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怪我のため、やむなく欠場となったナダル |
画像提供:Getty/AFLO |
(中国、上海)
月曜日、ATPツアー最終戦マスターズカップ(賞金総額445万USドル、インドア)で、ゴールド・グループを代表するR・ナダル(スペイン)とA・アガシ(アメリカ)の2選手が怪我を理由に急遽大会を欠場する事を発表した。
初日の日曜日のレッド・グループに続き、二日目のこの日はゴールド・グループの試合が行われる予定だった。しかし、今季全仏オープン覇者であるナダルは、第7シードのG・ガウディオ(アルゼンチン)との試合直前に、左足靱帯の怪我を理由に参加を辞退する事を発表した。
「昨日はもうちょっと痛みが強くて、病院で検査をした。」と、ナダルは状況の説明を始めた。「今朝も7時から再度検査を受けた。結局最後の決断はいつも自分で下すけど、今回は主治医のスペイン人医師が大会専属医と病院の先生の3人で話した結果、試合には出ない方がいいって言う事になったんだ。」と、その経過を語った。「もちろん、この結果には本当にがっかりしている。初めての最終戦出場だったし、ここでプレーすることにもとても楽しみにしてたから。」と、現在の心境を加えた。
第2シードで出場予定だったナダルは、今シーズンは大活躍で、実に11ものタイトルを獲得し、世界1位のR・フェデラー(スイス)のマスターズカップ3連覇を阻止する最右翼とみなされていた。6月の全仏オープン準決勝でもフェデラーを倒している。
ナダルの替わりにはM・プエルタ(アルゼンチン)が繰り上がって出場することとなり、ガウディオと対戦。しかし、初出場のプエルタは突然の幸運を十分活かせず、ガウディオに3-6, 5-7で敗れ、ラウンド・ロビンでの3試合の初戦を白星で飾ることはできなかった。
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ベテランのアガシも怪我に泣くこととなった |
画像提供:Getty/AFLO |
一方、ベテランのアガシは、この日N・ダビデンコ(ロシア)との試合に登場し、4-6, 2-6で敗れた後で欠場表明を行った。先月、ラケットボールをしていた時に痛めた左足首の捻挫が完治していないのがその理由だった。
「最初は完全な動きはできないものの、まあそれほどでもないから、試合中によくなってくるかとも思ってたけど、30分経っても楽にならないどころか逆に悪化してきた。」と、アガシは自分の怪我の変化を語った。「最終的に、ほんのちょっとでも動きに支障をきたすのなら、ここでの勝利の可能性はゼロさ。ここにいる選手は、手強すぎるし、この大会自体が強すぎさ。つまり試合を続けるのは不可能と言う決断に至ったんだ。」と、その気持ちを述べた。
今大会第3シードのアガシは、2000年と2003年に決勝まで勝ち上がったことがあり優勝候補の一角と目されていたが、この日の試合が9月11日のUSオープンの決勝でフェデラーに敗れて以来の試合ということや怪我の影響もあり、惨敗に終わった。一方、対戦相手のダビデンコは、第5シードでの出場で、最終戦出場は今回が初めて。また、アガシに替わってF・ゴンサレス(チリ)が残りの2試合に出場する。
全豪オープン覇者のM・サフィンが膝の怪我のために大会前に欠場を発表したのに続き、A・ロディック(アメリカ)が腰痛を理由に、L・ヒューイット(オーストラリア)が第1子誕生を優先させるために欠場を表明しており、この日のナダル、アガシの欠場で上位5選手が欠けたこととなった。
この結果、ゴールドグループからの決勝進出に希望が出てきたガウディオは、「これがテニスだし、人生だよ。こんなこともあるさ。ときには幸運に恵まれず、やりたいことができない時だってあるんだ。怪我をしてしまったら、どうしようもないさ。ここ上海で楽しみにしていてくれたファンには申し訳ない気持ちだけどね。」と、怪我を理由に欠場の選手の気持ちを代弁していた。「でも、その選手に替わって他のトップ・プレーヤーも参加するんだ。ランキング10位、11位、12位のね。依然、世界有数の大会だよ。まだまだ楽しめるさ。」と、ファンへの気遣いと共に、大会への意気込みも加えた。
(2005年11月15日)