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全豪オープン2009特集

7/18~7/24

WSファイナンシャル・グループオープン(Western&Southern Financial Group Women's Open)

WTA Tier3 アメリカ、オハイオ州シンシナティ

『シュニーダー、今季2度目の優勝。森上惜しくも準優勝!』

パティ・シュニーダー
今季2勝目のシュニーダー
画像提供:Getty/AFLO

今大会トップ・シードで出場のP・シュニーダー(スイス)がノーシードから勝ち上がってきた森上亜希子(日本)を6-4, 6-0の1時間9分で下し、今季2度目のタイトルを獲得した。
今シーズン最初の大会で優勝を飾り、その後好調を維持してきたシュニーダーは、テニス人生に10個目の栄冠を加えた。「ここでの優勝は自分に取ってとても意味のある優勝だわ。これからUSオープンへ向けての、アメリカのハード・コート・シーズンにかなりの自信になったから。」と、初めてのアメリカ・ツアーでの優勝に、嬉しさが溢れていた。 シュニーダーは第1セットの第1ゲームでいきなり森上にブレークを許したが、続く第2ゲームですかさずブレーク・バックし、それからは一気にリードした。森上も終盤で粘りを見せ4-5まで追いつき、自身のサービスをキープすれば5-5へと並ぶところだったが、再びブレークされ、41分で第1セットはシュニーダーのものとなった。勢いに乗るシュニーダーは、そのままあっさりと第2セットも奪った。
「自分のリズムにハマルと、いつもこんな試合展開。でも、今週の勝ち上がりは厳しかったわ。だって良い選手がたくさん参加してたから。」と、これで今シーズン38勝目を上げ、勝ち数でM・シャラポワ(ロシア)の41勝に次いでL・ダベンポート(アメリカ)と共に2位に付けたシュニーダーは、今大会の感想を付け加えていた。
ランキング72位で参加した森上は、2回戦で第2シードのV・ズヴォナレーワ(ロシア)、準決勝では第4シードのD・ハンチュコバ(スロバキア)を下して自身初めての決勝戦へ進出した。決勝まで1セットも落とさない快進撃を続けて来たが、決勝戦ではストレートで敗れてしまった。「シュニーダーは素晴らしいテニスをしていた。とても攻撃的で、終始試合をコントロールしていた。色んなショットを上手く織り交ぜて、特にバックへの高いバウンドのボールには苦労させられたわ。」と、決勝戦を振り返ってシュニーダーの試合巧者振りを語っていた。これでランキングも60位へと浮上し、昨年9月に記録した自己最高位の51位へと近づいた。
今大会がツアー・デビューとなった15歳のC・ウォズニアキは、ジュニア・ランキングでは日本の森田 あゆみ(日本)の格上で最高のライバルだが、ドロー運悪く1回戦でシュニーダーに当たってしまい、デビュー戦を勝利で飾れなかった。
日本勢では、中村 藍子(日本)と第6シードで出場の杉山 愛(日本)がいずれもフルセットの末2回戦で姿を消した。予選には岡本 聖子(日本)と布田 涼子が参加したが初戦で敗れ本戦出場には至らなかった。
ダブルスでは、第3シードのL・グランビル(アメリカ)&A・スピアズ(アメリカ)組が第1シードのK・ペシュキ(チェコ共和国)&M・E・サレルニ組を3-6, 6-2, 6-4の1時間55分で下し、このペアーでの4度目の大会で初優勝を手にした。決勝で第1シードを下す前には準決勝で第2シードも破っており、グランビルはこれがツアーでの嬉しい初優勝で、スピアズは3度目のダブルス・タイトルとなった。

パレルモ国際女子 (Internazionali Femminili Di Palermo)

