重要なお知らせ |
WTA Tier1 スイス、チューリッヒ |
『ダベンポート、世界1位復帰を優勝で飾る。』
年末でも更に調子を上げているダベンポート |
画像提供:Getty/AFLO |
USオープン以降、ランキング1位の座を明け渡していたL・ダベンポート(アメリカ)が、今季6度目の優勝で再びトップへの返り咲きを飾った。
今年最後のティア1大会をトップ・シードで出場のダベンポートは、序盤で苦戦を強いられたが、決勝では、地元優勝を狙っている第6シードのP・シュニーダー(スイス)を7-6(7-5), 6-3で退け、自身51個目のタイトルを手にした。
持ち味の強力なサービスとストロークで攻めるダベンポートに対して、粘り強いラリーから武器であるフォアハンドで攻めていくシュニーダーとの第1セットは、ブレークしたらブレークし返す譲らぬ展開から、タイブレークで先取したダベンポートが流れを掴んだ。「第1セットはリズムが行ったり来たりしたわね。シュニーダーに粘られてブレークを許してしまったわ。彼女が6-5でリードしていた時に3度のセットポイントを握られて、そこでもっとベースラインの内側から攻撃的に攻めなきゃって思ったの。第2セットも3-1でリードされたけど、良いリズムを感じていたから一気に攻めたわ。いろんなボールを繰り出す彼女は本当に苦手な相手。今日は特に地元の大会だから別人のようなプレーだったわ。」と試合を振り返った。
2回戦から登場したダベンポートは、その2回戦と準々決勝でいずれもフルセットにもつれこむ苦戦が続いた。しかし、過去5回出場のすべてで決勝進出している相性の良い大会だけあって、なんとか勝利を上げ、今年も決勝進出を果たした。これで今大会4度目の優勝となった彼女は、今シーズンの成績を58勝8敗とし、ここ3大会で連続優勝を上げて、見事ランキング1位への返り咲きに成功した。
「こうして今シーズン6度目のタイトルを獲得して、年末ランキングを1位で終われる可能性が出てきたことは光栄に思うわ。何度優勝しても飽きることなんてないの。3大会連続優勝をしているけど、全然モチベーションは下がらない。楽しんでプレーできるうちは、引退なんて考えられないわ。」と、29歳の彼女はまだまだ現役を続ける意向を明らかにした。
惜しくも決勝で敗れたシュニーダー |
画像提供:Getty/AFLO |
今季3度目の優勝を地元で飾ろうという意欲に燃えたシュニーダーは、準々決勝以外のすべてでストレート勝ちという好調なプレーで決勝まで進んだ。しかし、力に勝るダベンポートの前に、今大会2度目の栄冠を獲得することはできず準優勝に終わった。「第1セットはセットポイントがあったのに、自分のセカンド・サーブで重くて深いリターンをされてしまって何もできなかったわ。今日はダベンポートの胸を借りるつもりで臨んで、精一杯のプレーをしたけど、彼女の方が一枚上手だった。高いレベルでプレーできたし、この1週間には満足している。この調子で来週もプレーをして、必ずチャンピオンシップに出場したいわ。」と、ランキングを9位へと上げ、3年ぶりのチャンピオンシップ出場への意気込みを語った。
年末のチャンピオンシップは、すでにK・クレイステルス(ベルギー)、ダベンポート、M・シャラポワ(ロシア)、M・ピアース(フランス)の出場が決まっており、残りの4枚の切符を賭けた争いが続けている。シュニーダーはこれでチャンピオン・レースも7位へと浮上し、A・モレスモ(フランス)、J・エナン=アルデンヌ(ベルギー)、V・ウィリアムズ(アメリカ)、E・デメンティエワ(ロシア)、N・ペトロワ(ロシア)らと激しい争いを繰り広げている。
過去5年連続でチャンピオンシップに出場したデメンティエワは、今年はぎりぎりのところにいる。今大会もベスト8まで勝ち上がったが、親友のA・ミスキナ(ロシア)にフルセットで敗れた。「5年続けて出場していたチャンピオンシップに出ることが、今年の一番の目標なの。」と、6年連続出場への意欲を試合後に語っていた。
今大会予選から勝ち上がり、2回戦では第2シードのモレスモを6-2, 6-0で破ったK・シュレボトニック(スロベニア)(スロベニア)は、「自分のテニス人生で最高の勝利。世界4位の選手からの勝ち星は何よりも自信につながる。」と喜びを語り、ランキングも31位と自己最高位へあと1つへと迫った。
