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芝で意外な好調を見せるサフィン |
画像提供:Getty/AFLO |
(ドイツ、ハーレ)
M・サフィン(ロシア)にとってはまさに全豪オープン以来の宿敵との出会いが実現した。
ゲリー・ウェバー・オープンで土曜日に準決勝2試合が行われ、一方で第2シードのサフィンが第4シードのG・カニャス(アルゼンチン)を6-3, 4-6, 6-2で下し、また一方で今大会3連覇を目指す第1シードのR・フェデラー(スイス)がT・ハース(ドイツ)を6-4, 7-6(11-9)で破り、それぞれ決勝へと進んだ。
両者の戦いで忘れられないのは、今年の全豪オープンでの準決勝。4時間27分に及ぶ死闘の末、5-7, 6-4, 5-7, 7-6 (8-6), 9-7でサフィンが勝利し、フェデラーの連勝は26でストップ、そしてサフィンは見事決勝も勝ち、自己2度目のグランドスラムタイトルを獲得したのであった。
サフィンがもし今大会で優勝すれば、自己通算16個目のタイトルとなるが、芝では初となる。ただ、そのためには、また一つフェデラーの連勝記録をストップさせなくてはならない。芝を得意とするフェデラーは、目下芝では28連勝中なのだ。
「タフになるのは分かっているけど、攻撃的に行くつもりだ。」とサフィンは闘志を燃やす。「相手のサーブにプレッシャーがかけられればいいし、後は運さえ向いてくれればね。」
サフィンは3月のインディアン・ウェルズの大会以来膝の不調を訴えており、今大会でも準々決勝途中に膝の調子が悪くなり、棄権寸前にまで追い込まれていた。その調整ぶりが多少懸念されるが、「自分は必ずしも芝は得意ではないけど、今大会は不思議なくらい上手く行ってる。前は自分の背が高かったりサーフェスが滑りやすかったりとかプレーしにくく思っていたけど、動きもだんだん改善してきた。そして今週は勝ち進んできて自信がついてきた。」と、サフィンは精神的には十分安定しているようだ。
一方のフェデラーはハースに勝ちはしたものの、第2セットの20ポイントにも及んだタイブレークでは、2度マッチポイントをハースに握られるなど、よもやの場面も見られた。
「ウィンブルドンでフェデラーに勝てる人間は、想像するに難しいね。彼のサーブはサンプラスのと同じくらい予想がつかない。トップ選手であっても、芝で彼を倒すには実力だけでなく、運も見方してくれないとね。」と、ハースは世界No.1の卓越したプレーについて語っていた。
フェデラーも今大会では試合を重ねるたびに芝での感触をつかんでおり、「こういう調子でウィンブルドンを迎えるのはいい。自分でも驚くくらい早く感触がつかめた。」と自信を見せた。
フェデラーとサフィンの両者はこれまで6-2でフェデラーがリードしており、また決勝では2度当たっているがサフィンは勝てていない。