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2011年見所

画像:getty

2011年の見どころ

今年もチャンピオン・オブ・チャンピオンズを目指す8人のエリートたちがロンドンに集結、世界最高峰のプレーで栄冠を目指す。今季は序盤から現世界ランク1位のノヴァーク・ジョコビッチの快進撃に沸いた男子ツアーであったが、後半は混戦の様相を呈しており、誰もが優勝するチャンスがあるといっても過言ではない。

8人の出場選手を4人ずつ2つのグループに分けて行われるラウンドロビン。グループAはノヴァーク・ジョコビッチを筆頭に、アンディ・マレー、ダビド・フェレール、そしてトマス・ベルディフの4人で争われる。

グループAで最も注目を集めるのは、世界ランク1位のジョコビッチで間違いないだろう。今季はグランドスラム3勝を含む10大会でタイトルを獲得するなど、「第3の男」と呼ばれていたのが懐かしいと思えるくらいの大活躍だった。今季の通算成績でも69勝4敗(うち2敗は途中棄権)と他を圧倒、本来ならば優勝候補として太鼓判を押されるはずだが、USオープン以降は怪我に悩まされており、その回復具合によっては早期敗退もあり得る。

そうなってくると、アジアで3大会連続優勝を達成したマレーの存在が増してくる。今季のグランドスラムでは4大会すべてでベスト4以上に進出するなど、大舞台でも抜群の安定感を示してきた。もちろん、フェレールやベルディフにも十分にチャンスはある。2人とも今大会に2年連続で出場を果たすなど、実力は申し分ないだけに、どんな番狂わせが起きるか予測不可能だ。

グループBではラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーが同組となり注目を集めている。昨年はグランドスラム3連勝など大車輪の活躍を見せたナダルであったが、今年はその勢いを完全にジョコビッチに持って行かれた。その証拠に、今季は6大会の決勝でジョコビッチと対戦したナダルであったが、その全てで敗れている。直前のパリ大会をスキップして今大会に備えたナダル、今年こそ不退転の覚悟で見せるプレーに注目が集まる。

そのナダルとともにグループBとなったフェデラーは、史上最多となる6度目のツアー最終戦制覇を目指す。今年は2002年以来となるグランドスラム無冠に終わり、ランキングも4位まで落としたフェデラーであったが、地元であるバーゼル大会では決勝で錦織圭を一蹴しタイトルを獲得すると、続くパリ・マスターズでも完璧なパフォーマンスで優勝するなど、12連勝中と絶好調でロンドンに乗り込んできた。

この他にグループBとなったのは、ジョー-ウィルフリード・ツォンガとマーディ・フィッシュの2人。ツォンガは今年のウィンブルドンでフェデラーを2セットダウンから逆転、フィッシュはサーブを軸としたオールラウンドなプレースタイルで初出場を果たすなど、曲者と呼ぶにふさわしい。一瞬の油断が試合の流れを変える今大会。まさに全試合が決勝(ファイナル)クラスのハイレベルであるラウンドロビンを勝ち上がるのは誰だろうか?

大会初日見所

2011年の出場者


大会初日見どころ

いよいよ始まる今年の男子ツアー最終戦。ここ数年の男子ツアーはビッグ4と呼ばれる4人、ノヴァーク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、アンディー・マレー、そしてロジャー・フェデラーが安定した好成績を残し、グランドスラムでも上位を独占しているが、今大会もこれまでと同じ展開になってしまうのか?

それともグランドスラムと違い3セットマッチで行われるだけに、残る強豪たちが一瞬の隙をつき、ビッグ4の牙城に風穴を開けるのか?

