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テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会8日目の24日、男子シングルスのトップハーフ4回戦が行なわれ、ノーシードから勝ち上がってきたA・ドルゴポロフ(ウクライナ)が第4シードのR・ソデルリング(スウェーデン)を1-6, 6-3, 6-1, 4-6, 6-2のフルセットで破り、ベスト8に進出する番狂わせが起きた。
22歳のドルゴポロフは、3回戦では第13シードのJW・ツォンガ(フランス)にフルセットで勝利していた。
ウクライナ出身の選手がグランドスラムで好成績を残したのは、1995年の全豪オープンでのA・メドウェデフ(ウクライナ)以来となる。元世界ランク4位のメドウェデフのコーチングスタッフの一人は、ドルゴポロフの父親であった。
当時、まだ幼かったドルゴポロフであったが、父親とともにツアーを回る生活をしていた。
試合後のオンコートインタビューで、J・クーリア(アメリカ)は「彼が3歳の時に、ツアーにやってきたんだ。僕らが練習したあと、君は父親かメドウェデフと一緒にコートにやってきて、サービスラインからラリーをしていたね。君はミスをしなかった。本当に迷惑だよ。」と、ドルゴポロフにジョークで祝福した。
ドルゴポロフによれば、プレイヤーズラウンジで遊びまわっていた記憶もあり、そこではスター選手のようにサインを書くふりをする遊びがお気に入りだったという。また、メドウェデフをはじめ、元世界ランク1位のT・ムスター(オーストリア)やオリンピック金メダリストであるM・ロセともコートに立ったこともあるという。
幼少期よりトップ選手に囲まれた生活を送っていたドルゴポロフは、それらの選手とテニスをプレーし、彼らのスタイルを混ぜ合わせることにより、現在のようなプレースタイルを完成させたと推測される。
実際に苦杯を舐めさせられたソデルリングは「彼は良い選手だよ。彼は素晴らしいバックハンドを持っているし、動きもとても良いね。素晴らしいカウンターもある。力を発揮する良いチャンスがあったと思う。」と、ドルゴポロフについて述べている。
グランドスラムにはわずか4度目の挑戦ながらも、ベスト8進出を果したドルゴポロフは、第5シードのA・マレー(英国)と準々決勝で対戦する。マレーは第11シードのJ・メルツァー(オーストリア)を6-3, 6-1, 6-1で下してのベスト8入り。
昨年の準優勝者であるマレーであるが、ドルゴポロフについて「対戦すると奇妙な感じになる。とてもファンキーなんだ。全くオーソドックスじゃないし、とても風変わりだね。タフな試合になると思うよ。」と警戒していた。
昨シーズンは世界ランキングを83位も上昇させ、トップ50でシーズンを終えていたドルゴポロフは、もし準々決勝でマレーに敗れたとしても、大会後に発表されるランキングで34位になる予定だ。
この他の試合では、ナイトセッションに登場した第1シードのR・ナダル(スペイン)が第15シードのM・チリッチ(クロアチア)に6-2, 6-4, 6-3のストレートで勝利している。
今大会に優勝すればグランドスラム4連勝となるナダルは、準々決勝で同胞のD・フェレール(スペイン)と対戦する。第7シードのフェレールは、予選から勝ち上がってきたM・ラオニクを4-6, 6-2, 6-3, 6-4で下し、ベスト8入りを決めている。
今大会の直前に体調不良に苦しめられていたナダルは、ここまでの試合ではウィルスのせいで普段以上の汗をかいていたが、もうその心配は必要なさそうだ。
勝利後のオンコートインタビューでナダルは「今晩はそれほど汗をかかなかったので満足しています。これまでの2日間は、狂ったように汗をかいてしまいましたし、試合をすると、普段以上に疲労を感じていました。今日は初めて体調が完璧と感じました。だから、それが一番大事なことなのです。」と力強くコメントしている。
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