WTA Tier4 イタリア、パレルモ

『メディーナ=ガリゲス、今大会3度目の優勝。』

アナベル・メディーナ=ガリゲス
同大会3勝目のメディーナ=ガリゲス
画像提供:Getty/AFLO

1週間後に23歳の誕生日を控えた第3シードのA・メディーナ=ガリゲス(スペイン)が、第5シードのK・クーカロバ(チェコ共和国)に対し、第1セットで2-4とリードされてから10ゲームを連取するという集中力の高さを見せ、結果6-4, 6-0で勝ち、自身4度目のタイトルを獲得した。
2001年と2004年にも優勝して、この大会には相性の良いメディーナ=ガリゲスは「パレルモの大会は、自分にとって最高の大会なの。地元のようだわ。でも決勝戦は決して楽な展開ではなかった。」と試合を振り返った。
ランキング30位の彼女は、スペイン人の中で現在最高位に位置している。「スペイン人の中で1位なのは嬉しいけど、C・マルティネス(スペイン)A・サンチェス=ビカリオ(スペイン)が今でも最高の選手。彼女達は18年間もトップ選手だったんだから。でも、このパレルモでは、1度も優勝してないけどね。」と、偉大な先輩を称えつつ、自身が成し遂げた3度目の優勝をおどけながら自慢しているようだった。
クーカロバは、今年のウィンブルドンの前哨戦で初優勝を上げるまで、実に5回も決勝戦で敗れていた。今年2度目の決勝で2度目の優勝を上げたかったが、力及ばず準優勝の数をまた増やしてしまった。「決勝へ進めた事は嬉しいわ。メディーナ=ガリゲスが良すぎたし、自分も疲れが出てしまった。4-2からの彼女のプレーは素晴らしいの一言。でも、今年は初優勝もできたし、こうして決勝にも来れて、これからアメリカでのツアーへの励みになるわ。」と、前向きなコメントを残していた。
ダブルスは、ノーシードのG・カソーニ&M・コリツェワ組が第4シードのK・ヤンス&A・ロソルスカ組を4-6, 6-3, 7-5で下し、ツアー大会では初めてのペアーで出場し、初優勝を上げた。カソーニはこれが3度目のダブルス優勝で、コリツェワはこれが初優勝となった。

メルセデス・カップ (Mercedes Cup)

ATP International Series Gold ドイツ、シュツゥットガルト

『ナダル、クレーでは無敵の8タイトル目!』

ラファエル・ナダル
もはやクレーでは敵無しのナダル
画像提供:Getty/AFLO

トップ・シードの19歳、R・ナダル(スペイン)が第3シードのG・ガウディオ(アルゼンチン)を6-3, 6-3, 6-4の2時間41分で倒し、今季8度目、自身9度目の優勝を手にした。
今季、特にクレーでは手が付けられないほど絶好調のナダルは、ガウディオとの対戦も最初の3試合は落としているが、最近の2試合はいずれも勝ち取っている。この日の決勝も、ストレートではあったが、クレーの王者対戦にふさわしく、各セット、各ゲームで好プレーの続出だった。「今日は本当に良いプレーができたよ。ガウディオはすごく良いプレーヤーだから、厳しい試合になるとは思っていた。だから1ポイント1ポイント集中して試合をしたよ。今はとても嬉しい。だって優勝した全仏オープンや、バスタードより、この大会でのプレーは更に良くなっていたから。」と、自分でもさらに一回り大きくなったと感じているようだった。
この優勝で、ナダルは50ポイントを獲得し、ATPのチャンピオンズ・レースでは依然2位だが、先週のR・フェデラー(スイス)に次いで年末のマスターズ・カップへの出場が早くも決定した。ナダルはこれでクレーでの連勝も34へ伸ばしたが、さらに上を目指している。
「マスターズ・カップに出場するのが夢だった。これで自分が世界のトップ8に入ったってことだね。今年の初めはトップ15が目標で、3ヶ月後にはトップ10とマスターズ・カップへの出場が目標だった。それを達成した今の目標は、今年の年末を2位で終わることと、ハード・コートでのプレーのレベルを上げることだ。これからの1試合1試合自分を高める必要があるね。」
ナダルは1975年のM・オランテス(スペイン)以来、年間に8タイトルを獲得した初めてのスペイン人となった。エントリー・ランキングでも2位へ浮上し、B・ベッカー(ドイツ)B・ボルグ(スウェーデン)に次いで10代で2位になった3人目の選手となった。
準優勝のガウディオは、今大会3度目の決勝進出で初タイトルを狙っていたが、ナダルの前に涙を呑んだ。「自分としては、満足するプレーはできていたけど、ナダルを攻略する方法が終始つかめなかった。本当に強い選手に負けたんだ。彼は真のチャンピオンさ。クレーで何連勝か分からないけど、8回も優勝したんだろう。クレーでの彼は本当に敵なしだ。」と、全力を尽くしたが、ナダルの強さの前に歯が立たなかったことを素直に認め、その強さを語っていた。
その他、ノーシードながらJ・ニエミネン(フィンランド)が健闘しベスト4へ勝ち上がった。2回戦では第10シードのJ・メルツァー(オーストリア)、3回戦でも第6シードのJ・ノヴァーク(チェコ共和国)といずれもフルセットで下しての勝ち上がりで、準決勝ではナダルにストレートで敗れるも、充実した大会となった。
ダブルスの決勝は4人中3人がアルゼンチン出身の顔ぶれとなった。優勝したのは、J・アカスーソ(アルゼンチン)&S・ピエトロ組で、M・オード(アルゼンチン)&T・ロブレド(スペイン)組を7-6(7-4), 6-3の1時間27分で退け、アカスーソはこれが自身2度目、ピエトロはこれが5度目のダブルス・タイトルとなった。