とにもかくにも、間違いなく世界最高レベルの選手が集まった今大会。最初から最後までファイナルの名にふさわしい戦いが繰り広げられることだろう。



ラウンドロビン・グループB
ロジャー・フェデラー 6 - 3 JW・ツォンガ
ロジャー・フェデラー 過去の対戦成績 ジョー-ウィルフリード・ツォンガ
シングルスのオープニングマッチに登場するのは、第4シードのフェデラーと2008年以来の出場となる第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガの2人。両者の対戦はなんと今季7度目となる。通算の対戦成績では6勝3敗でフェデラーが勝ち越しているが、今年のウィンブルドン準々決勝ではツォンガが2セットダウンからの大逆転勝ちを演じている。テンションが上がれば上がるほど、その類まれな身体能力でスーパーショットを連発するツォンガに対し、史上最多となる6度目の優勝を目指すフェデラーがどういったプレーを見せるのか注目だ。



ラウンドロビン・グループB
ラファエル・ナダル 7 - 1 マーディ・フィッシュ
ラファエル・ナダル 過去の対戦成績 マーディ・フィッシュ
初日のイブニングセッションに登場するのは、第2シードのナダルと今回が初出場となるマーディ・フィッシュの2人。昨年の決勝ではフェデラーに敗れたものの、これまで苦手とされていた今大会でも勝ち方を掴み始めたナダルに対し、フィッシュはどれだけ思い切ったプレーができるかが勝負の鍵となる。強烈なサーブを軸にオールラウンドなプレーを展開するフィッシュに対し、ほぼ1か月ぶりの試合となるナダルのどういったプレーを見せるか注目したい。両者の対戦成績は7勝1敗でナダルがリードしている。

大会初日結果~大会2日目見所

ロジャー・フェデラー/ラファエル・ナダル

大会初日の結果

今年最後の栄冠を目指し、ロンドンに集まった8人のトップ選手による激戦の火蓋が切って落とされた。

シングルスのオープニングマッチには、史上最多タイ記録となるツアー最終戦5勝を誇るディフェンディング・チャンピオンのロジャー・フェデラーが登場。ジョー-ウィルフリード・ツォンガをフルセットの接戦の末に退け、今大会初戦を勝利で飾った。

この日のナイトセッションでは、ラファエル・ナダルとマーディ・フィッシュが対戦。試合の流れが二転三転する展開のなか、ファイナルセットのタイブレークを制したナダルが3時間近いマラソンマッチに勝利、なんとか1勝目をもぎとった。

ダブルスのラウンドロビンは2試合ともがマッチタイブレークにもつれる接戦となり、第3シードのネスター/ミルニ組がボパンナ/クレシ組に勝利した一方、第2シードのロドラ/ジモンイッチ組が第8シードのフィルステンベルグ/マトコウスキー組に敗れる波乱含みの展開となった。


ラウンドロビン・グループA
アンディ・マレー 5 - 3 ダビッド・フェレール
アンディ・マレー 過去の対戦成績 ダビッド・フェレール
大会2日目の見所

ラウンドロビン・グループAの対戦が行われる大会2日目、地元期待のアンディ・マレーがダビッド・フェレールを迎え撃つ。昨年は準決勝まで進出したものの、ナダルとの激戦に散ったマレーだが、今年はUSオープン以降、3大会でタイトルを獲得するなど好調を維持している。両者の対戦成績は5勝3敗でマレーがリード。マレーの3敗は全てクレーコートでのもので、ハードコートではマレーが5戦5勝とフェレールを圧倒している。



ラウンドロビン・グループA
ノヴァーク・ジョコビッチ 7 - 1 トマス・ベルディフ
ノヴァーク・ジョコビッチ 過去の対戦成績 トマス・ベルディフ
ナイトセッションではノヴァーク・ジョコビッチとトマス・ベルディフが対戦する。シーズン開幕から41連勝を飾り、グランドスラム3勝とシーズンを通してセンセーションを巻き起こしてきたジョコビッチが、大活躍の一年を締めくくる今大会に登場する。ここまでジョコビッチはベルディフに7勝1敗と大きく勝ち越しているが、直前に負傷した右肩の様子が気になるところ。

大会2日目結果~大会3日目見所

ダビッド・フェレール/ノヴァーク・ジョコビッチ

大会2日目の結果

グループAの対戦が行われた大会2日目、盤石と思われていたビッグ4の一角が早くも崩れることとなった。

地元ロンドンの期待を背負って今大会に臨んでいるアンディ・マレーが、ハードコートではこれまで負けなしだったダビッド・フェレールにまさかのストレート負けを喫し、苦しいスタートとなった。怪我で満足なパフォーマンスではなかったにせよ、各セットとも先にブレークするなどチャンスはあっただけに、マレーにとって残念な結果となった。

