ウィックマイヤーの前にストレートで敗退、この結果、今大会のシングルスから日本勢は姿を消した。 男子シングルスでは、クレーシーズンに調子を上げてきた第4シードのアンディ・マレーのほか、クレーキングであるラファエル・ナダル、2年連続準優勝のロビン・ソデルリングら勝つべき者が順当に3回戦進出を決めている。 一方の女子シングルスでは、優勝候補の一角と見られていた第2シードのキム・クレイステルスが世界ランク114位のアランチャ・ルスにまさかの逆転負け、今大会で最大の番狂わせとなった。その他の上位陣に波乱はなく、今大会で優勝すれば生涯グランドスラム達成となるマリア・シャラポワらが3回戦にコマを進めた。 大会6日目は男子シングルスのボトムハーフ3回戦、女子シングルスのトップハーフ3回戦が行われるほか、男女ダブルス2回戦、さらにミックスダブルス1回戦が予定されている。
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第7日
大会7日目見どころ/上位進出へのサバイバル開始! 男女シングルス3回戦が行われた大会6日目、女王としてのアンデンティティーを求めてきていたキャロリーン・ウォズニアキが、ダニエラ・ハンチュコバの前になすすべも無く敗退、4回戦を前に女子シングルスからトップ2が姿を消すこととなった。 男子シングルスでは、地元勢で明暗が分かれる結果となった。ジュニアの頃から「天才」とそのテニスセンスを評され、将来を嘱望されていたリシャール・ガスケが、今大会8度目の挑戦にして初の4回戦進出を果たした。またガエル・モンフィスも4回戦に進出した一方、ジョー-ウィルフリード・ツォンガが2セットアップからまさかの大逆転で敗退、大会を去っている。 大会7日目は男子シングルスのトップハーフ3回戦、女子シングルスのボトムハーフ3回戦が行われるほか、男子ダブルス2回戦と女子ダブルス3回戦、そしてミックスダブルス1回戦と2回戦が予定されている。
女子シングルスでは、第4シードのヴィクトリア・アザレンカ、第9シードのナ・リーらが3回戦に登場する。オープン化以降、史上初となるトップ2の早期敗退により、トップ10の実力者たちがタイトルを獲得する可能性がグッと大きくなった今大会、混沌とした勢力図を塗り替えるのは果たして誰だろうか? |
第8日
大会8日目見どころ/ベスト8に勝ち残るのは? 男女シングルス3回戦が行われた大会7日目、ようやく赤土の王者がパリに戻ってきたようだった。1回戦、2回戦とノーシード相手に苦戦を強いられていた第1シードのラファエル・ナダルが、ディフェンディング・チャンピオンらしいプレーで挑戦者を圧倒、改めてその存在感をライバルたちに見せ付けた。また、日没のために順延となっていた第2シードのノヴァーク・ジョコビッチとフアン・マルティン・デル=ポトロの試合は、今季絶好調のジョコビッチがデル=ポトロを圧倒、今シーズン開幕から40連勝を達成した。 女子シングルスでは、第4シードのヴィクトリア・アザレンカ、第6シードのナ・リーらが順当に4回戦に進出している。第1シードのキャロリーン・ウォズニアキと第2シードのキム・クレイステルスが2週目を前に姿を消す波乱の展開となった今大会、全ての選手に優勝するチャンスがあるだけに上位陣のプレーに注目が集まる。 大会8日目は男子シングルスのボトムハーフ4回戦、女子シングルスのトップハーフ4回戦が行われるほか、男女ダブルス3回戦、そしてミックスダブルス2回戦が予定されている。
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第9日
