MARAT SAFIN |
Vol.1 コンパクトなスウィングで攻める世界一の両手バック |
ムダや力みのない効率的スウィング |
サフィンに関しては、コンパクトでムダのない効率の良いスウィングが素晴らしい。一般的に、両手打ちはフォアよりもテイクバックやスウィングをコンパクトにするのが基本だが、サフィンは、その中でも力みのない必要最小限のスウィングをしており、連続写真を見るとあまり迫力を感じないが、実際に打っているボールは非常に強力という選手だ。また、グリップはあまり厚くなく、必要以上のトップスピンはかけないため、スピードがより生きている。それでも面の動きが安定しているし、必要に応じてアガシと同じ方法で回転をかけられるのでミスも出にくく、安定感も十分だ。 |
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サフィンのまったく力みのない両手打ちのハードヒット
小さなテイクバック、身体の回転と一体となったスウィングなどはまさに基本通りで、インパクトまではコンパクトな振りだが、フォロースルーに窮屈さはまったくない。見ためにも力みを感じないが、ボールをよく引きつけて厚い当たりでとらえ(相手の力も利用し)、力の逃げがないのでスピードは十分に出ている。
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走らされてもしっかり返せる |
リーチの面で不利な両手打ちでは、球際に強い選手が実戦で力を発揮するが、その意味でもサフィンは穴がない。走らされて腕だけのショットになったときでも、リストワークが非常にうまく、通常なら打点が遅れてストレートにしか返せないような状況でも、うまくアングルに打ったりして相手に的を絞らせない技術を持っているのだ。 |
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サフィンの遠いボールに対する両手打ちバックハンド
こちらはボールが遠く、体幹の回転を使って打てなかった場面だが、リストをうまく返して(5~8)腕を振り切れない分を補っている。その際、面をこねることなく、丁寧にボールをとらえており、コントロールも損なわれていない。ここではストレート方向に打っているが、手首の返しを強めてアングルに打ち、相手の裏をかくこともできる。
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(テニスジャーナル 2004年7月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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マラット・サフィン研究編 一覧
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