ナイトセッションでは、世界ランク1位のノヴァーク・ジョコビッチがトマス・ベルディフにフルセットで勝利した。歴史に残るほど好調なシーズンを過ごしてきたジョコビッチにとって、今大会でタイトルを獲得すれば、最高のフィナーレとなる。しかし、その思いとは裏腹にベルディフがセットを先取、ファイナルセットではマッチポイントのピンチもあるなど、薄氷の勝利だった。

ダブルスでは世界ランク1位デュオのブライアン兄弟がメルツァー/ペッツシュナー組をチャンピオン・タイブレークの末に撃破したほか、リンドステッド/テカウ組がインドのベテランペア、ブパティ/パエス組にストレートで勝利している。

ラウンドロビン・グループB
JW・ツォンガ 1 - 0 マーディ・フィッシュ
ジョー-ウィルフリード・ツォンガ 過去の対戦成績 マーディ・フィッシュ
大会3日目の見所

グループBの対戦が行われる大会3日目、デイセッションではジョー-ウィルフリード・ツォンガとマーディ・フィッシュが生き残りをかけて対戦する。ともに初戦で敗退している両者、少しでもベスト4進出の可能性を残すためには、この試合での勝利が必要になるのは十分に分かっていることだろう。両者の対戦は今年のUSオープン4回戦で1度だけあり、その時はフルセットの死闘をツォンガが制している。



ラウンドロビン・グループB
ラファエル・ナダル 17 - 8 ロジャー・フェデラー
ラファエル・ナダル 過去の対戦成績 ロジャー・フェデラー
ナイトセッションではラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーが激突する。昨年の決勝でタイトルを争った両者が、今年はラウンドロビンで早くも対戦することとなった。ともに185cm、85kgながら、しなやかな右腕から放たれる鋭いショットと優雅なプレーで観客を魅了するフェデラー、屈強な左腕から繰り出されるヘビーショットと溢れる闘争心で観客を熱狂させるナダル。テニスだけでなくスポーツ界で史上最高のライバルと評された2人がベスト4の座をかけて対戦する。両者の対戦成績は17勝8敗でナダルがリードしているが、ハードコートでは4勝4敗の五分となっている。

大会3日目結果~大会4日目見所

ジョー-ウィルフリード・ツォンガ/ロジャー・フェデラー

大会3日目の結果

グループBの対戦が行われた大会3日目、開幕前から注目を集めていたライバル対決は、あまりにあっけない展開となった。

デイセッションで行われたシングルスでは、ジョー-ウィルフリード・ツォンガがストレートでマーディ・フィッシュを撃破、ベスト4進出に望みをつなげた。2008年の初出場時にはラウンドロビンで敗退していたツォンガであるが、これで初のベスト4進出も見えてきた。一方のフィッシュは29歳で念願の最終戦デビューを果たしたが、早々にラウンドロビン敗退が決まってしまった。

ナイトセッションでは注目の一戦、ラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーの対戦が行われたが、試合は中盤から一方的な展開となりフェデラーがわずか1時間で勝利、ベスト4一番乗りを決めている。昨年の決勝ではフルセットの激戦を繰り広げた両者であったが、今年はここにきてコンディションを上げてきたフェデラーの圧勝となった。

ダブルスでは2連勝を決めたミルニ/ネスター組が準決勝進出を決めている。残る1枠の行方はまだ決まっておらず、ここまで2敗を喫しているボパンナ/クレシ組にも可能性が残されており、木曜日の結果次第となっている。

またこの日、地元期待のアンディ・マレーが怪我を理由に残りの試合を棄権することを発表している。USオープン後は3大会連続で優勝するなど調子を上げていただけに、残念な結末となった。そして同時に、マレーの代わりとしてヤンコ・ティプサレビッチが出場することとなった。


ラウンドロビン・グループA
トマス・ベルディフ 1 - 4 ヤンコ・ティプサレビッチ
トマス・ベルディフ 過去の対戦成績 ヤンコ・ティプサレビッチ
大会4日目の見所

グループAの第2戦が行われる大会4日目、デイセッションでは初戦を落としたトマス・ベルディフと、補欠出場という幸運を得たティプサレビッチが対戦する。第1戦では世界ランク1位のノヴァーク・ジョコビッチを追い詰めながらも、最後の最後で逆転されてしまったベルディフ。ベスト4進出のためにも、この1戦は落とせない。対するティプサレビッチは、この幸運を生かしたい。両者の対戦成績は4勝1敗でティプサレビッチがリードしている。



