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シングルス編

Vol.2 プレイの柱になるショットを作ろう シングルス編 下巻

安定した セカンドでも使える スピンサーブ

③ 緩く打つ練習で球筋を安定させる

前ページまでで技術的なポイントについて解説してきたが、フォアハンドの場合と同様、ここから先の練習、そして習熟が大切になる。

ラケットの動きを意識しながらゆっくり打つ

柱となるスピンサーブで大事になるのは、まず確実に入ることであり、それには自分が狙った所にほぼ数10センチ以内の誤差で打てる能力が必要になる。その力をつけるためには、まずは近い場所から、ラケットの動きを意識しながらゆっくり打つ練習(下図)から始めて、確実なコントロールを身につけていきたい。

そのとき、初めはあまり回転にこだわる必要はない。それよりも、つねに何か的になる物を置き、それを狙って打つことが大切だ(それによって当たりや弾道が安定してくる)。そして、前々ページのようなスウィングができていれば、やがて自然にボールに回転がかかってくるはずだ。あとは精度を高めるだけだが、セカンドとしても使うサーブなので、プレッシャーのかかっていない練習では、9割以上入るようにしたい。

まずはサービスラインから緩いスピンサーブを打つ練習から始めよう。初めは回転量はあまり気にせず、イメージ通りのスウィングで狙った所に正確に打つことを意識しよう。また最初はテイクバックを済ませた(右手を上げた)状態からスタートし、自信がついてきたら通常のテイクバックも入れていく。そして、慣れてきたら徐々に後ろに下がっていくが、うまくいかなくなったら、また近い距離に戻すようにしよう。

近いところからサーブを打つ練習をしていると、ボールを下に向けて打つ場面が多くなり、その状況で回転をかけようとすると、このように面をかぶせるリストワークを使ってしまいやすい。これがクセになると、質の良いスピンサーブは打てないので、短いサーブを打つときには、このような状態にならないように十分注意しよう。

これは白黒写真なのでわかりにくいが、黄色とオレンジのツートーンカラーになったボールで、テニスショップでもよく見かけるものだ。このようなボールを使えば、ボールが回転している様子がよくわかるので、スピンサーブの練習効果をかなり高めることができる。

上の練習を経てベースラインまで下がってきたら、今度は何本でも続けて入れられるように練習していこう。当たりは強くなくても良いので、しっかり腕を振り抜いたサーブで、5球続けて入れられれば(車の免許でいえば)仮免許、10球続けて入れば路上検定が合格。そしてバックサイドだけに10球続けて入れられれば、見事に免許獲得と考えて良いだろう。またデュースサイド、アドサイド交互に1本ずつ打って10球続けて入れるという課題にも挑戦しよう。

N.キーファーのデュースサイドからのスライスサーブ
今回はスピンサーブについて解説したが、確実なコントロールが確保できるなら、人によってはスライスサーブを「柱のサーブ」としても良いだろう。このキーファーのような安定感のあるスライスサーブが打てるようになれば、セカンドでも十分な確実性を維持できるはずだ。
藤原里華のアドバンテージサイドからのスピンサーブ
女子の場合は、男子ほど縦に変化するスピンサーブを打つのはむずかしい。この藤原選手の場合も、回転の質はスピンとスライスの中間的なものだが、スウィングはなかなか力強く、ラケットの動きもよくコントロールされているので、アマチュアの男性の見本としてもお勧めできる。
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「バックハンド・スライス ① まずはテイクバックをチェックしよう」 >>

(テニスジャーナル 2005年3月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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