大会9日目見どころ/シングルス8強がついに決定! 男女シングルス4回戦が行われた大会8日目、これまで数々の大記録を達成してきたロジャー・フェデラーが、新たな歴史をテニス界に刻み付けることとなった。同胞の後輩であるスタニスラス・ワウリンカを迎え撃ったフェデラーはこれをストレートで撃破、グランドスラム28大会連続となるベスト8進出を決めた。これはジミー・コナーズの記録を抜き歴代1位となり、長年テニス界に君臨してきたフェデラーがまたしても金字塔を打ち立てたことになる。 女子シングルスでは、19歳の新鋭、アナスタシア・パブリュチェンコワが第3シードのベラ・ズヴォナレーワをフルセットで撃破。この結果、女子はトップ3がベスト8を前に全員が姿を消すこととなる。これはオープン化以降でグランドスラム史上3度目の珍事となり、今大会では史上初の出来事となった。 大会9日目は男子シングルスのトップハーフ4回戦、女子シングルスのボトムハーフ4回戦が行われるほか、男子ダブルス3回戦と女子ダブルス準々決勝、そしてミックスダブルス2回戦が予定されている。
女子シングルスでは、センターコート第4試合で第7シードのマリア・シャラポワと第12シードのアグニシュカ・ラドワンスカが対戦する。今大会で優勝すれば生涯グランドスラム達成となるシャラポワにとって、早々にトップ3が敗退したことは宿願を達成するのにまたとないチャンスとなった。そしてラドワンスカにとっては、初のグランドスラム優勝に向けて明るいニュースとなる。両者にとってチャンスとなるベスト8進出を決めるのは、果たしてどちらだろうか? |
第10日
大会10日目見どころ/ベスト4への切符を手にするのは? 男女シングルス4回戦が行われた大会9日目、ここまでの激戦を勝ち抜いてきた強豪たちが続々とベスト8に名乗りを上げた。男子シングルスでは、間違いなく過去2年間の大会を盛り上げてきた第5シードのロビン・ソデルリングが3年連続のベスト8進出を果たし、ラファエル・ナダルと準々決勝で対戦する事となった。「史上最大の番狂わせ」といわれた2009年はソデルリング、翌2010年はナダルの劇的な復活優勝、そして2011年、この両者の対決は今大会の一つの山場となるだろう。 女子シングルスでは、アジアナンバー1であるナ・リーが、中国人選手として史上初となる今大会ベスト8に進出するとともに、全てのグランドスラムでベスト8に進出する快挙を成し遂げた。また今大会で優勝すると生涯グランドスラム達成となるマリア・シャラポワが、2年ぶり5度目のベスト8進出を果たしている。 大会10日目は男子シングルス準々決勝1試合と順延となった4回戦が再開されるほか、女子シングルス準々決勝2試合が行われる。また、男女ダブルス準々決勝とミックスダブルス準々決勝が予定されている。
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第11日
大会11日目見どころ/ついにベスト4が決定! 男女シングルス準々決勝と男子シングルス4回戦が行われた大会10日目、王権復古を目指すロジャー・フェデラーがベスト4に名乗りを上げた。第3シードのフェデラーは、今大会ここまで勝ち残っている選手で唯一、5試合全てをストレート勝ちしており、大会が進むにつれて存在感を増している。また、前日から持ち越されていたシングルス4回戦では、マレーが2セットダウンから見事な逆転勝利でベスト8進出を果たしている。 女子シングルスでは、ディフェンディング・チャンピオンのフランチェスカ・スキアボーネと地元勢のマリオン・バルトリがベスト4進出を決めている。19歳の新鋭、アナスタシア・パブリュチェンコワと対戦したスキアボーネは、第1セットを先取される苦しい展開ながらも、持ち前の闘志溢れるプレーで挽回、2年連続となる準決勝進出を決めた。一方のバルトリは、2009年のチャンピオンであるスヴェトラナ・クズネツォワと一進一退の攻防を制し、ストレート勝ちを収めている。 大会11日目は男女シングルスの準々決勝が行われる。またダブルスでは、日没ため中断し順延となった男子ダブルス準々決勝が再開されるほか、女子ダブルス準決勝とミックスダブルス準決勝が行われる。
この他の試合では、今日から開幕する車いすテニス部門の男子シングルスに国枝慎吾が登場する。 |
第12日