ラウンドロビン・グループA
ノヴァーク・ジョコビッチ 6 - 4 ダビッド・フェレール
ノヴァーク・ジョコビッチ 過去の対戦成績 ダビッド・フェレール
ナイトセッションではジョコビッチとダビッド・フェレールが対戦する。お互いに初戦を勝利した同士、この試合にも勝利すれば決勝トーナメント進出に大きく前進となる。両者の対戦成績はジョコビッチが6勝4敗と勝ち越しているが、ジョコビッチの肩の怪我がどこまで回復しているかが勝敗を左右しそうだ。ツアー屈指のリターン力を誇るフェレールを相手に、どこまでジョコビッチがサーブを決められるかがキーポイントとなる。

大会4日目結果~大会5日目見所

トマス・ベルディフ/ダビッド・フェレール

大会4日目の結果

ラウンドロビン・グループAの第2戦が行われた大会4日目、ビッグ4の牙城を崩したのは進化を遂げてきた「第5の男」だった。

アンディ・マレーが怪我で戦線を離脱したグループA。デイセッションで行われたシングルスでは、トマス・ベルディフがマレーの代理で出場したヤンコ・ティプサレビッチにフルセットの逆転で勝利、ベスト4進出の可能性を残した。初戦ではノヴァーク・ジョコビッチを相手に先にマッチポイントがありながらも勝利を逃したベルディフであったが、この日は逆にティプサレビッチにマッチポイントを握られてからの逆転だった。

ナイトセッションでは、初戦でマレーを破ったダビッド・フェレールがジョコビッチをストレートで撃破している。今季ここまで4敗しか喫していないジョコビッチであるが、この日はミスを連発し自滅。対照的にフェレールはチャンスをしっかりと決め、堅実なテニスでジョコビッチを追い詰めた。この勝利により、フェレールのラウンドロビン勝ち抜けが決定。一方で世界ランク1位のジョコビッチは、ベスト4進出に向けて苦しい展開となった。

ダブルスでは2連勝を決めたブライアン兄弟がベスト4進出に向けて一歩リードしたが、最後の第3戦の結果が出揃うまで誰がグループリーグを勝ち抜くのか分からない混戦模様となった。ここまで2連敗を喫しているメルツァー/ペッツシュナー組にも、決勝トーナメント進出の可能性は残されている。

ラウンドロビン・グループB
ロジャー・フェデラー 6 - 1 マーディ・フィッシュ
ロジャー・フェデラー 過去の対戦成績 マーディ・フィッシュ
大会5日目の見所

この試合に勝っても負けてもグループBのトップ通過が確定しているロジャー・フェデラーが、すでにラウンドロビンでの敗退が決定したマーディ・フィッシュと対戦する。今季はアジアシリーズを全て欠場し、6週間の休養をとっていたフェデラーは体調も万全。怪我に悩まされる他の選手をしり目に今大会でも好調を維持している。対するフィッシュは、ツアー最終戦での初勝利を目指す。両者の対戦成績は6勝1敗でフェデラーがリードしている。



ラウンドロビン・グループB
ラファエル・ナダル 6 - 2 JW・ツォンガ
ラファエル・ナダル 過去の対戦成績 ジョー-ウィルフリード・ツォンガ
ナイトセッションはまさに「勝者総取り」となる。ここまでともに1勝1敗としているラファエル・ナダルとジョー-ウィルフリード・ツォンガの2人が、残り1枚となったベスト4へのチケットを奪い合う。ナダルとツォンガといえば、2008年の全豪オープン準決勝でツォンガが勝利した試合が印象的だが、それ後のハードコートではナダルが4連勝とツォンガを圧倒している。両者の対戦成績は6勝2敗でナダルがリードしているが、過去の実績よりも当日のコンディションが勝敗を左右しそうだ。

