ROGER FEDERER |
Vol.3 “ゴッドハンド”と呼ばれる天才的なボールタッチが武器 |
グリップは薄めだが高い打点もOK |
史上最強との呼び声も高い選手、ロジャー・フェデラーのフォアハンドは、自分からガンガン打つというよりも、相手の力をうまく利用するタイプだ。また、これまで紹介してきた選手たちのスウィングは、ある程度厚いグリップを前提にした技術だが、フェデラーの場合は、他の選手たちよりも薄いグリップを用いている。 |
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フェデラーの高い打点からのハードヒット
フェデラーは、薄めのグリップながら、柔らかくて強い手首を生かし、このように打点を前にとって高い打点から打つ技術を持っている。フォロースルーでは、面がブレないようにうまくワイパー・スウィングで振り抜いており、フィニッシュも低く現代的な形だ。
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リストが強くなおかつ繊細に使える |
薄いグリップのメリットは、ボールをラケットに乗せるような打ち方でコントロールしやすく、タッチのあるショットを打ちやすいということと、速いボールに合わせやすいという2点。その代わりに、高い打点で強打しにくいというデメリットがあるのだが、フェデラーの場合は、強くて繊細な手首を持ち、それをうまく使って高い打点で叩くこともできる点が大きな特徴だ。また、アガシと同様にハンド・アイ・コーディネーションが非常に良く、ミスヒットが少ないし、微妙なタッチのショットも抜群にうまく、他の選手たちからは「ゴッドハンド」とも呼ばれている。だから、彼にとっては薄めのグリップにしたほうが、その特別なセンスを生かしやすいのだろう。もちろん、チャンスボールが来れば、しっかり攻撃できるだけのパワーも持っており、薄いグリップのメリットを持ちながら、現代的な強打もできる理想的なフォアハンドということになる。 |
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フェデラーのフォアハンド・アプローチ
アプローチショットでも、前に急いで重心をズラすことなく、しっかり身体を回して振り抜き、威力のあるボールを打ってから前に出ていこうとしている。また、インパクトで右肩を大きく前に出し、その上にアゴに乗せて顔を残しているのも、彼の特徴的な部分だ。
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(テニスジャーナル 2004年6月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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ロジャー・フェデラー研究編 一覧
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