テニスのウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は7日、男子シングルス3回戦が行われ、第2シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が世界ランク88位の
S・ワウリンカ(スイス)を6-3, 6-1, 7-6 (7-5)のストレートで破り、15度目の16強進出を果たした。会見では「僕らは一歩も譲らなかった」と試合を振り返った。
>>ジョコビッチ、アルカラスらウィンブルドン組合せ<<ウィンブルドンで5連覇と8度目の優勝を狙う36歳のジョコビッチ。今大会は1回戦で世界ランク68位の
P・カチーン(アルゼンチン)、2回戦で同70位の
J・トンプソン(オーストラリア)をストレートで下して3回戦に駒を進めた。
この試合の第1セット、ジョコビッチは第2ゲームで3度のブレークポイントを逃す。それでも第6ゲームで再びブレークポイントを握ると、最後は長いラリーを制しこの試合最初のブレークを果たす。このリードを守ったジョコビッチがこのセットを獲得する。
続く第2セット、ジョコビッチは序盤からミスをほとんどしないプレーを披露し3度のブレークに成功。ワウリンカにわずか1ゲームしか与えず30分でこのセットも獲得し、2セットアップとする。
迎えた第3セット、両者キープを続けるとこのセットはタイブレークに突入する。この時点で時刻は22時30分を超えており、タイブレークの結果次第では翌日に順延になる可能性があった。ジョコビッチは一時リードを許したものの逆転に成功してベスト16進出を決めた。試合を通じてジョコビッチはワウリンカに1度もブレークポイントを与えない快勝となった。
試合後の会見でジョコビッチは「最初の2セットは楽しめた。その後はちょっと劇的だった。僕は少しレベルを落としたと思うけど彼(ワウリンカ)はレベルを上げた。観客もノリノリだったね。門限が迫っているのを感じたよ(笑)。コートに入るとき、2人とも3セットまでが限界だとわかっていたからね。最後まで戦うには、どちらかがストレートで勝たなければならなかった。それが僕でよかったよ」とコメントした。
「2セットを終えた時点ではすべてが素晴らしいものに見えた。さっき言ったように、彼はそこから自分のプレーを高めた。何度もグランドスラムで優勝しているし、何度もこのような場面で戦ってきた選手だ。2度グランドスラム決勝で僕を破っている。だから、彼はこのような状況でのプレー経験が豊富なんだ。第2セットの後、彼がこのまま諦めることはないだろうと思っていたよ」
「彼は変わろうとして、実際違う選手になって戻ってきた。僕らは一歩も譲らなかった。タイブレークで試合を終わらせたのはフェアだったと思うよ」
また、ジョコビッチは自身の適正体重やテニス選手として試合を行う難しさにも言及した。
「今よりも、あるいは数年前よりもスリムになるのは難しいよ。僕はとてもスリムな時期があった。胃に問題があったりして、それに対処しなければならなかったんだ。でも、今はとてもいい気分だよ。体重の面では、今は最適な体重だと思う。でも、それは表面的なことだ。体重以外にも重要な要素はたくさんある。ダイナミックさ、パワフルさ、柔軟性と組み合わせる必要があるから」
「テニスはこのように非常に複雑なスポーツだ。選手にはこれらすべての特徴、いわば身体的特徴の間で、本当に素晴らしいバランス、最適なバランスを持つことが要求される。そして、僕らはみんな違う。体型もみんな違う。僕は若い頃から常に柔軟性を鍛えてきた。これは非常に重要なことだと教えられた。予防にも力を入れている。実際に練習コートに入る前に、数時間たくさんの仕事をするんだ」
「それが役に立っていると思う。キャリアを延ばすのに役立つんだ。最高のレベルで戦えるようになる。けがを防ぐのにも役立つ。今の僕の年齢の他の選手を見ていると、キャリアの後半で大きなけがをするのは、体の消耗が激しいだけに、ある意味予想されることなんだ。でも、幸運なことに、僕の場合大きなものは1度だけで、肘の手術で1年近くサーキットから遠ざかった。それ以外には、筋肉の断裂やけがもあったが、この20年間のキャリアの激しさと試合数を考えれば、おおむね健康でいられているね」
4回戦では第17シードの
H・フルカチュ(ポーランド)と対戦する。フルカチュは3回戦で第14シードの
L・ムセッティ(イタリア)をストレートで下しての勝ち上がり。
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