RCAチャンピオンシップ (RCA Championships)

ATP International Series アメリカ、インディアナナ州インディアナポリス

『ジネプリ、シード勢をなぎ倒して優勝。』

ロビー・ジネプリ
シード勢を次々に下したジネプリ
画像提供:Getty/AFLO

R・ジネプリ(アメリカ)が地元アメリカでのハード・コート・ツアーの初戦で嬉しい優勝を果たした。
ノーシードで出場のジネプリは、第4シードのT・デント(アメリカ)と決勝で対戦。この日はコート上の気温が48度にも上がる猛暑。第1セットはデントが取ったが、次第に暑さにやられ第3セットでは遂に棄権し、結局4-6, 6-0, 3-0でジネプリが勝利した。
「彼のエネルギーが次第に切れてきたのは手に取るように分かった。友達の苦しむ様子を見るのは辛いし、こんな優勝の仕方は本当はしたくなかった。とは言え、僕が優勝できたのは、フィットネス・コーチの元に重ねてきたマイアミでのトレーニングの成果だと実感している。」と、『暑さ』対策もできていたようだ。
1992年にP・サンプラス(アメリカ)J・クーリア(アメリカ)を下した決勝以来の、アメリカ人同士の決勝戦となった今年の大会で、ジネプリは初めてのノーシードからのチャンピオンとなった。
「第1セットを落としても挽回できると信じていた。メンタル・トレーニングを十分に行ってきたからね。この1週間は自分がしてきたことがすべて上手く行ったんだ。昨日は水分を十分取って、今日の試合に備えられることは全てした。万全のコンディションで臨んだ結果さ。」
デントはこれが今季2度目の決勝戦だったが、悔しい結末となってしまった。「第1セットから苦しかった。何とかそのセットを奪って試合をしたけど、それが限界だった。第2セットは、踏ん張ってはいたけど、まったく体が言う事を聞かなかった。本当に残念でならない。時間が経つにつれて、どんどん悪化していった。暑さには慣れているはずだけど、疲労の蓄積もかなりあったからね。」
今大会トップ・シードで出場のA・ロディック(アメリカ)は2回戦からの出場で、D・ツルスノフ(ロシア)に7-6(8-6), 6-7(7-9), 7-6(7-5)と辛うじて勝ったもののいきなり苦戦を強いられる出だしとなった。その後も変調気味で、準々決勝ではジネプリに6-4, 6-7(2-7), 5-7で敗れ、本調子とはいかないプレーで大会を去って行った。
ダブルスでは初めてコンビを組んだP・ハンリー(オーストラリア)&G・オリバー組が、第1シードのS・アスペリン&T・ペリー組を6-2, 3-1と、こちらもペリーの腹痛のために、不戦勝で優勝が決まった。ハンリーはこれが11個目のダブルス・タイトルで、オリバーは4個目のタイトルとなった。

プライオリティ・テレコム・オープン (Priority Telecom Open)

ATP International Series オランダ、アメルスフォールト

『ゴンサレス、今季2度目の栄冠。』

フェルナンド・ゴンサレス
半年振りのツアー優勝を飾った
画像提供:Getty/AFLO

48回を向かえた今大会で、第2シードのF・ゴンサレス(チリ)が、ノーシードながら決勝へ勝ち進んできたA・カイエリ(アルゼンチン)を7-5, 6-3の1時間23分で退け、今季2回目の優勝を手にした。 「この優勝は本当に嬉しいよ。この1週間はとても良いテニスができたし、1セットも落とさずに優勝できるなんて最高さ。」と、その喜びを語るゴンサレスは、これが自身11回目の決勝戦で6度目の優勝だった。
昨年は決勝へ進みながら準優勝に甘んじていた。「第1セット4-4の時にブレークされてリードを許したけど、幸いにもそこから自分へリズムが向いてきた。去年は準優勝だったけど、こうして今年は優勝を物にした。この大会は相性が良い大会だなって思うよ。」と、2年連続の好成績を喜んでいた。
カイエリはこれが自身6度目の決勝戦だったが、2度目の優勝とはいかなかった。初タイトルは2003年2月で、決勝へ進んだのは昨年の2月以来だった。3週間前に2ヶ月間の怪我での休養からカムバックしたばかりで、「今日の結果にはがっかりはしていない。敗れた相手がゴンサレスと言う素晴らしい選手だからね。2ヶ月間、ツアーから離れてからのこの結果には大満足だし、自信も付いたよ。」と、復調ぶりを感じ取っていた。今年は2月にベスト4へ入ったのがこれまでの最高の成績だっただけに、この準優勝は彼にとって、有意義なものとなった。
ノーシードで出場のI・ミナール(チェコ共和国)は準々決勝で第1シードのM・プエルタ(アルゼンチン)を6-2, 5-7, 7-6(7-4)で競り勝ち見事準決勝へ進出したが、好調を続けるカイエリに4-6, 4-6で敗れてしまった。
ダブルスでも決勝へ進んだゴンサレスは、N・マス(チリ)とのアテネ五輪金メダル・ペアーで第1シードで臨んだが、ダブル優勝とはいかなかった。第4シードのM・ガルシア&L・オルナ(ペルー)組が6-4, 6-4で勝利を物にし、このペアーで今季3度目の決勝戦で初優勝を獲得した。ガルシアはこれが4度目のタイトルで、オルナはこれが初めてのダブルス優勝だった。ゴンサレスは、シングルス、ダブルスともに決勝へ進んだのは今回が初めてで、3度目のダブルス優勝を狙ったが届かなかった。

