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リュビチッチの大活躍でクロアチア勝利 |
画像提供:Getty/AFLO |
(アメリカ、カリフォルニア州カールセン)
日曜日、デビスカップの米国-クロアチアのリバースシングルス第1試合で、I・リュビチッチ(クロアチア)がA・ロディック(アメリカ)を4-6、6-3、7-6(13-11)、6-7(7-9)、6-2で下した。この勝利で3勝1敗としたクロアチアが見事準々決勝進出を決めた。最終シングルスで、B・ブライアン(アメリカ)がR・カラヌシッチ(クロアチア)を6-2、3-6、6-1で下し、一矢報いるも、時すでに遅し。アメリカは1900年のデビスカップ開催以来初めて本拠地で1回戦負けを喫した。
4時間に及ぶ死闘の末、惜しくも敗れたロディックは、これで対リュビチッチ2敗目を喫した。この試合、どちらが勝ってもおかしくない展開だったが、第5セットに入ってリュビチッチは右ひざを痛め、明らかにプレーに支障が出始めていた。万事休すと思われたが、ここでリュビチッチは3分間のメディカル・タイムアウトと取り、トレーナーに治療を施してもらい、その後足を引きずりながら必死にプレーし、200キロを超えるサービスをロディックに打ち続けた。正にリュビチッチの気迫が呼んだ勝利といえよう。
ロディックは、試合後、「とても言い表せない気分だよ。最悪だね。デビスカップで負けるほど嫌なことは無いよ。特に、チームメイトに頼りにされてるのに負けたなんてね。もし自分じゃない誰かが負けたなら何とでも言えるけど、自分が負けたんだから、言い訳のしようがない。特に今回は地元開催で、たくさんの声援を受けてプレーしていたのにも関わらず負けてしまったんだ。今年は優勝できるチャンスがあると思っていたし、わくわくしていた。だから余計に落胆が大きいよ。今となっては優勝を目指そうにもまた1年待たなくてはならなくなってしまった。」と肩を落とした。
一方、勝利したリュビチッチは、「自分でも、今日は本当によく頑張ったと思う。何も言うことないくらい素晴らしい試合だったね。今回の勝利は前回アメリカを破ったときとは比べ物にならないよ。あの時は、僕らはホームで戦っていたし、対戦したのはフィッシュとブレーク。今回僕らが戦ったのは、アガシ、ロディック、ブライアン兄弟らスター選手なんだよ。とにかく信じられない勝利なんだ。」とコメントした。
今回のアメリカチームは、A・アガシ、ロディック、世界最高のダブルスペアのブライアン兄弟を擁し、テニス版ドリームチームと言われ、優勝はまず間違いないと目されていた。しかし、蓋を開けてみれば、リュビチッチ率いるクロアチアが猛チャージをかけ、大番狂わせを演じてみせた。この勝利で、クロアチアは7月の準々決勝でルーマニアとの対戦が決まった。一方、アメリカは2006年のワールドグループ16カ国に残るためのプレーオフにまわることになる。
アメリカの落胆も分かるが、リュビチッチとアンチッチの今年に入ってからの活躍を見れば、今回のスーパープレーぶりも、実はそれほど驚きではない。リュビチッチは男子ツアーの中で最もホットな選手と言われ、今季は既に4大会で決勝進出し、そのうち3大会でR・フェデラー(スイス)に敗れているが、最後の対戦ではフェデラーを後一歩まで追い詰めていた。