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フェデラーが貫禄を見せ、全豪の借りを返す |
画像提供:Getty/AFLO |
(ドイツ、ハーレ)
12日行われたゲリー・ウェバー・オープンの決勝は、トップシードのR・フェデラー(スイス)対第3シードのM・サフィン(ロシア)という宿敵同士の戦いとなったが、フルセットに及ぶ接戦の末、フェデラーが6-4, 6-7 (6-8), 6-4で勝利し、今大会3連覇を決め、全豪オープン準決勝の借りを返す形になった。
3月以来膝の不調に悩むサフィンは、今大会でもその影響が散見されたものの健闘し、芝コートでは自身初の決勝進出を果たした。しかし、芝を得意とする王者の前には一歩及ばず、今期2つ目、通算16個目の優勝とはならなかった。また、両者の対戦成績も7-2とフェデラーに一つ差をつけられた。フェデラーはこの勝利で今季7つ目、通算で29個目の優勝を飾り、決勝では実に20連勝という驚異的な記録を更新した。また、芝ではウィンブルドン2連覇も含め、29連勝となった。これら快挙を示す数字を見て、「その中でも一番大事なのは過去20回決勝で負けていないことだ。決勝という大事な試合でいい結果が出せるのは嬉しいことだよ。」とフェデラーは語る。
試合は、サフィンがいきなりサービスゲームをブレークされて始まり、最初の15ポイント中12ポイントをフェデラーが取るなど、一方的な試合展開となるかと思われたが、ようやくエンジンがかかってきたサフィンが第5ゲームをブレーク。しかし第10ゲームで簡単なミスの連発のせいでブレークされ、セットを落としたサフィンは、苛立ちのあまりラケットを投げつけて折ってしまう有様。
第2セットはサフィンも冷静さを取り戻し互角の展開。最後はサフィンが意地を見せタイブレークを制してセットオールに持ち込む。そして第3セットも両者譲らぬ試合となったが、第3ゲームでフェデラーがサフィンのサービスをブレークしたのが勝負の分かれ目となった。「あれ以上のプレーはできなかったよ。」と試合を振り返るサフィン。「久しぶりにとてもいいプレーができたけど、ロジャーを止めるには至らなかったね。でもいい試合だったし、楽しかったよ。」
今大会ではフェデラーは同胞のY・アレグロ(スイス)と組んでダブルスにも顔を出しており、この日サフィン&J・ヨハンソン(スウェーデン)組と決勝で対決した。結果は7-5, 6-7(6-8), 6-3でスイス組が勝ち、フェデラーは単複ダブル優勝を果たした。フェデラーはこれで2度目のダブルス・タイトルとなるが、1つ目も2003年のウィーンの大会でアレグロと組んだときのもので、そのときも単複を制覇している。「アレグロと組んで2回ダブルスで優勝できたってことは、ダブルスで勝ちたけりゃ、彼と組めばいいってことだね。デビスカップも近づいていることだし。」とまさに死角なしの様相を呈する王者だ。