大会5日目結果~大会6日目見所

ジョー-ウィルフリード・ツォンガ

大会5日目の結果

ラウンドロビン・グループBの最後の試合が行われた大会5日目、ベスト4の座をかけた熾烈な戦いの末に、ついにこのグループを勝ち抜く2人が決まった。

デイセッションで行われたシングルスでは、すでにベスト4進出を決めているロジャー・フェデラーと、すでにラウンドロビンでの敗退が決まっているマーディ・フィッシュが対戦。お互いに消化試合となったが、その内容はトップ10同士の対戦にふさわしくハイレベルな打ち合いとなり、フルセットの末にフェデラーが勝利。3戦全勝でベスト4に進出した。

ナイトセッションではラファエル・ナダルとジョー-ウィルフリード・ツォンガが対戦。勝った方がベスト4進出となるこの試合、序盤からハイレベルな攻防が続き、両者一歩も譲らないままファイナルセットに突入する。勝てばベスト4、負ければ帰国となったファイナルセットでは、ツォンガがナダルから3度のブレークを奪い圧倒、自身初となるツアー最終戦でのベスト4進出を果たしている。

ダブルスでは第3シードのミルニ/ネスター組がロドラ/ジモンイッチ組を破り、3連勝でラウンドロビン勝ち抜けを決めている。また残る1枠は、第8シードのフィルステンベルグ/マトコウスキーが手に入れている。


ラウンドロビン・グループA
ノヴァーク・ジョコビッチ 3 - 0 ヤンコ・ティプサレビッチ
ノヴァーク・ジョコビッチ 過去の対戦成績 ヤンコ・ティプサレビッチ
大会6日目の見所

グループAの最終戦が行われる大会6日目、デイセッションではノヴァーク・ジョコビッチとヤンコ・ティプサレビッチがセルビア勢対決を行う。今シーズンはグランドスラム3勝など輝かしい成績を残してきたジョコビッチだが、USオープン優勝後は怪我もあり調子を落としている。一方のティプサレビッチは、USオープン後のアジアシリーズから爆発、3大会で決勝に進出し、2大会で優勝するなど、一気にトップ10入りを果たしている。ジョコビッチにとって、この試合はベスト4進出のためにも落とせないものとなっている。両者の対戦成績は3勝0敗でジョコビッチがリードしている。



ラウンドロビン・グループA
ダビッド・フェレール 5 - 2 トマス・ベルディフ
ダビッド・フェレール 過去の対戦成績 トマス・ベルディフ
ナイトセッションのシングルスでは、ダビッド・フェレールとトマス・ベルディフが対戦する。デイセッションの結果次第で、ベルディフがベスト4に進出するために必要となる条件が変わってくる。ここまで2連勝のフェレールはすでに決勝トーナメント進出を決めているが、この試合の結果によりグループを勝ち抜ける順位が変わるため、気が抜けない試合となっている。両者の対戦成績は5勝2敗でフェレールがリードしている。



グループAで考えられるシナリオは以下の通り。

・スコアに関係なく、ジョコビッチがティプサレビッチに勝利し、フェレールがベルディフに勝利した場合。フェレールが1位、ジョコビッチが2位でラウンドロビン突破。
・スコアに関係なく、ティプサレビッチがジョコビッチに勝利し、フェレールがベルディフに勝利した場合。フェレールが1位、ジョコビッチが2位でラウンドロビン突破。
・スコアに関係なく、ティプサレビッチがジョコビッチに勝利し、ベルディフがフェレールに勝利した場合。ベルディフが1位、フェレールが2位でラウンドロビン突破。


・ジョコビッチが2セットでティプサレビッチに勝利し、ベルディフが2セットでフェレールに勝利した場合。フェレールが1位、ベルディフが2位でラウンドロビン突破。
・ジョコビッチが2セットでティプサレビッチに勝利し、ベルディフが3セットでフェレールに勝利した場合。フェレールが1位、ジョコビッチが2位でラウンドロビン突破。
・ジョコビッチが3セットでティプサレビッチに勝利し、ベルディフが2セットでフェレールに勝利した場合。フェレールが1位、ベルディフが2位でラウンドロビン突破。
・ジョコビッチが3セットでティプサレビッチに勝利し、ベルディフが3セットでフェレールに勝利した場合。フェレールが1位、ベルディフが2位でラウンドロビン突破。

