日本テニスの頂点を争う大会、三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権 99th(東京/有明、ハード)は5日、男子シングルス1回戦が行われ、今大会での現役引退を表明してる伊藤竜馬(興洋海運)が山中太陽(EMシステムズ)を3-6, 7-5, 6-3の逆転で破り初戦突破を果たした。
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36歳の伊藤は2006年にプロに転向。日本男子テニスの第一線で活躍し、ツアー大会や国別対抗戦のデビスカップで日本代表として活躍した。
世界ランキングでは2012年10月に自己最高位となる60位を記録。これはオープン化以降、日本男子歴代7位の記録となる。
四大大会では全大会で本戦出場を果たし、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)と全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)では2回戦に進出した。
その伊藤は今年4月に今季での現役引退を表明。その後、今大会を現役最後の大会とすることを発表した。
迎えた1回戦の第1セット、伊藤は第4ゲームでブレークポイントを握られると、最後はダブルフォルトを犯し先にブレークを許す。その後、伊藤はブレークバックを果たせず先行される。
続く第2セット、ストロークのミスが重なった伊藤は第1ゲームでブレークのピンチを迎えると、山中にパッシングショットを決められブレークを許す。それでも第6ゲームでは代名詞の強力なフォアハンドを打ち込むなどしブレークバックを果たす。
直後の第7ゲームでこのセット2度目のブレークを許した伊藤だったが、相手のサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームで意地のブレークバックに成功し再び追いつく。するとこれで勢いに乗った伊藤は第12ゲームでもブレークを奪い1セットオールに追いつく。
ファイナルセット、両者1度ずつブレークを奪い合い迎えた第8ゲームで伊藤はブレークポイントを握ると、最後は相手のダブルフォルトでブレークに成功。伊藤は直後の第9ゲームをキープし、約1時間50分で劇的な逆転勝ちを収めた。
試合後の会見で伊藤は試合を振り返った。
「結構絶体絶命の感じでした。センターコートで1回も練習していなくて、思ったよりも(コートが)遅くなっていました。そこになかなかアジャストできなかったんですけど、セカンドセットの危ないところから最後は気持ちで乗り越えて、ファイナルセットは少しずつ慣れて、どういうプレーをすればいいかっていうのを自分で修正ができました」
また、現役最後の大会としてどのような気持ちで今大会に臨んでいるかも明かした。
「最後を全日本選手権という大会に決めて、やっぱり結果というよりも、どちらかというとファンの人や家族やスポンサーの人たちに最後の僕のプレーをみてほしいという気持ちの方が強く、その中で1日でも長くいれたらという感じです。最初はやっぱりファンの皆さんで、その後に結果がうまく、その力をもらって上がっていければいいかなという気持ちです」
勝利した伊藤は2回戦で第7シードの齋藤惠佑と対戦する。今大会は上位8シードが1回戦免除のため齋藤はこの試合が初戦となる。
また、伊藤は片山翔とのペアで今大会の男子ダブルスにも出場する予定となっている。
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