大会12日目見どころ/女子ファイナルへ勝ち進むのは誰だ! 男女シングルス準々決勝が行われた大会11日目、ついに今大会の頂点を争う4人の強者が出揃った。男子シングルスでは、第1シードのラファエル・ナダルと第3シードのアンディ・マレーがラスト4に名乗りを上げた。ナダルは、今大会で唯一の黒星をつけられた第5シードのロビン・ソデルリングと対戦。接戦になると予想された試合であったが、ナダルが一方的な強さで勝利、通算6度目となるベスト4進出を決めた。一方のマレーは、ノーシードのフアン・イグナシオ・チェラにストレートで勝利している。この結果、男子シングルスではトップ4シードがベスト4となり、文字通り世界最高峰の4人が頂点を目指すこととなった。 女子シングルスでは、第6シードのナ・リーが第4シードのヴィクトリア・アザレンカをストレートで撃破、苦手とされていたクレーコートでのビッグタイトルにまた1歩近づいた。そのリーと準決勝で対戦するのは、第9シードのシャラポワとなった。シャラポワはこの日、難敵アンドレア・ペトコビッチを圧倒し自身2度目となるベスト4進出を決めている。グランドスラム3勝を誇るシャラポワは、今大会で優勝すれば生涯グランドスラム達成となる。 大会12日目は女子シングルスの準決勝が行われるほか、男子ダブルス準決勝2試合とミックスダブルス決勝が行われる。
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第13日
大会13日目見どころ/ファンタスティック4 女子シングルス準決勝が行われた大会12日目、今年の赤土の女王の座を争う2人が出揃った。最初に決勝への切符を手に入れたのは、第6シードのナ・リー。グランドスラム3勝を誇るマリア・シャラポワをストレートで下し、中国勢で初となる今大会決勝進出、さらに全豪オープンに続いて2大会連続となるメジャー決勝の舞台に立つ。 続いて行われた第2試合では、ディフェンディング・チャンピオンである第5シードのフランチェスカ・スキアボーネが、ホームを大声援を受ける第11シードのマリオン・バルトリを見事に撃破、30歳での決勝進出を果たしている。 そしてミックスダブルス決勝では、ノーシードから勝ち上がってきたキャシー・デラクア/スコット・リプスキー組がトップシードペアを接戦で下し、見事に初タイトルを手に入れている。 大会13日目は男子シングルスの準決勝が行われるほか、女子ダブルス決勝が行われる。
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第14日
大会14日目見どころ/女子の頂点に立つのは? 男子シングルス準決勝が行われた大会13日目、最高の4人が集った準決勝を勝ちあがったのは、今大会6度目の優勝を狙う「赤土の王者」ラファエル・ナダルと、グランドスラム16勝を誇る「絶対王者」ロジャー・フェデラーの2人となった。大会が進むにつれて調子を上げてきたナダルは、3回戦で負った足首の怪我をものともせず勝ち進んできた第4シードのアンディ・マレーの挑戦を真正面から跳ね除け、2年連続6度目の決勝進出を果たした。 一方のフェデラーは、今大会の本命の一人、今シーズン始まってからパーフェクトレコードを続ける第2シードのノヴァーク・ジョコビッチとの壮絶な打ち合いを制し、生涯グランドスラムを達成した2009年以来となる決勝進出となった。 そして女子ダブルス決勝では、アンドレア・フラヴァコバとルーシー・フラデカのチェコ出身ペアがノーシードから勝ち上がり、見事タイトルを獲得した。 大会14日目は女子シングルス決勝と男子ダブルス決勝が行われる。 ついに赤土の女王を決めるときがやってきた。この決勝の舞台に勝ち進んできたのは、ディフェンディング・チャンピオンである第5シードのフランチェスカ・スキアボーネと、全豪オープンに続き2大会連続となる決勝進出を果たした第6シードのナ・リー。若手の台頭が目立つ女子テニスにおいて、30歳のスキアボーネと29歳のリーというベテラン同士のグランドスラム決勝となった。