ダブルス・ランキング1位のC・ブラック(ジンバブエ)は、R・スタブズ(オーストラリア)と組み第2シードで出場し、見事優勝を飾った。決勝ではノーシードから勝ち上がった杉山 愛(日本)&D・ハンチュコバ(スロバキア)組と接戦を繰り広げ、6-7(6-8), 7-6(7-4), 6-3の逆転で制した。これでブラックは自身24個目、スタブズは51個目のダブルス・タイトルとなった。
ATP International Master Series スペイン、マドリッド |
『ナダル、地元で大逆転勝利!』
地元で見事な逆転優勝を飾ったナダル |
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トップ・シードを守り決勝へ進んだR・ナダル(スペイン)が、地元ファンを沸かせる大逆転劇を決勝の舞台で演じた。
決勝戦の相手は、このところ2大会連続優勝で16試合負けなしと絶好調のI・リュビチッチ(クロアチア)。32本ものサービス・エースを放ったビッグサーバーを相手に3-6, 2-6, 6-3, 6-4, 7-6(7-3)の3時間51分の大逆転で勝利、モンテ=カルロ、ローマ、モントリオールに続いて4つ目のマスター・シリーズのタイトルを手にした。「まったくもって信じられないよ。2セット先取されて、彼のプレーは絶好調だったし、サーブも見えないくらいだったんだ。疲れてはいたけど、肉体的というより精神的な戦いになったね。ここの観客の応援がどれだけ支えになったか。マドリッドじゃなかったら僕は勝てなかったよ。応援には本当に感謝している。」と、大声援を送ってくれた観客への感謝の意を表した。
19歳のナダルは、これでR・フェデラー(スイス)に並び今季11タイトルを獲得し、これまでの8回のマスター・シリーズのタイトルを4度ずつ2人で分け合った形となった。しかし、今シーズンの79勝はフェデラーより2勝多い今季最高の勝ち数で、10代での勝ち数では1983年のM・ウィランダー(スウェーデン)の82勝に次ぐものとなった。マスター・シリーズでの成績を28勝2敗とし、年末ランキングで自己最高位の2位をほぼ確実なものにしたナダルは、「こんな素晴らしい年は2度とないんじゃないかな。来年も高い目標を持って、プレッシャーを気にせず試合に臨みたい。今年は凄すぎたけれど、今年のような年を頭に理想として描いて来年もプレーをするよ。」と、自身最高のシーズンが終わろうとしている今、来年への抱負を語った。
後一歩でビッグタイトルを逃したリュビチッチ |
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リュビチッチは今季7度目の決勝戦で、メッツ、ウィーンに続く3大会連続優勝へあと一歩と迫ったが、観客を味方につけたナダルを前に悔しい敗退を喫してしまった。「最初の2セットはかなりいい形でプレーができた。第3セット2-1からの第4ゲームは、かなりもつれて長いゲームになった。それを彼に取られてから流れが変わってしまったんだ。思った通りタフな試合になったね。この3週間の疲れがちょっと出てしまったけど、最高の試合を見せることができて満足しているよ。」と、連戦の疲労があったことを明らかにした。クロアチア出身者で3大会連続の決勝進出を果たしたのは、1996年のI・イバニセビッチの5大会連続決勝進出以来で、16試合連続勝利も、その年のイバニセビッチの14連勝を抜く記録となった。シーズン最終戦のマスターズ・カップへのチャンピオン・レースでも8位タイへと並び、自身初のマスターズ・カップ出場の可能性が残された。
第16シードからベスト4入りし、チャンピオン・レースを20位から15位へと躍進させたR・ジネプリ(アメリカ)は、「来週のリヨン大会と、その後のパリのマスター・シリーズで好成績を収めることができたら、マスターズ・カップへの出場の可能性がちょっとだけど残される。そのわずかな可能性に挑戦するよ。」と、最後まで諦めない姿勢を見せた。
予選から勝ち上がり、ベスト8入りした選手がいた。1回戦ではベテランのG・ルゼッドスキ(イングランド)を6-7(5-7), 7-6(7-2), 7-6(7-3)、2回戦で第2シードのA・ロディック(アメリカ)を3-6, 7-6(8-6), 7-6(7-3)と、いずれも接戦で下したI・カルロビッチ(クロアチア)だ。3回戦でも第14シードのD・フルバティ(スロバキア)を撃破しベスト8入りに成功した。準々決勝では第5シードのD・ナルバンディアン(アルゼンチン)にストレートで敗れるも、見事な勝ち上がりを見せてくれた。
