LLEYTON HEWITT |
Vol.1 ヒッティング・ポイントが広く、粘り強さはナンバー1 |
股関節の柔らかさと強さが武器 |
レイトン・ヒューイットは、攻撃よりも守備に秀でた選手だ。最大の武器は、リターンと機敏なフットワーク、そしてメンタルの強さ(ファイトする姿勢)にある。
ヒューイットはボールに対する反応が良く、股関節が柔らかくて強いので、最後の一歩が大きくとれて、しかも踏ん張りが効くので、かなり厳しいボールを打たれても、しっかりと打ち返すことができる。それをベースにしたヒッティング・エリアの前後左右への広さが、彼の最大の特徴だ。また、リターンが良く、パスやロブもうまいので、ネットプレイヤーには非常に嫌な相手と言える。
とくに、彼のまじめすぎるほどの準備(テイクバック)の早さや細かいフットワーク、そして打球時の柔らかな足の使い方などは、アマチュアにも大いに参考になるはずだ。 |
|
|
現在は相手に研究されて苦しい状況 |
ただし、今の彼は、戦い方を相手に研究されてかなり厳しい状況にある。一発でエースを取れるフォアがないので、相手が勝負を急がなくなり、確実にチャンスを作って攻めてこられるようになったため、得意のカウンター・ショットも生かせず、攻め手がなくなってきてしまったのだ。
今のところ、その状況を打ち破れる武器はないが、今後彼がどのようにして巻き返しを図ってくるのか、ある意味楽しみなところだ。 |
|
L.ヒューイットの走らされた状況からのカウンター・ショット
かなり走らされた場面だが、右足の使い方が非常にうまく、しっかり踏ん張りながらも、腰の回転をブレさせない柔らかさがある。それによる土台の安定が、彼の大きな持ち味であり、厳しい状況からのカウンターを可能にしている。
|
|
L.ヒューイットのフォアハンド・トップスピン
⑤~⑥の動きを見ると、かなりラケットを上にこすり上げており、肘も前ではなく上に抜けているため、(身体の使い方は悪くないが)スピンの量に対してスピードの足りないフォアハンドになりやすい。また、身体の軸が少し後傾気味な点もその傾向を強くしている。
|
|
(テニスジャーナル 2004年6月号) © SKI Journal Publisher Inc.
|
レイトン・ヒューイット研究編 一覧
|