今年の全豪オープンでアジア勢初となる決勝進出を果たしていたリーは、苦手とされていたクレーコートでありながらも前哨戦で好成績を残し、そして今大会で決勝進出の快挙を成し遂げている。しかも、準々決勝では第4シードのヴィクトリア・アザレンカ、そして準決勝ではメジャー3勝のマリア・シャラポワを下しており、どんなトップ選手とも対等以上の実力があるのは証明されている。自身2度目となるグランドスラム決勝で、快挙達成を目指す。 両者の対戦成績は2勝2敗と五分となっているが、昨年の今大会3回戦での対戦はスキアボーネがストレートで勝利している。 |
第15日
大会最終目見どころ/宿命の対決 女子シングルス決勝が行われた大会14日目、クレーコートは苦手を言われながらも今大会ここまで快進撃を続けてきた第6シードのナ・リーが、ディフェンディング・チャンピオンのフランチェスカ・スキアボーネをストレートで撃破、中国のみならずアジア勢の男女を通じて史上初となるグランドスラム優勝の快挙を成し遂げた。この優勝により、リーはクルム伊達公子に並ぶ世界ランク4位になることも決まった。 男子ダブルス決勝では、第2シードのマックス・ミルニ/ダニエル・ネスター組がフルセットの接戦を制しタイトルを獲得、ペアとしては初となるビッグタイトルとなった。 そして大会最終日は、男子シングルス決勝が行われる。 やはりこの2人なのか。今大会の男子シングルス決勝に勝ち進んできたのは、第1シードのラファエル・ナダルと第3シードのロジャー・フェデラーと、この数年の男子テニス界を支配してきた2人となった。この両者が今大会の決勝で対戦するのは、2008年以来4度目となる。互いに互いを高めあい、スポーツ界史上で最高のライバルといわれた2人が、数々の激闘の舞台となってきたフィリップ・シャトリエで再び相まみえる。
一方のフェデラーは、ここ数年ぶりにトップ2ではないポジションでグランドスラムに出場、一時は優勝争いの話題に登場しないこともあった。しかし、準々決勝までの全試合をストレートで勝利するなど、その実力は健在であることをアピールしていた。そして準決勝、今季ここまで無敗を続け、今大会の優勝候補の筆頭であったノヴァーク・ジョコビッチとの壮絶な打ち合いを制し、堂々の決勝進出を決めた。 これまでテニスの歴史に残る数々の名勝負を繰り広げてきたナダルとフェデラーの対戦成績は、16勝8敗でナダルがリード、さらにクレーコートではナダルの10勝2敗、グランドスラム決勝でもナダルの5勝2敗と、過去の記録ではナダルがフェデラーを圧倒している。 |
全仏オープン2011 総括
総括
やはり王者は王者だった。連勝街道を突き進むノヴァーク・ジョコビッチの快進撃に注目が集まった今大会、決勝の舞台に勝ち上がってきたのはラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーだった。今大会の決勝では通算4度目となるチャンピオン同士の激闘を制したナダルが、ビヨン・ボルグに並ぶ通算6度目の優勝を達成。大会前は不安説もささやかれていたナダルであったが、そんなことを払拭する強さで王者は健在であることを証明した。
女子ダブルスでは、アンドレア・フラヴァコバとルーシー・フラデカのチェコ共和国出身の2人が、ノーシードから勝ち上がり見事にビッグタイトルを獲得している。これまでのグランドスラムでは準々決勝にすら進出したことがなかった2人だが、今大会では並居るシード勢を撃破すると、決勝ではストレート勝ちで優勝を決めた。 ミックスダブルスでは、キャシー・デラクアとスコット・リプスキーの2人がノーシードからタイトルを獲得した。今大会で初めてペアを組んだ2人であったが、優勝後の記者会見の場でウィンブルドンにも同じペアで出場することを宣言している。
女子では、クルム伊達公子、波形純理が1回戦で敗退する中、森田あゆみが2回戦に進出した。2回戦ではヤニナ・ウィックマイヤーにストレート負けを喫したものの、全豪オープンに続いて2大会連続となる初戦突破となり、今後の活躍に期待させてくれる内容だったことは間違いない。 車いすテニスでは、絶対王者である国枝慎吾が準決勝でまさかの敗退、メジャー大会での連勝記録を途切れさせている。 |