LLEYTON HEWITT |
Vol.2 反応と動きの良さを武器にどんなサーブもしっかり弾き返す |
反応の良さは世界一 |
ヒューイットも、アガシとはタイプが違うが、世界でも第一級のリターン力を持っている。彼の特徴は、世界一とも言える反応の良さと、バランスの良さにあり、それによって相当厳しいサーブでもしっかりと打ち返してしまう。
技術的には、アガシと共通する部分が多く、とくにテイクバックからインパクトまでムダな動きがない点や、インパクト後にすぐに面を返さず、少し押し出すような動きがある点、左手でうまくバランスをとっている点などは、良いリターナーに共通する特徴と言える。またヒューイットは、通常のフォアハンドではかなりテイクバックが大きいが、やはりリターンではかなりコンパクトになっている。構えている位置はアガシよりも後ろだが、かなり斜め前に踏みこみながら打っている点は共通で、これも見習いたい部分だ。 |
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しぶとさで相手にプレッシャーをかけていく |
戦略的には、アガシよりも後ろに立つことで、サーバーにとってはアガシほどの威圧感はないが、かなり良いサーブを打っても普通に返されて、ヒューイットの形であるストローク戦に持ちこまれてしまう。なかなか決められない、優位に立てないという意味で、サーバーにプレッシャーがかかってくるわけだ。また状況によっては、前に立って攻撃的にリターンしていく場合もあるし、相手がサーブ&ボレーしてきた場合も、瞬時に反応して1本足下にコントロールし、次のパスで勝負するということができ、臨機応変な対応も可能だ。 |
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L.ヒューイットの後ろから見たフォアハンド・リターン
素早くコンパクトなテイクバックから、遠いボールに対してかなり斜め前に踏みこみながら素直で丁寧なスウィングで弾き返した例。左手のバランスも素晴らしく、彼らしい反応やバランスの良さがよく表われた得意な形のリターンだ。
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L.ヒューイットの後ろから見たバックハンド・リターン
こちらは上の例よりも前に立ち、より攻撃的にリターンした場面。オープンスタンスで左足を軸にしっかりとバランスをとり、安定感と鋭さが両立したラケットヘッドの動き(④~⑥)によって、厚い当たりでボールを強く弾き返している。
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(テニスジャーナル 2004年9月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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レイトン・ヒューイット研究編 一覧
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