各ブランドも色んな戦略を考えるわね!

アンドレ・アガシ
アディダスとの新規契約に至ったアガシ
画像提供:Getty/AFLO

A・アガシ(アメリカ)がナイキからアディダスへスポンサーを替えたのは、大きなニュースになったわよね。アディダス、そう奥さんのS・グラーフ(ドイツ)も現役の時以来今現在も契約しているブランド。表向きは、アガシの財団へも協力するってことで、アガシが二つ返事で契約へ踏み切ったってなってるけど、アディダスも十分先を見越しているはずよ。だって、これでアガシ・ファミリーをしっかり掴んだわけじゃない?二人の子供はいわゆるテニス界では金の卵。この先化けること間違いなしって踏んでるんじゃないかしら?そうなれば、アディダスを使用するのは当然だもの。でも、グラーフがアディダスからナイキへ行かないで、アガシがナイキからアディダスへ行ったのは・・・奥さんの力の凄さなのか、先を見据えたアディダスの戦略上手なのか。ま、アディダスが微笑むかは10年後に結果が出るかしらね。

A・ロディック(アメリカ)が新しくバボラの靴を履くそうよ。バボラはフランスのタイヤ・メーカーのミシュランとの共同開発で、独自のゴムの素材を生かした靴を作って、プレー・スタイルや、サーフェースにあった靴を開発したそうな。来月末のUSオープンに合わせて全米でセールスを始めるそうよ。日本じゃまだラケットくらいしか馴染みがないけど、最近良いラケットを作って力を入れていると思ったら、靴に進出ですか。しかも、ロディックを使って全米デビューなんて、御見それしました!

RCAチャンピオンシップの決勝で、途中棄権しちゃったT・デント(アメリカ)は、今年もう4回目の試合途中の棄権だったの。実は決勝を争ったR・ジネプリ(アメリカ)とデントはしばらく同じコーチに指導を受けてたんだけど、そのコーチは今はジネプリだけを指導しているの。デントと別れた理由を、多くは語っていなかったけど、肉体的にも精神的にも鍛えようとしたコーチに対して、デントはオフ・コートでのトレーニングを好まなかったらしいの。今では数少なくなっているサーブ&ボレーヤーのデントは、P・サンプラス(アメリカ)を崇拝しているみたいなんだけど、何を勘違いしたか練習方法もサンプラス方式ってことで、つまり長いトレーニングをしなかったとか。その結果が今回の決勝では明らかに顔をのぞかせたわけね。これで心機一転しなかったら、彼の将来も無いわね~。

さて、お伝えしておりました、ワールド・チーム・テニスの予選リーグが終了しました。先週はM・ヒンギス(スイス)はお休みで出場してなくて、V・ウィリアムズ(アメリカ)とかM・ナブラチロワ(アメリカ)とかが頑張ってましたね。特にナブラチロワ様は、所属のボストン・ロブスターズでは、シングルス3勝1敗、ダブルス3勝1敗、ミックス4戦全勝と、大車輪の活躍で、混戦のイースタン・リーグで見事2位になり準決勝進出の立役者となりました。1位はヒンギス率いるニューヨーク・スポーツタイムス。ウェスタン・リーグでは優勝がA・クルニコワ(ロシア)所属のサクラメント・キャピタルズで2位がM・シャラポワ(ロシア)のいるニューポート・ビーチ・ブレーカーズでした。9月に行われる準決勝&決勝ラウンドへそれぞれ進出が決まりました。ツアー以外でも暑い戦いが繰り広げられてるのね~!

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