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リュビチッチは最終戦の台風の目になるか? |
画像提供:Getty/AFLO |
トップ選手の怪我が続出しているATPツアーで、いよいよ今週末から上海で最終戦が始まるが、果たして参加選手たちはみんな体調は万全なのだろうか、探りをいれてみた。
R・フェデラー(スイス)の今季の成績は疑いなく突出しているが、3年連続のマスターズ・カップ優勝の実現については不安材料も残る。ここ数週間は松葉杖生活をしており、十分な練習もできていなかったからである。
ただ、かかとの怪我も当初想定されたよりも早く治り、先週も「大分良くなった。」と本人も語っている。「正直なところ2週間ほど前は怪我がどれくらい治るかはっきり分からなかったけど、もう大丈夫。練習もしているし、フレッシュな気分で上海に行けるよ。きっとタイトルの防衛をしてみせるよ。」とフェデラーは元気なところをアピールはしている。
R・ナダル(スペイン)もマドリードのマスター大会では、膝の故障をかばいながら見事優勝したものの、それ以降はツアー参戦していない。先週のBNPパリバ・マスターズも欠場しており、最終戦への調整を図り彼なりにベストの状態では大会に挑むものと思われる。
ただ心配されるのは
A・ロディック(アメリカ)で、そのBNPパリバ・マスターズの準々決勝で
D・フェレール(スペイン)との対戦中に腰を痛め、日を追うことに悪化しているとも伝えられている。
L・ヒューイット(オーストラリア)は先日足指の手術を受けたばかりだが、体調とは関係なく、第一子の誕生を目前に控えて、そちらを優先するために大会への欠場を表明している。
M・サフィン(ロシア)は全豪オープンで優勝したことで最終戦への参加権を手にしていたが、膝の怪我が完治しておらず、早々と不参加を表明していた。
この二人の欠場により参加権を手にしたのが、
I・リュビチッチ(クロアチア)と
G・ガウディオ(アルゼンチン)だ。
リュビチッチは年後半に来て大活躍しており、通季でも7回の決勝進出、2つの優勝を飾っている。またデビス・カップでは出る試合全てに勝利し、アメリカ、ルーマニア、ロシアをなぎ倒して母国を決勝に導いた立役者でもあった。
「最終戦に出られるなんて夢のようだ。グランドスラムで優勝するのに次いで大きなゴールだよ。」と興奮気味にリュビチッチは語る。
しかし、このところの活躍には悪材料も潜んでいる。疲労だ。
「正直言って体力的には疲れが溜まっている。でもマスターズ・カップ、そしてデビス・カップ決勝と大きな舞台が待っているんだ。そのために長年努力して来たと言っても過言じゃないんだ。ここで弱音を吐くわけにはいかないよ。」と、最後に持てるだけの力を振り切る意気込みを見せるリュビチッチだ。
(2005年11月9日)