ANDY RODDICK |
Vol.2 スウィング・スピード抜群のフォアハンド |
未完成だがスウィング・スピード 抜群の“スピードスター” |
アンディ・ロディックは、ビッグサーブとフォアハンドを大きな武器にしている。 そのフォアハンドに関しては、とにかくスウィング・スピードがものすごく速いことが最大の特徴だ。 しっかりした基本に裏づけられてはいるが、天性の瞬発力の高さによる部分も大きい。 また、ツボにはまるとすごいが、コントロールされたボールをコンスタントに打つ能力という意味では、 トップ選手の中では不足していると言える。つまり、どこに打たれても同じようなスウィングができるわけではなく、 打点をズラされてスウィングが乱れてしまう場面が多い。 |
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穴がなくなってくれば手がつけられない |
現時点では、そのあたりで対戦相手にもつけいる余地があるが、逆に言えば未完成のままでこれだけの結果を残せているわけで、そうした穴がなくなったらまさに恐いものなしだ。バックハンドもけっして苦手ではなく、そつなくこなすので、あのサーブからフォアで確実に攻撃されれば、ブレイクすることが不可能に近くなる。
その他にも、リターンや守備などで細かい弱点があるが、それらも徐々に改善されてきている。あとは多少不器用な部分があるので、他のプレイヤーにとっては、そうして細かい穴を突くことがロディックを倒すためには必要となる。 |
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A.ロディックの高い打点からのハードヒット
ロディックのフォアで特徴的なのは、インパクト時に右肩がひときわ大きく前に出ていること。それに対する左手の使い方もうまく、 それらが非常に速い振り抜きが生み出している。また、テイクバック時に骨盤の前傾がよくできている点にも要注目だ。
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A.ロディックの深いボールで食いこまれた返球
こちらは、深いボールを下がりながら打った場面だが、打点が食いこまれてフォロースルーが頭上に逃げるような形になっている。 こういう場面がやや多いのが彼の未完成な部分であり、つねに良い打点で打てるようになれば、スウィングの速さもより生きてくるはずだ。
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(テニスジャーナル 2004年6月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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アンディ・ロディック研究編 一覧
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