ダブルスでは、2002年と04年の年間ナンバー・ワン・ペアーである第3シードのM・ノウルズ(バハマ)&D・ネスター(カナダ)組が、すでにマスターズ・カップ出場を決めているW・ブラック(ジンバブエ)&K・ウリエット(ジンバブエ)組を6-4, 7-6(7-3)で下して優勝を決めた。このペアーでの今季4度目の優勝は、同時にマスターズ・カップへの出場権も獲得した。USオープンで、まさかの1回戦敗退以降、8勝0敗とかつての調子が戻ってきている。
テニス界を長年支えてきたマレーバ |
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先週の大会を最後に引退した選手がいました。そう、マレーバ3姉妹の末っ子、マグダレーナ・マレーバです。彼女の現役生活は16年で、チューリッヒ・オープンには主催者推薦で出場、2回戦でシュニーダーに3-6, 2-6で敗れたのがプロとしての最後の試合となったの。今まで、ブルガリアの女子テニスを支えてきたこの3姉妹。長女のマヌエラ、次女のカテリーナ、そして今年引退のマグダレーナ。3人あわせると、なんと26年もの間ブルガリアをはじめ、世界のテニス界を支えてきてたのよ。
マレーバ3姉妹が生まれた頃のブルガリアは、テニスがほとんど行われていなかったの。でも、母ユリアさんの教えのもとでテニスを始め、テニスというスポーツをブルガリアに大きく広げるのに、多大な功績を残したことになるわね。長女のマヌエラは最高ランキング4位で19回の優勝、次女のカテリーナは最高6位で10回の優勝、3女のマグダレーナは最高4位で10回の優勝を誇っているの。この3姉妹は数々の記録を作りました。1990年の全仏オープンで初めて3姉妹が揃ってメイン・ドロー入りして、1992年には3人揃ってトップ15入りを果たしたの。翌年は3人すべてシード入りした全仏オープンとUSオープンで、全員ベスト16入りを果たす快挙をなしえたの。その後、長女は94年、次女は97年に引退しちゃいました。
マグダレーナは3姉妹の末っ子というのと、1993年にM・セレス(アメリカ)がドイツでグラフのファンに刺された事件の時の対戦相手として知られてるわね。1996年の1月にランキング4位を記録したあと、1998年には右肩の手術を受けて、もうコートには戻れないって言われてたの。でも、翌年には執念のカムバックを果たして2003年にはランキングを11位にまで戻すことに成功したわ。今年30歳の彼女はマレーバ・テニス・クラブで若手の育成と、1年前に結婚したルボさんとの生活をメインにすることを決めたうえでの引退だったのね。「3姉妹が同時に世界のトップにいたことを、今となっては誇りに思うわ。そんなこともう2度とないんじゃないかしら。26年間“マレーバ”の名前がWTAのランキングにあったけど、来年からはもう見つからないのよ。」だって。ご主人とお幸せにね!
早期回復が望まれるモリック |
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ビックリしたのは、A・モリック(オーストラリア)もテニスを離れるっていうニュース。耳の病気で平衡感覚がおかしくなって、視力にも影響が出ていた彼女。何度も復帰をトライしたけど、ほとんど勝てなかったからね~。2006年のシーズンはすべて治療にあてるとか。今24歳の彼女、ちゃんと復活してくれるかしら???
2002年にランキング4位にまで上がった、J・ドキッチ(セルビア)。なかなか復帰してこないわね~って思っていたら…。ITFのチャレンジャー大会に出場依頼してエントリーしていたのにもかかわらず、その大会を無断欠席。700ドルの反則金を科されているんだけど未払い。払わないと今後チャレンジャー大会には出場できないんだって。どうしちゃったのかしらね~~~!?!?!
ナダルがロイター通信の取材に答えて、フェデラーについてこんなことを言ってたわ。「こないだ彼と話したんだけど、彼は上海のマスターズ・カップにはぜひ出場したいんだって。テニス界のためにもそれが良いと思うよ。僕たちはライバル同士だけど、親しい関係でもあるんだ。彼自身が気さくな素晴らしい人間だし、僕にとっても大事な友達なのさ。」だって。良きライバルは良き友なのね!友情って素敵ね♪