大会6日目結果~大会7日目見所

ヤンコ・ティプサレビッチ/トマス・ベルディフ

大会6日目の結果

ラウンドロビン最後の試合が行われた大会6日目、ついに今年最後の栄冠を争う4人の男が出揃ったが、そこに世界ランク1位から3位の名前は並ぶことはなかった。

デイセッションで行われたシングルスでは、ノヴァーク・ジョコビッチとヤンコ・ティプサレビッチの対戦が行われた。この試合で勝利しないと決勝トーナメント進出が遠のいてしまうジョコビッチは、第1セットを先取する。しかし、第2セットからティプサレビッチが反撃を開始。USオープン以降、怪我に苦しんでいるジョコビッチにこれを跳ね返す力は残っておらず、フルセットの逆転でティプサレビッチがジョコビッチから初勝利を挙げた。この結果、ジョコビッチが決勝トーナメントに進出するためには、ナイトセッションでトマス・ベルディフがダビッド・フェレールに敗れることにかけることとなった。

ベスト4の最後の座をかけて行われたナイトセッションでは、昨年はラウンドロビンで敗退していたベルディフが、2007年のファイナリストであるフェレールにフルセットの逆転勝ちを収め、2勝1敗とグループ首位での勝ち抜けを決めた。2戦目ではジョコビッチをストレートで圧倒していたフェレールであったが、この日は試合中盤からサーブの調子を落とし、3連勝でのラウンドロビン突破とはならなかった。

ダブルスではインドのベテランペア、ブパティ/パエス組がナンバー1デュオであるブライアン兄弟をストレートで撃破、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めた。ここまで2連勝していたブライアン兄弟は、グループ2位で決勝トーナメントに臨む。

シングルス準決勝
ロジャー・フェデラー 11 - 0 ダビッド・フェレール
ロジャー・フェデラー 過去の対戦成績 ダビッド・フェレール
大会7日目の見所

ついに始まる最後の戦い。デイセッションの準決勝に登場するのは、第4シードのロジャー・フェデラーと第5シードのフェレール。ここまで唯一の全勝で勝ち進んできたフェデラーは1日のオフもあり体調は万全、史上最多となる6度目の優勝に死角はない。対するフェレールはこれまで勝利したことがないフェデラーを相手に苦しい戦いを強いられるのは必至、サーブの出来が展開を左右するだろう。両者の対戦はこれまでに11回あり、その全てでフェデラーが勝利している。また2007年の決勝でも両者は対戦しており、その時はフェデラーがストレート勝ちしている。



シングルス準決勝
JW・ツォンガ 0 - 1 トマス・ベルディフ
ジョー-ウィルフリード・ツォンガ 過去の対戦成績 トマス・ベルディフ
ナイトセッションで行われる試合では、第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガと第7シードのベルディフが対戦する。どちらも初の準決勝進出であり、勝利した方は必然的に初の決勝進出となる。両者は今年の北京で対戦しており、その時はベルディフがフルセットで勝利している。しかし、インドアでの勝率が7割を超えるツォンガに対し、ベルディフの勝率は5割強とサーフェス別での実績ではツォンガが有利となっている。

大会7日目結果~大会最終日見所

ロジャー・フェデラー/ジョー-ウィルフリード・ツォンガ

大会7日目の結果

ついに始まった決勝トーナメント。大会7日目は準決勝2試合が行われ、長かった男子ツアーのフィナーレを飾る2人のトップ選手が決勝に進出した。

デイセッションで行われたシングルス準決勝第1試合では、ロジャー・フェデラーがダビッド・フェレールをストレートで撃破、史上最多となる6度目のATPファイナル制覇に王手をかけた。ラウンドロビンではノヴァーク・ジョコビッチ、アンディ・マレーとトップ選手から立て続けに勝利を奪っていたフェレールであったが、この日はフェデラーが全盛期もかくやというほどのパフォーマンスで圧倒、見事な勝利でキャリア通算100度目となる決勝進出という金字塔を打ち立てている。

ナイトセッションで行われた準決勝では、ジョー-ウィルフリード・ツォンガがトマス・ベルディフを撃破、自身初となるツアーファイナル決勝進出を果たしている。今大会には2008年以来2度目となる出場を果たしているツォンガ、前回の初出場時にはラウンドロビンで敗退していたが、今年はラファエル・ナダルを撃破するなど、持ち前の攻撃力を生かしたプレーで決勝まで勝ち進んできた。

