ANDY RODDICK |
Vol.1 世界一のビックサーブ |
全身のパワーを最大限に生かした最強サーブ |
ロディックのサーブで特徴的なのは、全身のパワーを最大限に生かしていることだ。 特に下の写真のように、膝の曲げから大きな胸の張りにつなげている流れは理想的だ。 そして、その後は胸の張りがバネが解消されたように戻ることによって、肘が一気に高くあがっている。(合成写真参照) すなわち、下から上に順番にパワー(力のタメ)が伝わっていることが分かるだろう。 |
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膝の曲げはジャンプするためではない |
テイクバック時の膝の曲げは、最近の選手の中では深め。 しかも両足加重で、かなり大きな力を蓄えているが、それは高く飛ぶためではない。 問題は、そのパワーをいかに効率よく上体に伝えるかという部分で、ロディックの場合は、 それがプロの中でも一番理想に近い形でできているといえるだろう。 だからこそ、世界最速のサーブが打てるわけだ。
また、体幹のひねりを生かして身体を(前向きに)回すこともスピードアップには重要だが、 その意味でもロディックは脚力を上手く使って、身体の回転をアシストしている。 |
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ロディックの背中側から見たフラットサーブ
テイクバックしながら徐々に両足を曲げ、そこから足を伸ばしていくことで上体の大きな「そり」がうまれ、 次に肘が一気に上がって、最後は打点の前後でラケットヘッドが一瞬のうちに180度返っている。 そうした一連の動きが、下から上にいくにつれて速くなっており、大きな加速力が生じていることが分かる。
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ロディックの腹側から見たフラットサーブ
こちらでは、身体(体幹)のひねりについて見てみよう。 テイクバックではそれほど大きなひねりはないが、膝を伸ばし始めて腰が先に前を向くことによって、 6の時点で体幹のひねりが最大になっており、そこから上体が前をむくように回転し、 インパクト(9)では全身がほぼ正面を向いた状態になっている。 これもスピードアップにつながる要素だ。
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(テニスジャーナル 2005年11月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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アンディ・ロディック研究編 一覧
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