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AMELIE MAURESMO

Vol.1 強い筋力を活かしたパワフルバックハンド

ダウン・ザ・ラインが大きな武器

エナンと並んで女子でトップクラスの片手打ちバックハンドを持つフランスのモレスモ。 とくにバックのダウン・ザ・ラインを大きな武器にしており、オープンコートができたら、すかさずパワーと正確さのあるボールを打ちこみ、ウィナーを数多く取っている。 杉山愛も「読みにくい」と警戒しているショットだ。

バックの攻撃力という意味ではエナンを上回るかもしれないが、モレスモの場合は、フォアのミスがやや多く、 本当に大事なポイントになったときには、フォアではあまり無理せず、バックに頼っているという印象がある。 フォーム的にも、バックでは体幹がブレることがめったになく、つねにしっかりと右側の壁ができている。 また、女子としては上肢の筋力が非常に強く、それにも支えられて、強さと安定感を両立させた男性的なスウィングを見せる。

モレスモの力強い片手打ちバックハンド
技術的には、グリップが厚いためエナンらと共通する部分が多い。フォロースルーでの面の動きは非常に安定している。また、グリップが厚い選手は、インパクトでかなり身体が前向きになるが、やはり回転を止める意識は重要だ。

グリップは厚いが低いボールにもしっかり対応

モレスモは、グリップはかなり厚いが、下半身の使い方が上手で低いボールもうまく打てるし、速い展開にも対応でき、スライスもうまいため、サーフェスをあまり選ばない。また、リラックスのしかたもうまく、リラックスした柔らかいテイクバックから力強いインパクト、そしてフォロースルーではまたリラックスと、メリハリがうまくできている。そのことも、パワーと安定性の両立に貢献しているはずだ。
モレスモの遠いボールに対するバックハンド・スライス
スライスの技術はかなりオーソドックスで、適度にリラックスした安定感のあるスウィングができているため、このように遠いボールを深く返したり、スライスでペースを変えたりするのも自由自在。リストの使い方が強くてしなやかな点も、参考にしたい部分だ。

(テニスジャーナル 2004年7月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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