ダブルスではミルニ/ネスター組とフィルステンベルグ/マトコウスキー組が決勝に進出している。この日の準決勝では、ミルニ/ネスター組は世界ナンバー1のブライアン兄弟をストレートで撃破。一方のフィルステンベルグ/マトコウスキー組は、インドのベテランペアであるブパティ/パエス組をマッチタイブレークの末に破っている。

シングルス決勝
ロジャー・フェデラー 7 - 3 JW・ツォンガ
ロジャー・フェデラー 過去の対戦成績 ジョー-ウィルフリード・ツォンガ
大会8日目の見所

ついに始まるファイナル・ショウダウン。今年最後の決勝は、史上最多となる6度目のツアーファイナル制覇がかかるフェデラーと、自身初となるビッグタイトルを狙うツォンガが激突する。今年は2002年以来となるグランドスラム無冠となったフェデラーであったが、しっかりと今大会に照準を合わせて仕上げてくるのはさすがの一言。

対するツォンガはウィンブルドンでベスト4に進出するなど、大舞台でも結果を残し、特にUSオープン以降は2大会でタイトルを獲得するなど一気に調子を上げてきており、今大会のラウンドロビンではナダルを破るなど、男子ツアーでも屈指の攻撃力をいかんなく発揮している。

両者は今年すでに7度の対戦を行っており、フェデラーが5勝2敗で勝ち越しているが、ウィンブルドン準々決勝ではツォンガが2セットダウンからの逆転勝ちを収めている。また今大会の初戦ではフェデラーがフルセットでツォンガを下している。

ともにオールラウンドな攻撃を持ち味としている両者だけに、壮絶な打ち合いが予想される決勝。最後の最後にトロフィーを掲げるのは、果たしてどちらだろうか?

大会最終日結果

ロジャー・フェデラー

大会最終日の結果

ついに迎えた大会最終日、今年の男子ツアーのフィナーレの舞台に登場したのはロジャー・フェデラーとジョー-ウィルフリード・ツォンガの2人だった。

2002年以来となるグランドスラム無冠のシーズンとなったフェデラーであるが、今大会では「今が最強」と言っても過言ではないパフォーマンスで並み居る強豪を打ち破り、ただ一人の全勝で決勝まで勝ち進んできた。

対するツォンガは、今大会初戦となったフェデラーにはフルセットで敗れたものの、その後はラファエル・ナダル、マーディ・フィッシュに連勝。準決勝ではグループAトップのトマス・ベルディフを撃破、フランス勢として史上初となるツアーファイナル制覇に王手をかけた。

今季8度目となるフェデラーとツォンガの対決、第1セットを今大会での好調ぶりをそのままコートに持ち込んだフェデラーが先取すると、第2セットでもリードを奪う。しかし、ここでツォンガの強打が爆発。土壇場でブレークバックに成功すると、そのままセットオールとなり、勝敗の行方はファイナルセットに持ち込まれる。

さらなる激戦が期待されたファイナルセットであったが、追いつかれてもペースを失わなかったフェデラーが再び圧倒的なパフォーマンスでツォンガを突き放すと、最後はフォアボレーを一閃。その瞬間、フェデラーは自身通算100度目の決勝で、キャリア通算70勝、そして史上最多となる6度目のツアーファイナル制覇を成し遂げた。

マックス・ミルニ/ダニエル・ネスター
ダブルスでは準決勝で世界ランク1位ペアであるブライアン兄弟を破っていたマックス・ミルニ/ダニエル・ネスター組がマリウシュ・フィルステンベルグ/マルチン・マトコウスキー組をストレートで撃破、ネスターは通算4度目、ミルニは通算2度目となるツアーファイナル制覇を成し遂げている。

下馬評では有利とされながらも、フィルステンベルグ/マトコウスキー組に先にブレークを許してしまったミルニ/ネスター組であったが、すぐさまブレークバックに成功すると、あとはベテランペアらしい盤石のプレーで試合をコントロール。ポーランドペアに付け入るスキを与えず、見事にバランスのとれたコンビネーションと個人技でタイトルを獲得した。



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