ドーピング違反により2年間の出場停止処分を下されている女子テニスで元世界ランク1位の
M・シャラポワ(ロシア)は、その処分を不服として控訴しているが、判決を下されるのが9月まで延期となったことが明らかになった。そのため、8月に開催されるリオデジャネイロ・オリンピック出場の可能性は消滅した。
スポーツ仲裁裁判所(CAS)は11日、シャラポワと国際テニス連盟(ITF)が当初18日に予定していた判決を9月に延期することで合意したと語った。
スポーツ裁判所の最高峰であるCASは、両者が今回の事案に対する準備として、より時間を有すると語っており、加えてスケジュールの不都合も引き合いに出していた。
判決は9月19日へ延期となった。
5度のグランドスラム優勝を持つシャラポワは、1月に行われた全豪オープン期間中に受けたドーピング検査で、禁止薬物であるメルドニウムの陽性反応が出た。そのため、ITFから2年間の出場停止処分が下された。シャラポワはその処分を不服とし、処分の撤回や減刑を求め、先月控訴していた。
シャラポワもITFも迅速な決断への手続きで合意していたために、CASは今月判決を下すことになっていた。もし当初の予定で今回の処分が無効とみなされた場合、シャラポワは8月に開催されるリオデジャネイロ・オリンピックへの出場が可能となるはずだった。
また判決が9月へと延期されたことで、8月29日から9月11日まで行われる今季最後のグランドスラムである全米オープン出場の可能性も消滅した。
「両者がお互いの証拠資料の提出や調査の完了へ更なる時間を要求したことや、スケジュールの不都合を受けて、迅速な判決でなくても良いとする決断に合意することとなった。」とCASは声明で述べていた。
シャラポワは全豪オープンの各試合ごとにメルドニウムを摂取していたことを認識していた。彼女はミルドネートとも言われるメルドニウムが世界反ドーピング機構(WADA)によって今年の1月1日から禁止薬物に新たに指定されたことに気付かなかったと語っていた。
ITFによって選ばれた3人の陪審員によって行われた裁判では、シャラポワが故意にメルドニウムを使用したのではないと認められた。なぜなら、彼女はメルドニウムが禁止されたことを知らなかったからである。
しかし、彼女は個人の責任を負わなければならず、陽性反応が出た事実に対しては明らかな過失が認められると判断された。
シャラポワ曰く、主に心臓疾患のために用いられるメルドニウムを最初は2006年に健康上の理由で処方されたと語っている。
彼女の処分がそのまま執行された場合、2018年の1月25日に終了する。つまり、その期間ではオリンピックに加えて8度のグランドスラムも出場出来ないことになる。
(STATS - AP)
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